罪人令嬢は、二度目の人生でも幸せになれない~誰にも愛されていないと信じたまま、私はまた笑う~

朝の光が、療養室の床に四角い日だまりを作っている。

朝食を終えた後、カシリア殿下は昨日よりもさらに細かく砕かれた黄金の欠片、すなわち『幸せの実』を私の前に差し出した。

「この量はどうだ」

彼の声は低く、私の様子を注意深く見守っている。

私は少量の水と共にその欠片を飲み込み、数分間の体の変化を確かめた。

「ええ……多分、心の方は問題ないですわ」

私は両手を握ったり開いたりして、体がちゃんと動くか確かめる。

「ただ、ちょっと体に元気が出せないみたいです。だるいと言いますか、鉛が入っているみたいで。少し、お風呂に入ってみます……」

カシリア殿下の許可を得て、私は侍女の手を借りて別室の浴室へと移動した。

温かいお湯が肌を包み、強張っていた筋肉の緊張をゆっくりとほぐしていく。

侍女が柔らかい布で私の背中や手足を丁寧に洗い、桜色の長い髪の水気を拭き取ってくれる。

私は新しい絹の寝間着に着替え、ほんの少しの疲れを感じながら、療養室の寝台へと戻ってきた。

室内の空気は静かで、書類仕事に向かうカシリア殿下の規則的な羽根ペンの音だけが響いているはずだった。

私は寝台の端に腰を下ろし、湿った髪を整えることもなく、力が入らずにそのまま横になろうとした。

寝間着の襟元が乱れ、肩の白い肌が覗く。

その瞬間、羽根ペンが羊皮紙を擦る音がぴたりと止まった。

重い足音が私の寝台へと近づいてくる。

カシリア殿下の大きな体が窓からの光を遮り、私の視界に大きな影を落とした。

お風呂から上がったばかりの私の桜色の髪はほんのり湿っていて、肌からは特有の甘い香りが立ち昇っている。

その姿と香りが、カシリア殿下の理性をあっさりと吹き飛ばしたようだ。

彼の瞳の奥には、書類を処理する王太子の冷静さはなく、ただ純粋で激しい情欲と独占欲の炎が燃え上がっている。

「殿下……?」

私が状況を把握するより早く、彼の両腕が私の肩を掴み、そのまま寝台の柔らかいシーツの上へと私を仰向けに押し倒した。

彼の高い体温と、微かな香りが私をすっぽりと包み込む。

「あっ……んっ……殿下……まだお昼なんです……」

私は彼の胸板に両手を当てて、少しでも距離を取ろうとした。

しかし、その抵抗は弱々しく、彼の引き締まった体を少しも押し返せない。

カシリア殿下の顔が近づき、彼の唇が私の首筋の剥き出しの肌に触れた。

熱を帯びた感触が、背筋にゾクゾクと電流のようなものを走らせる。

「言っただろう、オレが、薬になるって」

彼の低い声が、私の耳元を震わせる。

「そ、そんなの……!」

口では拒絶しながらも、私の体は完全に彼に従わされていた。

彼の大きな手が寝間着の絹の布をあっさりと退け、私の体の柔らかな部分へと直接触れる。

その指先の動きに合わせて私の呼吸が急速に浅くなり、肌が熱を持っていく。

薬が切れたことによるだるさは、彼から与えられる強い刺激と快感によって、瞬時に頭の中から消え去った。

「リリス。君のすべてを、オレが満たしてやる」

カシリア殿下の口付けが私の唇を深く塞ぎ、漏れ出そうな声をすべて奪い去る。

彼の力強い鼓動と、私の不規則な心音が、ぴったりと合わさった胸の奥で重なり合う。

静かな療養室に、衣擦れの音と、甘く湿った吐息だけが満ちていく。

彼が私のもっとも無防備な場所へと侵入し、激しく何度も結びついた。

私は彼の背中に爪を立て、波のように押し寄せる快感の濁流に完全に頭が真っ白になった。

彼から与えられる圧倒的な熱と存在感が、私の内側の空っぽな部分を隅々まで満たしていく。

激しい行為の果てに、彼は私の奥深くへと、自身の熱い思いを何度も注ぎ込んだ。

幸せな余韻の中、私は彼の腕の中で荒い呼吸を繰り返す。

「リリスは、もう力を出せるんじゃないか」

カシリア殿下が私の濡れた前髪を撫でながら、悪戯っぽく口角を上げた。

「そんなのは……ずるいですよ!」

極度の恥ずかしさと薬よりも強い安心感の中で、ただ力なく抗議の言葉を返すことしかできなかった。

「でも私、幸せです」

私は顔を彼の胸に埋めて、そっと囁いた。