その言葉を最後に、ミューリは息を引き取った。
「本当に、お疲れ様。どうか、向こうで見守っていてくれ」
骸を両腕に抱え、ヴォーグは跳躍する。いったん物陰に移動して、骸を置く。
「生き延びるために逃げるのは、もうやめだ。悪い、ミューリ。俺は地獄を歩くよ」
ヴォーグはぐいっと涙を拭い、無表情で言葉を残す。
そしてたった独りで、時が止まったかのように見える、戦場に向かう。
「出てきた!」
「全員で殺してやるっ!」
「やれるもんなら、やってみろ!」
怒鳴り散らしたヴォーグは、男達の中に右手にリヴォルバーを構えて、突っ込む。
男の腹を難なく蹴り飛ばし、頭を撃ち抜く。
続いて背後にきていた男の頭を撃ち抜いて、グリップを横に振る。
「ぎゃっ!」
それに頭を打たれた男が、悲鳴を上げる。
あっさりとその男を始末すると、左右から槍が二本、身体を刺し貫く。
「ぐっ! ……まったく、愚かとしか、言いようがない。こんな掠り傷で、弱るわけがないのに」
左手に構えたリヴォルバーを槍の持ち主二人に向け、二回引き金を引く。
頭を撃ち抜かれた二人は、どさりと倒れる。
右手でまずは、刺さった槍を抜いて捨てる。
リヴォルバーを右手に構えながら、左手で槍を抜く。
そこが隙だと思って突っ込んできた男に、槍の切っ先を変えて頭を刺し貫く。
「それ、邪魔だから返す」
物を言えぬと分かっていながらも、ヴォーグは気軽に言う。
「こいつ本当に、吸血鬼、なのか!」
「もちろんだ。貴様らは俺を、殺そうとしたな。人間に水を与えなければ死ぬ。吸血鬼には、血を与えなければ死ぬ。そんなことも分からんのか。こちらの事情を考えもせず、ただ閉じ込めて」
「それはお前が暴走したからで!」
「好きで暴れたんじゃねぇよ! 俺は当時、渇きを満たすことしか頭になかっただけだ。衝動を抑えられるほどの知識もなければ、対策も知らなかった!」
「お前は、人を殺してるんだぞ⁉」
「そうだ。俺はもう闇に塗れている。恩人を殺した貴様らには、死が妥当だろ?」
ヴォーグは口端を吊り上げて、冷然と嗤う。
「なんて、美しいんだ……」
「ここは命のやり取りをする場、ではなかったか?」
見惚れている男の心臓を撃ち抜いて、ヴォーグが吐き捨てる。
「なんとしても、そいつを殺せ!」
ヴォーグは上から指示を飛ばしている男を、ギロリと睨む。
それだけで男は黙った。
――睨みひとつで黙るなら、口を出してくるんじゃねぇよ。
内心でそんなことを思いながら、近い男達から殺して、上へ上へと確実に登っていく。
「ひ、ひいいいいいっ!」
前進してくるヴォーグに、恐怖を覚えた男が悲鳴を上げる。
「本当に、お疲れ様。どうか、向こうで見守っていてくれ」
骸を両腕に抱え、ヴォーグは跳躍する。いったん物陰に移動して、骸を置く。
「生き延びるために逃げるのは、もうやめだ。悪い、ミューリ。俺は地獄を歩くよ」
ヴォーグはぐいっと涙を拭い、無表情で言葉を残す。
そしてたった独りで、時が止まったかのように見える、戦場に向かう。
「出てきた!」
「全員で殺してやるっ!」
「やれるもんなら、やってみろ!」
怒鳴り散らしたヴォーグは、男達の中に右手にリヴォルバーを構えて、突っ込む。
男の腹を難なく蹴り飛ばし、頭を撃ち抜く。
続いて背後にきていた男の頭を撃ち抜いて、グリップを横に振る。
「ぎゃっ!」
それに頭を打たれた男が、悲鳴を上げる。
あっさりとその男を始末すると、左右から槍が二本、身体を刺し貫く。
「ぐっ! ……まったく、愚かとしか、言いようがない。こんな掠り傷で、弱るわけがないのに」
左手に構えたリヴォルバーを槍の持ち主二人に向け、二回引き金を引く。
頭を撃ち抜かれた二人は、どさりと倒れる。
右手でまずは、刺さった槍を抜いて捨てる。
リヴォルバーを右手に構えながら、左手で槍を抜く。
そこが隙だと思って突っ込んできた男に、槍の切っ先を変えて頭を刺し貫く。
「それ、邪魔だから返す」
物を言えぬと分かっていながらも、ヴォーグは気軽に言う。
「こいつ本当に、吸血鬼、なのか!」
「もちろんだ。貴様らは俺を、殺そうとしたな。人間に水を与えなければ死ぬ。吸血鬼には、血を与えなければ死ぬ。そんなことも分からんのか。こちらの事情を考えもせず、ただ閉じ込めて」
「それはお前が暴走したからで!」
「好きで暴れたんじゃねぇよ! 俺は当時、渇きを満たすことしか頭になかっただけだ。衝動を抑えられるほどの知識もなければ、対策も知らなかった!」
「お前は、人を殺してるんだぞ⁉」
「そうだ。俺はもう闇に塗れている。恩人を殺した貴様らには、死が妥当だろ?」
ヴォーグは口端を吊り上げて、冷然と嗤う。
「なんて、美しいんだ……」
「ここは命のやり取りをする場、ではなかったか?」
見惚れている男の心臓を撃ち抜いて、ヴォーグが吐き捨てる。
「なんとしても、そいつを殺せ!」
ヴォーグは上から指示を飛ばしている男を、ギロリと睨む。
それだけで男は黙った。
――睨みひとつで黙るなら、口を出してくるんじゃねぇよ。
内心でそんなことを思いながら、近い男達から殺して、上へ上へと確実に登っていく。
「ひ、ひいいいいいっ!」
前進してくるヴォーグに、恐怖を覚えた男が悲鳴を上げる。
