2024年11月1日 投稿
前回の記事にいただいたコメントが気になって、十月末にもう一度丸子湖に行ってきました。紅葉のピークでした。前回より色づきが深く、湖面に映る赤がいっそう鮮やかでした。
今回は南側に回りました。
コメントで「古い建物がある」「元ホテルで、もう営業していない」と教えていただいていたので、どんなものか見てみたいと思っていました。
遊歩道を北側から南側に進むと、雰囲気が変わりました。舗装にひびが入っていたり、木の根が道を持ち上げていたりする。ベンチも座面の板が抜けているものがありました。案内板のアクリル板は黄ばんで文字がほとんど読めない。南側はあまり整備の手が回っていないようでした。
その南側の遊歩道を歩いているとき、木立の向こうに何かが見えました。
建物でした。
遊歩道から少し外れた場所に、コンクリート造りの三階建ての建物が立っています。窓ガラスはほとんど割れており、外壁には蔦が這い、正面入口の庇が半分ほど崩れ落ちていました。建物の周囲は雑草と灌木に覆われ、かろうじて正面だけが開けている状態でした。
不思議な感覚がありました。建物の正面に立ったとき、この角を左に曲がれば裏口がある、と思いました。なぜそう思ったのかわかりません。初めて来た場所です。実際に曲がってみましたが、灌木が密生していて先に進めませんでした。
コメント欄で教えていただいた建物は、これでした。
近づいてみると、玄関脇に「丸子湖ホテル」と刻まれたステンレスのプレートがありました。大半が錆びていましたが、文字は読み取れます。三階建てにしてはやや横に長い造りで、各階に十室前後の客室があったように見えます。s山在住さんが子供の頃に家族で泊まったホテル。窓から湖が見えたというホテル。これがそうなのか。
そして、建物の手前に立て看板がありました。ベニヤ板に黒いペンキで、こう書いてあります。
全責任はs山市の悪政にある 土地所有者 桐生誠
看板もかなり劣化しています。雨風に晒されて文字の一部が薄くなっていましたが、内容ははっきりと読み取れます。
悪政。
紅葉の美しい湖のほとりで、その言葉は異様でした。しばらく看板の前に立っていました。桐生誠という人物がこのホテルの土地所有者であること。ホテルが廃墟になった責任がs山市の「悪政」にあると主張していること。それだけは読み取れます。けれども、悪政とは何を指しているのか。看板からはわかりません。
帰宅後、検索してみました。「丸子湖ホテル」「桐生誠」「s山市 悪政」。まとまった情報は見つかりませんでした。個人のブログや掲示板に、ごく短い言及がいくつかある程度です。
「丸子湖に行ったら廃墟のホテルがあった。なんか看板が立ってて怖かった笑」(個人ブログ、2019年11月)
「桐生さんのホテルの話、地元では有名だけどネットにはあんまり出てこないね。行政とかなり揉めてたはず」(地域情報掲示板、2022年8月)
「丸子湖ホテルでググってもろくに出てこない。誰か詳しい人いない?」「→やめとけ」(匿名掲示板、2023年5月)
「地元では有名」「行政とかなり揉めてた」という書き込みがある一方で、具体的な経緯を書いている人は誰もいません。匿名掲示板の「やめとけ」も理由が書かれていない。
有名であるにもかかわらず、詳しい情報がどこにも出ていない。むしろそのことが引っかかりました。
s山市は情報公開条例に基づく請求を行えば、公開対象の行政文書を閲覧・取得できます。市役所の総務課に電話で確認したところ、所定の様式に必要事項を記入し郵送で提出すれば、原則十四日以内に開示・不開示の決定がなされるとのことでした。手数料はコピー代の実費のみ。
以下の文書を請求しました。
丸子湖周辺の観光開発に関する計画書及び関連文書(過去二十年分)
丸子湖ホテルに関する行政処分、行政指導その他関連文書
丸子湖ホテルの土地所有者から市に提出された意見書、要望書、申入書等
結果が届き次第、報告します。
コメント欄
名無しの旅人 2024/11/01 21:15 行ったんですね、南側。あの建物、やっぱり廃墟でしたか。看板の文言、かなり強いですね。
s山在住 2024/11/02 08:20 あのホテルがあんな状態になってるんですね……。子供の頃の記憶とだいぶ違います。桐生さんがあの看板を書いたんだ。
sss 2024/11/02 12:44 桐生さんが市と揉めてたのは地元でも聞いたことあります。情報公開請求まで出すんですか。本気ですね。
管理人2024/11/02 19:30 看板が気になってしまって。悪政とは何なのか、調べてみます。
前回の記事にいただいたコメントが気になって、十月末にもう一度丸子湖に行ってきました。紅葉のピークでした。前回より色づきが深く、湖面に映る赤がいっそう鮮やかでした。
今回は南側に回りました。
コメントで「古い建物がある」「元ホテルで、もう営業していない」と教えていただいていたので、どんなものか見てみたいと思っていました。
遊歩道を北側から南側に進むと、雰囲気が変わりました。舗装にひびが入っていたり、木の根が道を持ち上げていたりする。ベンチも座面の板が抜けているものがありました。案内板のアクリル板は黄ばんで文字がほとんど読めない。南側はあまり整備の手が回っていないようでした。
その南側の遊歩道を歩いているとき、木立の向こうに何かが見えました。
建物でした。
遊歩道から少し外れた場所に、コンクリート造りの三階建ての建物が立っています。窓ガラスはほとんど割れており、外壁には蔦が這い、正面入口の庇が半分ほど崩れ落ちていました。建物の周囲は雑草と灌木に覆われ、かろうじて正面だけが開けている状態でした。
不思議な感覚がありました。建物の正面に立ったとき、この角を左に曲がれば裏口がある、と思いました。なぜそう思ったのかわかりません。初めて来た場所です。実際に曲がってみましたが、灌木が密生していて先に進めませんでした。
コメント欄で教えていただいた建物は、これでした。
近づいてみると、玄関脇に「丸子湖ホテル」と刻まれたステンレスのプレートがありました。大半が錆びていましたが、文字は読み取れます。三階建てにしてはやや横に長い造りで、各階に十室前後の客室があったように見えます。s山在住さんが子供の頃に家族で泊まったホテル。窓から湖が見えたというホテル。これがそうなのか。
そして、建物の手前に立て看板がありました。ベニヤ板に黒いペンキで、こう書いてあります。
全責任はs山市の悪政にある 土地所有者 桐生誠
看板もかなり劣化しています。雨風に晒されて文字の一部が薄くなっていましたが、内容ははっきりと読み取れます。
悪政。
紅葉の美しい湖のほとりで、その言葉は異様でした。しばらく看板の前に立っていました。桐生誠という人物がこのホテルの土地所有者であること。ホテルが廃墟になった責任がs山市の「悪政」にあると主張していること。それだけは読み取れます。けれども、悪政とは何を指しているのか。看板からはわかりません。
帰宅後、検索してみました。「丸子湖ホテル」「桐生誠」「s山市 悪政」。まとまった情報は見つかりませんでした。個人のブログや掲示板に、ごく短い言及がいくつかある程度です。
「丸子湖に行ったら廃墟のホテルがあった。なんか看板が立ってて怖かった笑」(個人ブログ、2019年11月)
「桐生さんのホテルの話、地元では有名だけどネットにはあんまり出てこないね。行政とかなり揉めてたはず」(地域情報掲示板、2022年8月)
「丸子湖ホテルでググってもろくに出てこない。誰か詳しい人いない?」「→やめとけ」(匿名掲示板、2023年5月)
「地元では有名」「行政とかなり揉めてた」という書き込みがある一方で、具体的な経緯を書いている人は誰もいません。匿名掲示板の「やめとけ」も理由が書かれていない。
有名であるにもかかわらず、詳しい情報がどこにも出ていない。むしろそのことが引っかかりました。
s山市は情報公開条例に基づく請求を行えば、公開対象の行政文書を閲覧・取得できます。市役所の総務課に電話で確認したところ、所定の様式に必要事項を記入し郵送で提出すれば、原則十四日以内に開示・不開示の決定がなされるとのことでした。手数料はコピー代の実費のみ。
以下の文書を請求しました。
丸子湖周辺の観光開発に関する計画書及び関連文書(過去二十年分)
丸子湖ホテルに関する行政処分、行政指導その他関連文書
丸子湖ホテルの土地所有者から市に提出された意見書、要望書、申入書等
結果が届き次第、報告します。
コメント欄
名無しの旅人 2024/11/01 21:15 行ったんですね、南側。あの建物、やっぱり廃墟でしたか。看板の文言、かなり強いですね。
s山在住 2024/11/02 08:20 あのホテルがあんな状態になってるんですね……。子供の頃の記憶とだいぶ違います。桐生さんがあの看板を書いたんだ。
sss 2024/11/02 12:44 桐生さんが市と揉めてたのは地元でも聞いたことあります。情報公開請求まで出すんですか。本気ですね。
管理人2024/11/02 19:30 看板が気になってしまって。悪政とは何なのか、調べてみます。
