「ちょうどいいから、いってくる」
ヴォーグは優月をベッドまで連れていくと、それだけ告げて部屋を出た。
自室に向かうや、ホルスターごと外し、二挺のリヴォルバーとライフルをテーブルに置く。
腰に巻いていた、弾丸の入ったポーチも外す。指ぬきグローブを外して黒の革手袋を嵌める。
準備が終わるや、ヴォーグは洋館の出入口の鍵をかけ、山へと駆け出した。
この山は木々が鬱蒼としており、日の光をほとんど遮ってくれる。しかし完全でもないため、ヴォーグはきっちり肌を隠すようにしている。
森の中にある深い洞窟の中で、ヴォーグは生き血を啜ることにしている。
ヴォーグは森を駆けながら、栗鼠を見つける。生かしたまま捕らえ、そのまま洞窟まで走って戻る。
洞窟の中に入り、わりと奥の方まで進み、日の光が入ってこないことを確認。安堵の溜息をついたヴォーグは、左手の革手袋の先を口で嚙んで外す。
バタバタと暴れる栗鼠を左手に持ち替え、鋭い爪で腹を開く。
それだけで栗鼠は動かなくなり、左手には確実に命が消えた感覚と、生温かい鮮血が溢れ出す。
ヴォーグはその血を啜りながら思う。
――いつまで経っても、動物の命がこの手で散る瞬間には、慣れない。きっといくら殺しても、慣れることはないのだろう。
必死に血を啜り、その臓物までもを口にした。栗鼠の皮についていた鮮血も綺麗に舐めとり、皮を捨てる。手袋を嵌め直す。
渇きはまだ癒えきっていなかった。次はもう少し大きな獣を見つけようと、洞窟を飛び出した。
ヴォーグは森の奥で咆哮を聞き、音を頼りに駆け出す。
そこには二頭の熊が争っていた。一頭を運ぶので精いっぱいだし、なにより洞窟まで運ぶ暇がない。
――これは大きすぎるな、却下。
別の獲物を探しに、ヴォーグはその場を離れた。
次は中くらいの大きさの狐を見つけた。両手で抱えればなんとか生け捕りにできるかもしれないと思い、飛び出して捕まえる。
予想通りジタバタと暴れたが、右手で口を押さえ込んで、そのまま駆け出す。
急いで洞窟まで戻り、栗鼠のときと同じように、手袋を外し、心臓を探し当てる。
躊躇うことなく指を刺して、命をあっさりと奪う。
溢れ出す鮮血を零すまいと啜り、臓物を食べながら、ヴォーグは優月のことを思い出す。
――こんな姿、あいつには見せられねぇ。それに、誰かに見られるのもごめんだ。どうせ、見られたら殺すしかない。
そんな哀しいことを思いながら、ヴォーグは狐を平らげる。
黒いので分からないが、服は血で汚れているし、手は生臭い。
――こういうのにも、慣れる気配はなしか。
自嘲するように、笑うことしかできない。
ヴォーグは優月をベッドまで連れていくと、それだけ告げて部屋を出た。
自室に向かうや、ホルスターごと外し、二挺のリヴォルバーとライフルをテーブルに置く。
腰に巻いていた、弾丸の入ったポーチも外す。指ぬきグローブを外して黒の革手袋を嵌める。
準備が終わるや、ヴォーグは洋館の出入口の鍵をかけ、山へと駆け出した。
この山は木々が鬱蒼としており、日の光をほとんど遮ってくれる。しかし完全でもないため、ヴォーグはきっちり肌を隠すようにしている。
森の中にある深い洞窟の中で、ヴォーグは生き血を啜ることにしている。
ヴォーグは森を駆けながら、栗鼠を見つける。生かしたまま捕らえ、そのまま洞窟まで走って戻る。
洞窟の中に入り、わりと奥の方まで進み、日の光が入ってこないことを確認。安堵の溜息をついたヴォーグは、左手の革手袋の先を口で嚙んで外す。
バタバタと暴れる栗鼠を左手に持ち替え、鋭い爪で腹を開く。
それだけで栗鼠は動かなくなり、左手には確実に命が消えた感覚と、生温かい鮮血が溢れ出す。
ヴォーグはその血を啜りながら思う。
――いつまで経っても、動物の命がこの手で散る瞬間には、慣れない。きっといくら殺しても、慣れることはないのだろう。
必死に血を啜り、その臓物までもを口にした。栗鼠の皮についていた鮮血も綺麗に舐めとり、皮を捨てる。手袋を嵌め直す。
渇きはまだ癒えきっていなかった。次はもう少し大きな獣を見つけようと、洞窟を飛び出した。
ヴォーグは森の奥で咆哮を聞き、音を頼りに駆け出す。
そこには二頭の熊が争っていた。一頭を運ぶので精いっぱいだし、なにより洞窟まで運ぶ暇がない。
――これは大きすぎるな、却下。
別の獲物を探しに、ヴォーグはその場を離れた。
次は中くらいの大きさの狐を見つけた。両手で抱えればなんとか生け捕りにできるかもしれないと思い、飛び出して捕まえる。
予想通りジタバタと暴れたが、右手で口を押さえ込んで、そのまま駆け出す。
急いで洞窟まで戻り、栗鼠のときと同じように、手袋を外し、心臓を探し当てる。
躊躇うことなく指を刺して、命をあっさりと奪う。
溢れ出す鮮血を零すまいと啜り、臓物を食べながら、ヴォーグは優月のことを思い出す。
――こんな姿、あいつには見せられねぇ。それに、誰かに見られるのもごめんだ。どうせ、見られたら殺すしかない。
そんな哀しいことを思いながら、ヴォーグは狐を平らげる。
黒いので分からないが、服は血で汚れているし、手は生臭い。
――こういうのにも、慣れる気配はなしか。
自嘲するように、笑うことしかできない。
