「生きる術などまともに教えもしないあんたらになんて、任せておけっこないんだよ! やっと、生きていくだけの力をつけたのに、こんな連中に殺させるもんですか!」
ミューリのリヴォルバーが、火を噴く。
男達のひとつの波だけが、バタバタと倒れていく。
「かかれっ!」
ミューリは、忌々しげに顔を歪める。
身体が、こんなときに言うことを聞かなくなってきた。弾も補充しなきゃいけないのに、震えてできないし……。
「ヴォーグっ! 生きてっ!」
叫ぶと同時にミューリは、腹を槍で刺し貫かれた。
「ミューリ……!」
ライフルを仕舞って背負うと、物陰から飛び出し、宙に飛んだその身体を抱きとめて、左手に構えたリヴォルバーで五回引き金を引く。
着地点に集まっていた五人の、男達の心臓を撃ち抜く。
骸の上に降り立った、ヴォーグが声を張る。
「止まれ! 愚か者ども! 一歩でも踏み込んだら殺す!」
殺気に満ちたその気迫に呑まれ、男達は足を止める。
「ヴォーグ……。なんで、出てきたのよ……」
「当然だろ。育ててくれた恩人を、見捨てる気はねぇよ」
弱々しい声を聞いた、ヴォーグが言い返す。
「最後は、実践式の、見取稽古だった、んだけど、ちゃんと、見た?」
「見たよ。ちゃんと覚えた。もういいから、喋るな」
「最期だから、ちゃんと、言わなくちゃ」
「……なにを?」
ヴォーグは溜息を吐きながら、問う。
「私はここで散るけど、ヴォーグのことを好きになって、受け容れてくれる人は、必ず、必ず、いるから。私に教えられるのは、強くなることだけ、だったけど、ここまで強くなってくれて、ありがとう。ヴォーグは、私の自慢で、誇り、だから。本当は……ヴォーグが幸せになる、その日を、生きて見たかったなあ……」
「俺を助けてくれて、育ててくれて、本当に感謝している。本当は、これから恩を返していこうと、思っていたのにな。遅くて、ごめんな?」
二人は涙を流しながら、言葉を交わす。
「遅くなんて、ないよ。もう、十分返して、もらったよ。こんな私のために、泣かないで……?」
「なら、想像してみろよ? 俺が誰かと幸せになっている、その光景を」
ミューリが目を閉じて、思い描く。想い人と幸せになっている、ヴォーグの姿を。
「見えたよ、お互いに、とっても幸せそうに、笑い合ってたな」
「なら、それを土産に持っていけよ。俺はもう、大丈夫だから。一生をかけて、恩を返す」
ヴォーグが呟くと、ミューリが力なく笑う。
「重いよ。だから、十分だって」
「そうか……」
「ヴォーグ、逃げてもいいから、お願い。私の仇なんて、取らなくていい。生き延びて、ね……?」
ミューリのリヴォルバーが、火を噴く。
男達のひとつの波だけが、バタバタと倒れていく。
「かかれっ!」
ミューリは、忌々しげに顔を歪める。
身体が、こんなときに言うことを聞かなくなってきた。弾も補充しなきゃいけないのに、震えてできないし……。
「ヴォーグっ! 生きてっ!」
叫ぶと同時にミューリは、腹を槍で刺し貫かれた。
「ミューリ……!」
ライフルを仕舞って背負うと、物陰から飛び出し、宙に飛んだその身体を抱きとめて、左手に構えたリヴォルバーで五回引き金を引く。
着地点に集まっていた五人の、男達の心臓を撃ち抜く。
骸の上に降り立った、ヴォーグが声を張る。
「止まれ! 愚か者ども! 一歩でも踏み込んだら殺す!」
殺気に満ちたその気迫に呑まれ、男達は足を止める。
「ヴォーグ……。なんで、出てきたのよ……」
「当然だろ。育ててくれた恩人を、見捨てる気はねぇよ」
弱々しい声を聞いた、ヴォーグが言い返す。
「最後は、実践式の、見取稽古だった、んだけど、ちゃんと、見た?」
「見たよ。ちゃんと覚えた。もういいから、喋るな」
「最期だから、ちゃんと、言わなくちゃ」
「……なにを?」
ヴォーグは溜息を吐きながら、問う。
「私はここで散るけど、ヴォーグのことを好きになって、受け容れてくれる人は、必ず、必ず、いるから。私に教えられるのは、強くなることだけ、だったけど、ここまで強くなってくれて、ありがとう。ヴォーグは、私の自慢で、誇り、だから。本当は……ヴォーグが幸せになる、その日を、生きて見たかったなあ……」
「俺を助けてくれて、育ててくれて、本当に感謝している。本当は、これから恩を返していこうと、思っていたのにな。遅くて、ごめんな?」
二人は涙を流しながら、言葉を交わす。
「遅くなんて、ないよ。もう、十分返して、もらったよ。こんな私のために、泣かないで……?」
「なら、想像してみろよ? 俺が誰かと幸せになっている、その光景を」
ミューリが目を閉じて、思い描く。想い人と幸せになっている、ヴォーグの姿を。
「見えたよ、お互いに、とっても幸せそうに、笑い合ってたな」
「なら、それを土産に持っていけよ。俺はもう、大丈夫だから。一生をかけて、恩を返す」
ヴォーグが呟くと、ミューリが力なく笑う。
「重いよ。だから、十分だって」
「そうか……」
「ヴォーグ、逃げてもいいから、お願い。私の仇なんて、取らなくていい。生き延びて、ね……?」
