――封じ込めてしまった方が楽だ、みたいなことかな? 分からないけれど。
優月は声を必死に抑えて、泣き続けることしかできなかった。
明日は笑顔でいられるように、ヴォーグの代わりに泣くのだった。
ヴォーグは、窓から見える月を見上げて呟く。
「俺は泣かせることしか、できねぇのか」
優月が一人で、泣きじゃくっているのを、見越していたのだ。
――俺はあいつの、笑顔が見たいのになぁ。なにをしているんだか。また続きの話をしたら、泣くのは目に見えている。しかし、話さんわけにもいかねぇし。折を見て話そう。
「なあ、ミューリ。色々あったが、俺はなんとか生きているよ」
ヴォーグは紫煙を吐き出して、深く溜息を零した。
同時刻。
野々宮が洋館を見上げていると、ヴォーグらしき人影を見つける。
近いし、会いにいこうと思ったが、遅い時刻だったので、やめにした。
「しかし、本当にしっかりした造りだこと。どうやって住めるようにしたんだろうねぇ」
野々宮は見上げながら呟いた。
夜でも何となく明かりがついているのが見えるため、誰も見ていないことを確認してから、じいっと見続けた。
――それにしても、部屋が多いんだねぇ。家が大きいからなおさらか。空き部屋あるなら何かに使えばいいのに。服のお披露目会とか、考えるだけでも面白そうだねぇ。女達に声かけてみてもいいかも。楽しいことはみんなで共有しないと!
ご機嫌の野々宮は洋館に背を向けて、鼻歌を歌いながら歩き出した。
が、石に躓いて転ぶ。
一気に不機嫌になりながら、今度こそ洋館から離れた。
優月は声を必死に抑えて、泣き続けることしかできなかった。
明日は笑顔でいられるように、ヴォーグの代わりに泣くのだった。
ヴォーグは、窓から見える月を見上げて呟く。
「俺は泣かせることしか、できねぇのか」
優月が一人で、泣きじゃくっているのを、見越していたのだ。
――俺はあいつの、笑顔が見たいのになぁ。なにをしているんだか。また続きの話をしたら、泣くのは目に見えている。しかし、話さんわけにもいかねぇし。折を見て話そう。
「なあ、ミューリ。色々あったが、俺はなんとか生きているよ」
ヴォーグは紫煙を吐き出して、深く溜息を零した。
同時刻。
野々宮が洋館を見上げていると、ヴォーグらしき人影を見つける。
近いし、会いにいこうと思ったが、遅い時刻だったので、やめにした。
「しかし、本当にしっかりした造りだこと。どうやって住めるようにしたんだろうねぇ」
野々宮は見上げながら呟いた。
夜でも何となく明かりがついているのが見えるため、誰も見ていないことを確認してから、じいっと見続けた。
――それにしても、部屋が多いんだねぇ。家が大きいからなおさらか。空き部屋あるなら何かに使えばいいのに。服のお披露目会とか、考えるだけでも面白そうだねぇ。女達に声かけてみてもいいかも。楽しいことはみんなで共有しないと!
ご機嫌の野々宮は洋館に背を向けて、鼻歌を歌いながら歩き出した。
が、石に躓いて転ぶ。
一気に不機嫌になりながら、今度こそ洋館から離れた。
