◎私は、君が好きなことを話しているときの瞳も、口元も、体を包み込んでいる空気も、全部、宝箱に閉じ込めていたかった。
◎やっと見つけた、二人の共通点。
遠く離れた点と点だった距離感が一本の線で繋がり、ぐっと引き寄せては、心の距離が縮まったように感じていた。
どうかこのまま、切れて途絶えることがないように……と、心の奥で静かに祈っては、空回りしたこともあったっけ。そのたびに、絡まった糸を一緒に解いてくれたよね。
いっそ、あのままだったら、今も隣にいてくれた――?。
◎あの頃の図書室。君が受付担当の日だけ、入る勇気がなかった。
静寂を打ち消してしまいそうな鼓動だけが、全身を支配していたから。
今は、ただただ後悔してる。――――" タイトル越しに告白しちゃえばよかった "って。
君は昔からいろんな本に詳しいから、きっと、それだけで想いが伝わるような気がするんだ。
◎答えが見つからない人生の途中で正解したら、独りになってしまう。でも、君なら一緒に悩んでくれるかな?
君だから出せる答えが、欲しかった。
◎二人でいれば、世界がどれだけ狂っても、強くいられると思ってた。
◎『面白いよこれ』そう言って貸してくれた本、まだ返せないや。
――――この鼓動の正体が届いてしまう。
あるいは、これからの私たちを、この本にすべて決めつけられてしまう……そんな気がして。
◎友達との恋バナに、君を絶対に登場させたくない。そう思い込んでいるのはきっと、私だけで。
――――花を散らせたくないんだ。遠くから、ゆっくり眺めているうちが華だと思い込んでいたから。
◎ゆるりゆるりと溶けていった想いを、君に気づかれないようにもう一度、ぎゅっと抱き寄せた。
それでも、両手の指の隙間から、温かい雫がゆっくり落ちていった。
進学先が違うなら、もうこんな恋なんかしたくない。書き換えられないよ、この気持ちだけは。
◎時間が、空間が、何もかも足りない。
だから、終わりを迎える前に、君と叶えたい夢があるんだ。聞いてくれるかな。
◎「尊い」「好き」なんて二文字で、君への想いを語れるわけない。
まるで、ぎゅうぎゅうに押し込めるようにこの恋を描いたら、それが失恋の瞬間じゃないかな。
◎クラス発表のたびに、「また同じクラスだね」だったのに、最後の年は何も言ってくれなくなって寂しかった。
また、くだらない話をしては、お腹の底から笑いたかった。
あれほどまでに、「君と笑っているうちに時間が溶けている現象」をまた経験したいと思ったことは、後にも先にも、存在しなかった。
◎ねぇ、私が最後に伝えた言葉、覚えてる?――『ごめんね』たったそれだけ。
あの日、くだらない喧嘩で終わったこと、思い出すたびに、心にじわりと涙が滲む。
でもね、今も、忙しい日々のなかで、君が穏やかに過ごせる時間があることを祈らせてほしいんだ……。
――――やっぱり、言いたくなってしまうな。
言えばよかったな
言う勇気がないから、きっとまた、例えるんだろう
『三月、君が大好きな、桜になりたかった』

