ウェブ広告はインターネットを利用する人々にとって、日常的に触れざるを得ない対象だろう。
閲覧するウェブページ内や、検索エンジンサイト内、アプリケーションソフト内に表示される静止画や動画による広告、検索結果内に表示される「スポンサー」のテキスト広告、ウェブコンテンツを閲覧をするために見続けなければならない動画広告など、ウェブ広告はインターネット上で避けられない存在といえよう。
有料会員になることで、広告が表示されないようにできるウェブサイトやアプリケーションもある。しかしそれはつまり、広告を非表示にするためには課金をする、広告ブロックを可能とする拡張機能や対応のウェブブラウザの導入など、能動的な行動が必要とされることを意味する。
本稿は、私的に書き上げた手記を元に書き上げられた、報告書である。
実際のところ、報告書であるのか、手記であるのか、研究・実験記録であるのか、筆者にも判断はつかない。
筆者が本件について私的に調査をしていたことを知った■■氏から、形式にとらわれず自由にまとめてほしいと依頼を受けたことから、本稿を書き上げた。
そのため個人的な解釈が含まれるなど、本格的なビジネス文書の体裁を取っておらず、また、実験記録においても素人によるものである。ゆえに、少し読みにくい部分があるかもしれないが、どうか最後まで目を通してほしい。
さて、冒頭の「みなさまへ お願い」で見てもらった再現したウェブ広告画像をもう一度確認してもらおう。

左下部のQRコードは、筆者が加えたものであり、実際のウェブ広告内にはQRコードはないため、注意してほしい。
このウェブ広告画像を見た社員、あるいは会社への来訪者が目視したことを確認した社員は、すみやかに専用フォームから通報することが求められている。これは社内規定第■条■項で義務付けられている。
特定ウェブ広告画像は、弊社において発生した諸問題の端緒である。捉え方によっては、実害のない軽微な問題であると言えるかもしれない。しかし、少なくとも発生当時、社内では大きな影響を与えた存在である。
詳細は本文に譲るが、簡単に言えば以下になる。
「いるはずのない人間を、いるものと大勢の人間が認識した場合、何が起こるか」
本稿はその記録であり、研究であり、考察であり、報告なのである。
第一章では、発端となった特定ウェブ広告画像について詳細に説明し、本ウェブ広告画像を目視した社員たちに何が起きたのかについて扱う。
第二章では、画像を見たことによる認識の歪みの事例を二つ紹介し、続いて「集団幻覚」や「存在しない記憶」についての研究と、それに基づく本件の考察を進めていく。
第三章では、特定ウェブ広告画像、及び付随する「特定の写真画像」を用いた三つの実験結果をまとめ、考察していく。
なお、本稿の元となった手記を執筆していた当時、情報システム部は調査中であったため、彼らの報告内容については詳細に扱っていない。もっとも、根本的に情報システム部が解決できる対象ではなかったことは、ここに記しておく。
繰り返しになるが、特定ウェブ広告画像を発見した場合は、すみやかに専用フォームに通報してほしい。
また、特定ウェブ広告画像は本稿において再現画像、つまり「偽物」であるが、本当に「偽物」であるか、時折QRコードを読み込み確認することを心掛けてほしい。「re」以外の文字列、数字列が表示された場合、それは「本物」である。専用フォームへの通報を直ちに行うべきだ。
加えて、再現画像を撮影等した画像を、SNS上で公開することは禁止されている。



