暗がりに潜んでいた五年、着実に歩を進める
##ここに二人の画像を差し込む##
OHAYASHI漫才2025で第四位に輝いたお笑いコンビ『今夜も金縛り』──通称やもしば(画像左:オバケ、右:鷹野上)。結成六年目を迎え、破竹の勢いで大舞台に進む彼らの正体を暴いていく。
●「毎回ビビり倒してます笑」(オバケ)
主戦場である都内の漫才劇場で、ほぼ毎週出ずっぱりである今夜も金縛り。ネタ作りはどうのように行っているのか。
鷹野上:そこはもう完全にオバケに任せてますね。俺はどーんと待ち構えているだけです
オバケ:待ち構えすぎて半目で寝てる時あるんですよ。その時は「ふざけんな」ってパンチ入れてます
──オバケさん一人でネタ作りされているんですね
オバケ:昔は鷹野上君にもアイディア提供してもらってたんですが、まあ使えないことが多くて……
鷹野上:ちょっと俺はハイセンスすぎるんですよね。ワード一つとっても、質の良すぎるお客さんにしか伝わらないというか
オバケ:こら!笑 本当にね、シュールとおり越して意味不明なことばっかり言うんですよ。なら僕一人でやっちゃった方が早いかなっていう
鷹野上:オバケはそこらへんうまいですからね。質の悪いお客さんのレベルにも合わせられるんですよ
オバケ:ガチトーンで言うのやめられる?
──どのようにネタ作りをされているんでしょうか
オバケ:そうですねえ。日頃からネタ帳持ち歩いてますって芸人さん、多いじゃないですか。僕の場合はそういうことなくて。こう、ぱあっとネタが降りてくる感じ。なんか元からワードが浮かんでて、そこに肉付けしてく感じなんですよ
鷹野上:こいつも充分意味分からんこと言ってるでしょ。降りてくるのか浮いてるのかどっちかにしてほしいですよね
オバケ:ネタ作りの時は夢中なんですけど、舞台の時は毎回ビビり倒してます笑 もしかしたらまったくウケないんじゃないか、無視されるんじゃないかって……
鷹野上:オバケはいつまで経っても小心者なんですよ。舞台上がる前に毎回ずっとぶつぶつネタ言ってて。マジもんの幽霊みたいで。
オバケ:鷹野上君は図太すぎる。舞台でネタ飛ばした時、ずっと無言を貫き通したことがあるんですよ。慌てる僕がお客さんからしたら面白かったみたいで、ウケたから結果良かったんですけど……
鷹野上:台本どおりだと思われたみたいで。俺としては流れがぽーんと飛んでしまって、夢でも見てるのかと不思議な感覚でした。ただやっぱりああいう時はパニクったら負けですね。顔つきだけでも堂々としないと(歌舞伎の見栄のように力強い表情になる)
オバケ:こっちの身にもなってほしい。あの時は本当に大変で。舞台から掃けた後、プールに飛び込んだくらい汗でびちょびちょでした
──お二人でちょうどよいバランスというわけですね
鷹野上:オバケはもうちょい堂々としていいと思います
オバケ:鷹野上君はもう少しきっちりしてほしいです
──お二人の掛け合いにはいつも独特の間があります
オバケ:そうですかね。たまに言われますけど、それはよく分かってないんですよ
鷹野上:意識してやっているわけではなくて。まあちょっとした成り行きというか
オバケ:あえて言うなら結成直後のネタはちょっと見てられないなって思う。2021年頃とか2022年頃ですね。まだ慣れてなかったというか
鷹野上:練習不足な面もありましたね、やっぱり。劇場で学ばせてもらったことも多いです
●「二人とも感性が似ているというか、アホというか」(鷹野上)
──今夜も金縛りというコンビ名の由来についてお聞きしてよろしいでしょうか
オバケ:さっき鷹野上君が言ったように、僕は小心者なんで。ホラーが全然ダメなんですよ。だからあえて怖い名前をつけて、気をまぎらわせようっていう……
──オバケという芸名も?
オバケ:そのとおりです。仲間になっちゃったら怖くないかな? と思いまして
鷹野上:部屋の隅に立って俯いてたら、本当にそれっぽい見た目してるから紛らわしい笑
──鷹野上さんは本名ですか?
鷹野上:この見た目の鷹野上はいないでしょ!笑 家が貧乏だったんで、せめて名前だけでもお金持ちっぽくしたいと思いまして。この世界に入ったのも最初はお金目当てだったんです。テレビで売れっ子芸人さんが高級車乗り回してるのを見て、自分もいつかこんなふうになれたらなと。名前から入って仲間になりたいってことなら、オバケの芸名の理由とそんなに変わらないかな
オバケ:コンビ名もそれほど揉めずに決まりましたね
鷹野上:コンビ結成時、オバケに「最近金縛りにあってて……」と相談されて。これから一旗ぶち上げようって時に、そんな話する?! ってびっくりしましたね。ただ悩んでいるみたいだったので、じゃあもう笑いに変えてしまおうと。そうしたらオバケも乗ってくれて。二人とも感性が似ているというか、アホというか
オバケ:何事もうまい方向に変えていきたいんですよね、僕は
鷹野上:オバケの方がハングリー精神はあるんですよね、実は。こんな細っちょろい見た目してますけど
──ちなみに今も金縛りが?
オバケ:え? ありますよ、もちろん。あるに決まってるじゃないですか
鷹野上:体質でしょうね。俺は一度もなったことないですもん
オバケ:ズルい話だなあと思います。コンビなのに
鷹野上:だって俺は関係ないし
──見て見ぬふりがうまいということですね
オバケ:まあそこが鷹野上君のいいところでもあるのかも。そんなわけない? そんなわけないか
──お二人の仲の良さはファンの間でも有名です
鷹野上:仲良いっていうか、まあルームシェアして一緒に暮らしてますからね。珍しくない話ですけども。いちいち電話するのも面倒なので、オバケ~牛乳切れたから買ってきて~とかSNSで言ってしまうんです
オバケ:SNSの必要なくない?
鷹野上:ファンの方もノッてくれるんですよね。『オバケ早くしてあげて』とか。それが面白くて懲りずに何度も書いちゃったり
オバケ:そろそろ寒いと思われてる気がする。それに急にお使いさせられるこっちの身にもなってほしいです
鷹野上:ようやく日の目を見られて、俺らの笑いを世に届けはじめられたかなというところ。これからもガツガツやっていきたいですね
オバケ:小心者の僕ですが、鷹野上君が横にいてくれるので、なんとかやれています。僕らの掛け合いをぜひ楽しんでほしいです
──ところで、お二人は共通して大御所『地獄大相撲』さんのファンということですが
オバケ:そうなんですよ。僕らが組んだのもお二人がきっかけです。まさにレジェンド!
鷹野上:お笑いを目指した切っ掛けもお二人ですね。あの力強い漫才が俺もオバケも大好きで
──地獄大相撲のマネージャーが自殺されたことはご存知でしょうか?
オバケ:え? ああ……はい。よく覚えてますよ
鷹野上:急にシリアスな空気ですね(笑)
──自殺から数ヶ月後に出た週刊誌で、地獄大相撲のお二人がマネージャーにパワハラを行っていたことが暴露されています。そのせいでマネージャーは心を痛め、癒しを求めてスピリチュアルサロンに通ったそうです。そこでも金銭問題やトラブルがあって、さらに心を病んでしまったそうなんですが
オバケ:そうですか
──自殺の原因となったパワハラをするような人間を、お二人とも尊敬しているという認識でよろしいでしょうか?
鷹野上:いや、言い方でしょ。確かにそういう事実もあったかもしれないけど、あの二人の芸は立派ですから
──芸がよければ何をしてもいいとお考えに?
オバケ:もうこの話、やめません?
──劇場に女性の霊が出るという噂があることをご存知ですか?
鷹野上:さっきからなんなんですか?
──その女性はお二人の知り合いですよね。どうしてこんなことになったんですか? 彼女が何をしたと言うのでしょうか。彼女はなぜ自殺をしなくてはならなかったのでしょうか
鷹野上:おい、いい加減にしろよ
──飛び降りた後の彼女の遺体を見て父親がおかしくなってしまったことは知っていますか? まあ娘の首が取れた死体を見て正常でいられる親はいないと思いますが。
あなた方はなぜ彼女を無視したのでしょう? それだけでなくあることないこと吹聴して孤立させたのでしょうか。『誰とでも寝る女』『裏で半グレと繋がっている』そんな噂を流され、彼女は憧れていた舞台に立つことすらできなくなってしまいました。両親の反対を押し切って東京に出てきたせいで帰ることもできない。どれだけ頑張っても見向きもされない。信頼していた二人には裏切られる。相談した構成作家にも取り合ってもらえなかった。彼女はどれだけ絶望したことでしょう。分かりますか?
オバケ:うるさい。そんなの知らない
鷹野上:どこにそんな証拠があるんだよ。適当なこと言わないでもらえます?
──数ヶ月前から、動画が送られてくるんです。あなたたちが舞台で輝くことが歯痒いのかもしれない。動画、ご覧になりますか?
(オバケ、鷹野上、無言で席を立つ)
(その背を見ながらインタビュワーは大声で笑う)
2026年1月20日
##ここに二人の画像を差し込む##
OHAYASHI漫才2025で第四位に輝いたお笑いコンビ『今夜も金縛り』──通称やもしば(画像左:オバケ、右:鷹野上)。結成六年目を迎え、破竹の勢いで大舞台に進む彼らの正体を暴いていく。
●「毎回ビビり倒してます笑」(オバケ)
主戦場である都内の漫才劇場で、ほぼ毎週出ずっぱりである今夜も金縛り。ネタ作りはどうのように行っているのか。
鷹野上:そこはもう完全にオバケに任せてますね。俺はどーんと待ち構えているだけです
オバケ:待ち構えすぎて半目で寝てる時あるんですよ。その時は「ふざけんな」ってパンチ入れてます
──オバケさん一人でネタ作りされているんですね
オバケ:昔は鷹野上君にもアイディア提供してもらってたんですが、まあ使えないことが多くて……
鷹野上:ちょっと俺はハイセンスすぎるんですよね。ワード一つとっても、質の良すぎるお客さんにしか伝わらないというか
オバケ:こら!笑 本当にね、シュールとおり越して意味不明なことばっかり言うんですよ。なら僕一人でやっちゃった方が早いかなっていう
鷹野上:オバケはそこらへんうまいですからね。質の悪いお客さんのレベルにも合わせられるんですよ
オバケ:ガチトーンで言うのやめられる?
──どのようにネタ作りをされているんでしょうか
オバケ:そうですねえ。日頃からネタ帳持ち歩いてますって芸人さん、多いじゃないですか。僕の場合はそういうことなくて。こう、ぱあっとネタが降りてくる感じ。なんか元からワードが浮かんでて、そこに肉付けしてく感じなんですよ
鷹野上:こいつも充分意味分からんこと言ってるでしょ。降りてくるのか浮いてるのかどっちかにしてほしいですよね
オバケ:ネタ作りの時は夢中なんですけど、舞台の時は毎回ビビり倒してます笑 もしかしたらまったくウケないんじゃないか、無視されるんじゃないかって……
鷹野上:オバケはいつまで経っても小心者なんですよ。舞台上がる前に毎回ずっとぶつぶつネタ言ってて。マジもんの幽霊みたいで。
オバケ:鷹野上君は図太すぎる。舞台でネタ飛ばした時、ずっと無言を貫き通したことがあるんですよ。慌てる僕がお客さんからしたら面白かったみたいで、ウケたから結果良かったんですけど……
鷹野上:台本どおりだと思われたみたいで。俺としては流れがぽーんと飛んでしまって、夢でも見てるのかと不思議な感覚でした。ただやっぱりああいう時はパニクったら負けですね。顔つきだけでも堂々としないと(歌舞伎の見栄のように力強い表情になる)
オバケ:こっちの身にもなってほしい。あの時は本当に大変で。舞台から掃けた後、プールに飛び込んだくらい汗でびちょびちょでした
──お二人でちょうどよいバランスというわけですね
鷹野上:オバケはもうちょい堂々としていいと思います
オバケ:鷹野上君はもう少しきっちりしてほしいです
──お二人の掛け合いにはいつも独特の間があります
オバケ:そうですかね。たまに言われますけど、それはよく分かってないんですよ
鷹野上:意識してやっているわけではなくて。まあちょっとした成り行きというか
オバケ:あえて言うなら結成直後のネタはちょっと見てられないなって思う。2021年頃とか2022年頃ですね。まだ慣れてなかったというか
鷹野上:練習不足な面もありましたね、やっぱり。劇場で学ばせてもらったことも多いです
●「二人とも感性が似ているというか、アホというか」(鷹野上)
──今夜も金縛りというコンビ名の由来についてお聞きしてよろしいでしょうか
オバケ:さっき鷹野上君が言ったように、僕は小心者なんで。ホラーが全然ダメなんですよ。だからあえて怖い名前をつけて、気をまぎらわせようっていう……
──オバケという芸名も?
オバケ:そのとおりです。仲間になっちゃったら怖くないかな? と思いまして
鷹野上:部屋の隅に立って俯いてたら、本当にそれっぽい見た目してるから紛らわしい笑
──鷹野上さんは本名ですか?
鷹野上:この見た目の鷹野上はいないでしょ!笑 家が貧乏だったんで、せめて名前だけでもお金持ちっぽくしたいと思いまして。この世界に入ったのも最初はお金目当てだったんです。テレビで売れっ子芸人さんが高級車乗り回してるのを見て、自分もいつかこんなふうになれたらなと。名前から入って仲間になりたいってことなら、オバケの芸名の理由とそんなに変わらないかな
オバケ:コンビ名もそれほど揉めずに決まりましたね
鷹野上:コンビ結成時、オバケに「最近金縛りにあってて……」と相談されて。これから一旗ぶち上げようって時に、そんな話する?! ってびっくりしましたね。ただ悩んでいるみたいだったので、じゃあもう笑いに変えてしまおうと。そうしたらオバケも乗ってくれて。二人とも感性が似ているというか、アホというか
オバケ:何事もうまい方向に変えていきたいんですよね、僕は
鷹野上:オバケの方がハングリー精神はあるんですよね、実は。こんな細っちょろい見た目してますけど
──ちなみに今も金縛りが?
オバケ:え? ありますよ、もちろん。あるに決まってるじゃないですか
鷹野上:体質でしょうね。俺は一度もなったことないですもん
オバケ:ズルい話だなあと思います。コンビなのに
鷹野上:だって俺は関係ないし
──見て見ぬふりがうまいということですね
オバケ:まあそこが鷹野上君のいいところでもあるのかも。そんなわけない? そんなわけないか
──お二人の仲の良さはファンの間でも有名です
鷹野上:仲良いっていうか、まあルームシェアして一緒に暮らしてますからね。珍しくない話ですけども。いちいち電話するのも面倒なので、オバケ~牛乳切れたから買ってきて~とかSNSで言ってしまうんです
オバケ:SNSの必要なくない?
鷹野上:ファンの方もノッてくれるんですよね。『オバケ早くしてあげて』とか。それが面白くて懲りずに何度も書いちゃったり
オバケ:そろそろ寒いと思われてる気がする。それに急にお使いさせられるこっちの身にもなってほしいです
鷹野上:ようやく日の目を見られて、俺らの笑いを世に届けはじめられたかなというところ。これからもガツガツやっていきたいですね
オバケ:小心者の僕ですが、鷹野上君が横にいてくれるので、なんとかやれています。僕らの掛け合いをぜひ楽しんでほしいです
──ところで、お二人は共通して大御所『地獄大相撲』さんのファンということですが
オバケ:そうなんですよ。僕らが組んだのもお二人がきっかけです。まさにレジェンド!
鷹野上:お笑いを目指した切っ掛けもお二人ですね。あの力強い漫才が俺もオバケも大好きで
──地獄大相撲のマネージャーが自殺されたことはご存知でしょうか?
オバケ:え? ああ……はい。よく覚えてますよ
鷹野上:急にシリアスな空気ですね(笑)
──自殺から数ヶ月後に出た週刊誌で、地獄大相撲のお二人がマネージャーにパワハラを行っていたことが暴露されています。そのせいでマネージャーは心を痛め、癒しを求めてスピリチュアルサロンに通ったそうです。そこでも金銭問題やトラブルがあって、さらに心を病んでしまったそうなんですが
オバケ:そうですか
──自殺の原因となったパワハラをするような人間を、お二人とも尊敬しているという認識でよろしいでしょうか?
鷹野上:いや、言い方でしょ。確かにそういう事実もあったかもしれないけど、あの二人の芸は立派ですから
──芸がよければ何をしてもいいとお考えに?
オバケ:もうこの話、やめません?
──劇場に女性の霊が出るという噂があることをご存知ですか?
鷹野上:さっきからなんなんですか?
──その女性はお二人の知り合いですよね。どうしてこんなことになったんですか? 彼女が何をしたと言うのでしょうか。彼女はなぜ自殺をしなくてはならなかったのでしょうか
鷹野上:おい、いい加減にしろよ
──飛び降りた後の彼女の遺体を見て父親がおかしくなってしまったことは知っていますか? まあ娘の首が取れた死体を見て正常でいられる親はいないと思いますが。
あなた方はなぜ彼女を無視したのでしょう? それだけでなくあることないこと吹聴して孤立させたのでしょうか。『誰とでも寝る女』『裏で半グレと繋がっている』そんな噂を流され、彼女は憧れていた舞台に立つことすらできなくなってしまいました。両親の反対を押し切って東京に出てきたせいで帰ることもできない。どれだけ頑張っても見向きもされない。信頼していた二人には裏切られる。相談した構成作家にも取り合ってもらえなかった。彼女はどれだけ絶望したことでしょう。分かりますか?
オバケ:うるさい。そんなの知らない
鷹野上:どこにそんな証拠があるんだよ。適当なこと言わないでもらえます?
──数ヶ月前から、動画が送られてくるんです。あなたたちが舞台で輝くことが歯痒いのかもしれない。動画、ご覧になりますか?
(オバケ、鷹野上、無言で席を立つ)
(その背を見ながらインタビュワーは大声で笑う)
2026年1月20日
