そのころ、男はというと男達に追われる女を見つけて、気づかれぬように、物陰に隠れて見つめる。
男達に取り囲まれているので、追われた女の様子を窺い知ることができない。
状況から判断するに、女が彼らの怒りを買ったのか、そうではなくただ殴られているだけなのか、そこまでは分からない。
けれど、あの殴り方を見て、見て見ぬふりはできないと思った。
人の命をこの上なく軽く見て、罰が下ることがないと、信じ込んでいる連中のように思えた。
女は逃げたいのに逃げられないから、抵抗しないのか、はたまた抵抗できないのか。
どっちにしろ、助ける必要がある。
男は腰に装備していた何かを構えた。
女はひたすら殴られ続けていた。
心も身体もボロボロであることは分かっていた。しかし、できることがこれしかなかった。今日はやけに長いと思っていた。
殴られる痛みに耐え続けていた女は、身構えていた痛みが唐突にやんだことに気づき、恐る恐る視線を上げる。
そこには、右手から血を流している男の姿があった。手の甲を見るとなにかの弾が埋め込まれていて、出血源となっているようだ。
「……?」
女はなにが起こったのか、分からず混乱する。
「誰だ!」
血を流している男が言い放つ。
さらに背後から出てきた男の手には、銃口から煙を上げる一挺のリヴォルバーが握られていた。
男が持っている銃器は全部で三種類。リヴォルバー二挺と、背に背負ったライフル。
この国ではかなり珍しい武器なので、不意を突くには最適なのだろうなと、銃器を持った男は思う。
「寄って集って、人を殴って楽しんでいる貴様らに、腹が立ってな」
その声は恐ろしいほど、冷ややかなものだった。
女はのろのろと視線を上げて、目を瞠る。
こんなあたしを救い出そうとしているこの男、とても綺麗な目と髪の色をしてるなと思ったのだ。
こんな状況なのに、その男から視線を離せなかった。
「お前に関係ないだろ。異国民風情が、口出すなよ!」
銃器を持った男の髪の色と目の色はどう見ても、陽の国出身者のものではない。彼は遠い異国の出身なのだろう。
「黙れ」
男の声のトーンが一段階下がる。
女は肩が震えるのを抑えられなかった。こんなところで死ぬのかもしれないと思ったからだ。
「うるせぇ!」
殴っていた男が拳を片手に襲い掛かる。
男はただ銃口を向けるだけだ。
――バシュッ!
その弾丸は頭を貫通し、血とその他もろもろを零して倒れる。頭を撃ち抜かれたのだから、その男が動くことは二度とない。
男達に取り囲まれているので、追われた女の様子を窺い知ることができない。
状況から判断するに、女が彼らの怒りを買ったのか、そうではなくただ殴られているだけなのか、そこまでは分からない。
けれど、あの殴り方を見て、見て見ぬふりはできないと思った。
人の命をこの上なく軽く見て、罰が下ることがないと、信じ込んでいる連中のように思えた。
女は逃げたいのに逃げられないから、抵抗しないのか、はたまた抵抗できないのか。
どっちにしろ、助ける必要がある。
男は腰に装備していた何かを構えた。
女はひたすら殴られ続けていた。
心も身体もボロボロであることは分かっていた。しかし、できることがこれしかなかった。今日はやけに長いと思っていた。
殴られる痛みに耐え続けていた女は、身構えていた痛みが唐突にやんだことに気づき、恐る恐る視線を上げる。
そこには、右手から血を流している男の姿があった。手の甲を見るとなにかの弾が埋め込まれていて、出血源となっているようだ。
「……?」
女はなにが起こったのか、分からず混乱する。
「誰だ!」
血を流している男が言い放つ。
さらに背後から出てきた男の手には、銃口から煙を上げる一挺のリヴォルバーが握られていた。
男が持っている銃器は全部で三種類。リヴォルバー二挺と、背に背負ったライフル。
この国ではかなり珍しい武器なので、不意を突くには最適なのだろうなと、銃器を持った男は思う。
「寄って集って、人を殴って楽しんでいる貴様らに、腹が立ってな」
その声は恐ろしいほど、冷ややかなものだった。
女はのろのろと視線を上げて、目を瞠る。
こんなあたしを救い出そうとしているこの男、とても綺麗な目と髪の色をしてるなと思ったのだ。
こんな状況なのに、その男から視線を離せなかった。
「お前に関係ないだろ。異国民風情が、口出すなよ!」
銃器を持った男の髪の色と目の色はどう見ても、陽の国出身者のものではない。彼は遠い異国の出身なのだろう。
「黙れ」
男の声のトーンが一段階下がる。
女は肩が震えるのを抑えられなかった。こんなところで死ぬのかもしれないと思ったからだ。
「うるせぇ!」
殴っていた男が拳を片手に襲い掛かる。
男はただ銃口を向けるだけだ。
――バシュッ!
その弾丸は頭を貫通し、血とその他もろもろを零して倒れる。頭を撃ち抜かれたのだから、その男が動くことは二度とない。
