
来週のプレゼンに向けて、慧とふたりで作業をすることに。会議室で資料を並べていると、慧がすっと隣に腰を下ろす。
「……あれ? 部長、反対側じゃなくていいんですか?」
「画面、見づらいでしょ。こっちの方が見やすいから」
それだけ言って、莉央のすぐ隣に座る。距離、ほんの数センチ。画面を覗き込む慧の息がかかるほど近い。
(ち、近い……!)
慧は平然とした顔でパソコンを操作していて、全然動じる様子がない。けれど莉央の心臓は、すでに爆発寸前。
「……これ、どう思う?」
「あ、え、っと……私は……」
(集中できるわけないじゃん!!)
「………?」
莉央がモニターから目を逸らしたのに気づいて、慧が少し覗きこむ。その顔があまりに近くて、思わず横へよろけてしまう莉央。
「わっ……!」
「危な!」
そのまま、慧の腕が莉央の腕を支えて止める。すぐそこにある顔、腕から伝わる温度。莉央は心臓の音が慧に聞こえるんじゃないかと本気で焦る。
「……大丈夫か?」
「だ、だいじょうぶ……です……」
(やば、むり、今のなに!?)
「顔、赤い」
「え、そんなことないですって……!」
「……そっか」
そう言いながら、慧はふっと優しく笑って、莉央の頭を軽く撫でる。
「っ……!?」
「頑張ってるの、ちゃんと見てる……無理しなくていいから」
その声も、優しすぎる手つきも、全部反則。
(やっぱり好き……だめだ、耐えられない……)
「白石……顔に出すぎ」
「で、出てませんっ!!」
「……ふっ、そうか」
「~~~~っ!!
(ほんとにもう、ずるい……!!)
To be continued

