罪人令嬢は、二度目の人生でも幸せになれない~誰にも愛されていないと信じたまま、私はまた笑う~

カシリア殿下の唇が、私の微かに震える唇を深く塞ぐ。

さっきまで私の心を支配していた暗闇への恐怖と『幸せの実』への強い渇望が、彼から注がれる圧倒的な熱によって強引に塗り替えられていく。

彼の舌が私の口の中へと入り込み、涙の塩気を絡め取っていく。

「んっ……ぁ……」

喉から漏れ出そうだったすがるような声が、甘く湿った吐息へと変わる。

カシリア殿下の大きくて硬い手が私の後頭部と背中を強く抱え込み、逃げ場を完全に塞いだまま、さらに深く、貪欲に熱を奪っていく。

闇に怯えた心は、彼が与える強い刺激の前にとろけてしまいそうになる。

肌の温度が急激に上がり、全身の血が熱くたぎるような感覚が走る。

彼の力強い鼓動が服越しに私の胸へと伝わり、私の浅く早かった胸の高鳴りを、無理やり彼のリズムへと合わせていく。

カシリア殿下の長い指が私の桜色の髪をすき、汗で張り付いた寝間着の襟元から、その中へと滑り込む。

「……リリス、オレの熱を感じて。薬なんて、もう必要ない」

低く、自信に満ちた声が、唇の隙間から私の耳の奥へと流れ込んでくる。

彼の手が、私の震える肩から背中の曲線に沿ってゆっくりとなぞっていく。

その指先が触れるたび、体の芯にこれまで経験したことのない強い電流が走り、こわばっていた体の痙攣が、別の甘い震えへと変わっていく。

「殿下……カシリア様……っ」

私は彼の服を握りしめていた手の力を抜き、その腕を彼の広い背中へと回した。

自分の思考も感情も、そして体のすべてを、この熱くてたまらない目の前の彼に委ねてしまう。

カシリア殿下は私の体を抱え上げたまま、療養室の寝台へとゆっくり移動し、真っ白なシーツの上へ私をそっと寝かせた。

彼の重みのある体が、私の視界をすっぽりと覆い尽くす。

青い瞳の奥に燃える、暗く熱い独占欲の炎が、私の目に焼き付いた。

「君のすべては、オレのものだ。この絶望も、狂気も、オレが残さず飲み込んでやる」

彼は私の汗ばんだおでこ、涙に濡れた頬、そして首筋へと、熱いキスを何度も落としていく。

その一つ一つの温もりが、私の心に残っていた恐怖の欠片を溶かして消し去り、絶対的な安心感と甘い痺れへと変えていく。

カシリア殿下の手が、私のシルクの寝間着をゆっくりと脱がせ、肌と肌が直接触れ合う場所を広げていく。

彼自身の服も脱ぎ捨てられ、鍛え上げられた胸や腹筋があらわになる。

彼の手が私の体の柔らかな部分を包み込み、優しく、それでいて確かな支配欲を持って撫で上げる。

「あ……ぁっ……」

私の口から、お薬が切れた時の苦しみとは全く違う、甘く高い声が漏れる。

カシリア殿下の体が私の体とぴったり重なり合い、お互いの体温が溶け合って、どこからが彼でどこまでが自分なのか分からなくなる。

彼の熱い中心が、私の最も無防備な場所へとゆっくりと、でも確実に甘く入り込んでくる。

身体が一つに繋がる感覚が、頭の奥底に隠されていた知らない快感を直接揺さぶってくる。

「リリス……オレだけを見て。オレだけを感じて」

彼の低い声と同時に、奥を突き上げる強い熱が、私の視界を真っ白な光で塗りつぶした。

「ひあっ……!……カシリア、様……っ!」

私は彼の背中に爪を立て、そのたくましい筋肉にすがりついた。

彼が腰を動かすたび、波のように押し寄せる快感が全身を支配し、考える力を奪っていく。

今この瞬間にカシリア殿下から与えられる、生々しくて直接的な熱と快楽の前では、お薬への執着も欲求も綺麗に消え去ってしまう。

ただ、目の前にいるこの人の熱を貪り、彼に満たされたくなる。

私たちはお互いの体温を分け合い、静かな療養室で激しく、そして甘い行為を繰り返した。

彼のキスが私の声を塞ぎ、彼の力が私の理性をぐずぐずに壊していく。

私は彼に身も心も委ねて、その支配を受け入れることにたまらない喜びを感じていた。

何度も何度も波が押し寄せ、そのたびに私の体はカシリア殿下の腕の中で大きく跳ねた。

「ああ……っ、殿下……!」

最後の一番大きな光が頭の中を駆け抜け、全身がぎゅっと縮こまった後、ゆっくりと力が抜けていく。

それと同時に、カシリア殿下の荒い息遣いと共に、彼の中からの熱い流れが私の中へと注ぎ込まれた。

その圧倒的な充実感と熱が、私の空っぽだった心と体の隅々まで満たしていく。

激しい行為の連続で、私の体力はとうに限界を迎え、意識が急速にぼやけていく。

カシリア殿下は自分の重みで私を押しつぶさないように腕で体を支え、私の汗で濡れた前髪を優しく撫でた。

「よく頑張ったね、リリス。もう、大丈夫だよ」

彼の穏やかで愛情に満ちた声が、まどろみへと沈んでいく私の耳に届く。

私は彼の首筋に顔をうずめ、その規則正しい鼓動の音を聞きながら、そっと意識を手放していった。