最強術者であることを隠して自由に生きようと思っていましたが現最強術者の花嫁になり溺愛されるようになりました

学園が創設記念日により休みの時だった。
いつも通り部屋の中で平凡に過ごしていた舞花。
だがいつもとは全く違う騒がしい雰囲気が部屋の外から出ていたため『まさか』と思い、本を閉じてからわざと
椅子に座って待っていた。
そして部屋の外から凛花とは違う使用人がやってきて
『旦那様が応接室に来るようにとです。』
とだけ言って軽く会釈して去っていった。
舞花は椅子から立ち上がり父がいる応接室へと向かった。
向かっている途中からザワついている空気を感じた。
それはそうかと思う舞花。
何せ、四代家紋の一つである東風谷家の当主が来ているのだ。驚くのも当然であろう。
使用人も、あの人達も。

応接室の扉の前に立ち
扉を叩く。
『…入れ。』
と言われ扉を開いた。
室内には、長年顔を合わせなかった父と対面以降顔を合わせなかった義母と先の方に腕を組み二人を見る凪斗がいた。
舞花は三人に軽く頭を下げる。
「あの娘が舞花です。」
頭をあげれば『こっちへ来い』と言うように手で招かれ
凪斗の隣に座る舞花。
それから、凪斗に引き寄せられ
「もう一度言わてもらう。清原舞花を俺の花嫁にするためここに迎えに来た。」そう告げる凪斗。
「…あの、本当にその子を花嫁にするのですか?
親の私から言わせてもらいますが、その子は少々問題のある子でして…。」
「ほう?どういう問題があるのだ?」
その言葉に凪斗は興味があるように聞き返した。
「その子は妹でもある美奈子を大事にしないのです。美奈子が食事に誘っても、遊びに誘ってもその子は突き放す愚かな娘です。」
実の娘に対して卑下する言葉を吐く父に
舞花は『変わってないな。』と思い悲しさよりも呆れが勝っていた。
しばらく言い訳を聞いていた凪斗だが
「お前がそれを言うのか?」
全ての言葉を論破した。
凪斗に言われ「え?」と咄嗟に口に出る清原の当主。
「よくそんなこと言えたものだ。神崎の大事な存在であった女を花嫁にしたおかげで清原(ここ)を没落せずに済んだというのに、お前は術者とは無縁のその女と一緒に駆け落ちした。お前の方が俺はよっぽど愚かな奴だと思うが?」
『どうしてそれを…!?』と言うように清原の当主は驚く。知らないとでも思っていたのだろうか。
「それに、お前は舞花が美奈子を大事にできないと言っているがそれは当たり前ではないか?
母が亡くなってすぐに連れてきて、事情を知らないというのに接してくる奴を見て大事にしたい。そんな甘ったれた人間なんているものか。」
次々と出てくる正論に清原の当主は何も言えずに
下を向いていた。

空気を変えるように凪斗は口を開き
「それに俺が舞花を花嫁に選んだのは性質などではない。こいつは術者として強い力を持っている。だから花嫁に選んだ。」
そう言うと、二人は驚いた表情をした。
「見せたらいいんじゃないか?」
「…分かった。」
そう言われ、舞花は『桜子』と呼べば
ふわりと武神である桜子が現れた。
最上級の人型の武神を見て二人は圧倒される。
「舞花は人型の武神を生み出せる程の力を持っている。だから俺は舞花が俺の花嫁にふさわしいとして選んだ。」
『もういい。』と言われ舞花は『戻ってもいいよ。』と桜子に言って桜子は消えていった。

「ともかく、俺は舞花を花嫁にしていずれ夫婦になろうと考えている。事前に言ったが、今日俺は、俺の花嫁となる舞花を東風谷に迎え入れるために迎えに来た。」
そう言うものの往生際の悪い清原の当主は
「で、ですが舞花は分家の人間なのですよ?
この術者の世界では分家の人間は本家に出入りするなという掟があるじゃありませんか!例え舞花が強い力を持っていたとしても分家の人間だから本家に迎え入れることなどできないです!」
そういうが、舞花も凪斗も思わず
「は?」
「え?」
と同時に口に出てしまった。
二人にそう言われ清原の当主はキョトンとした顔をするが、凪斗は深くため息をつき目を細める。
「…清原の当主がそれを言うのか?
確かにそういう掟はあるが…
《《婚約以外》》でだぞ?」
そう言われると清原の当主は顔を真っ赤にしてまた下を向いた。