m県s山市の悪政を告発します

2025年3月22日 投稿

 桐生氏の所在を追っています。
 
 追っている、という言い方は正確ではないかもしれません。探している。調べている。集めている。何を集めているのか、自分でもときどきわからなくなります。机の上に資料が積み上がっていく。コピー用紙、ノートの切れ端、図書館でとったメモ、印刷したウェブページ。桐生氏の名前がそこら中に散らばっている。寝る前にそれらを眺めていると、夢と現実の区別が曖昧になることがあります。

 前回のコメント欄で地方行政ウォッチャーさんからいただいた助言を参考に、固定資産税の件を調べました。土地と建物を所有している以上、毎年課税されているはずです。納税通知書がどこかに届いている。届け先がわかれば、桐生氏の現在の住所がわかるかもしれない。

 ただ、固定資産税の課税情報は個人情報なので、本人以外が直接問い合わせても回答は得られません。情報公開請求の対象にもなりません。

 そこで、別の角度から確認を試みました。
 
 s山市には納税相談の窓口があります。電話で、一般的な質問として聞いてみました。「固定資産の所有者が転居した場合、納税通知書はどうなるのか」と。
 
 担当者の説明では、所有者が住所変更届を出していれば新住所に届く。届を出していなければ、登記上の住所に届く。届かない場合は公示送達になることもある、とのことでした。
 
 公示送達。つまり、届け先がわからなくなっている場合です。市役所の掲示板に公告を出して、一定期間が経過したら送達したものとみなされる。相手がどこにいるかわからなくても、手続き上は「届いた」ことになる。誰にも読まれない通知が、掲示板の片隅に貼り出される。それで完了。行政とはそういうものなのかもしれません。
 
 直接聞くわけにはいかないので、ここから先は推測です。桐生氏が登記上の住所を変更していないことはわかっています。住所はホテルの所在地。ホテルは廃墟。もしあの場所に住んでいるなら郵便は届かないでしょう。市内のどこかに住居を移しているとしても、届を出していなければ通知は登記上の住所に送られ、届かない。では公示送達になっているのか。なっているとすれば、市は桐生氏の所在を把握できていないということです。
 
 八年間にわたって抗議文を送り続けた相手を、市は見失っている。桐生氏の側から見れば、三十年間声を上げ続けた相手に、もう声が届かなくなっている。どちらの側から見ても、断絶しています。
 
 もう一つ、試みたことがあります。
 
 前回見つけた████病院への電話です。桐生氏の情報を教えてほしいとは言えないので、一般的な質問として。「受診可能な時間を確認したいのですが」という質問を行い、話の流れで「丸子湖ホテルの桐生さんがそちらに通っていたと聞いたのですが」と言ってみました。
 
 相手の声の調子が少し変わりました。
 「……桐生さん? 桐生さんのことでしたら、担当の者に代わります。少々お待ちください」
 
 担当者が代わりました。年配の男性の声でした。
 「桐生誠さんの件でお電話いただいたとのことですが」
 
 少し間がありました。
 「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか」
 
 名乗る必要はないと判断して、「関係者ではないのですが、丸子湖ホテル、そして桐生さんの所在について調べています。ブログを書いているんです」とだけ伝えました。
 
 また間がありました。前の間よりも長い。
 「……そうですか。わかりました」

 声の調子が変わった気がしました。言葉の選び方が丁寧になったというか、こちらに対して非常に注意深くなったような。
 「お答えできる範囲は限られますが、お話ししましょう。桐生さんは平成二十四年から二十五年にかけて、当院に通院されていました。平成二十六年以降、桐生さんとは連絡が取れなくなっています。受診の予約も来なくなり、こちらからお電話しても繋がりませんでした。ずっと心配しておりました」
 
 心療内科に通院していた。そしてその後、病院とも連絡が取れなくなっている。
 
 私は少し迷ってから、聞きました。
 「桐生さんの診断について、教えていただくことは」
 「それはお答えできません。ただ……」
 
 相手はまた少し黙りました。
 「一つだけ申し上げます。桐生さんは、ご自身の状態について、ご自分で疑問を持って受診された方です。覚えのない行動があると、おっしゃっていました」
 
 覚えのない行動。
 「それは、ストレスによるものだったのでしょうか」と私が聞くと、相手は答えず、代わりにこう言いました。
 
 「あなたは今、お一人で調べていらっしゃるんですね」
 
 はい、と答えました。
 
 「お体に気をつけてください。無理はなさらないように。何かあれば、いつでもお電話ください。当院はいつでもお待ちしています」
 
 丁寧な言葉でしたが、何かが引っかかりました。初めて電話してきた見知らぬ相手に対して、「いつでもお待ちしています」というのは不自然ではないだろうか。言葉を選んでいるというより、何かを言わないようにしている感じがしました。けれども、桐生氏を心配し続けている、良心的な医師ということなのでしょう。
 
 電話を切った後、テーブルに手を置いたまま、しばらくぼんやりしていました。ふと、自分の爪が目に入りました。何の変哲もない自分の爪のはずなのに、妙に気になって見つめていました。形が、いつもと違う気がする。指の長さも。何がどう違うのかうまく言えないのですが、自分の手を見ている感じがしない。数分そうしていて、はっと我に返りました。疲れているんだと思います。
 
 心療内科への通院。平成二十四年から二十五年。ホテルの宿泊者数が激減し、廃業に追い込まれていった時期と重なります。精神的に追い詰められて受診した、と考えるのが自然です。長年の行政との争い、客の減少、孤立。その状況で心身に負荷がかからないほうが難しいかもしれない。
 
 ただ、「覚えのない行動がある」という言葉が引っかかっています。精神的に追い詰められた人が助けを求めて受診するのと、「覚えのない行動がある」と訴えて受診するのとは、少し違う気がします。
 
 桐生誠は、どこにいるのか。
 
 夜になってからも考え続けていました。最近、この件のことを考えていない時間のほうが短い気がします。目を閉じると浮かんでくるのは、あの湖畔の風景です。湖の色、廃墟の壁紙の花柄、ノートの文字、看板の文言。
 
 自分の日常。そう書いて、少し考え込みました。自分の日常とは何だろう。資料を読む。検索をかける。丸子湖のことを考える。最近はそれ以外のことをしている記憶があまりない。
 
 話が逸れました。次回は、三人の意見書を改めて並べて、整理してみます。

コメント欄
名無しの旅人 2025/03/22 22:45 心療内科に通っていたんですね。あの状況なら無理もないと思います。所在がわからないというのが心配です。

地方行政ウォッチャー 2025/03/23 08:20 公示送達の可能性があるということは、固定資産税が滞納されているかもしれません。数年放置すると差し押さえの対象にもなり得ます。

s山在住 2025/03/23 13:00 桐生さん、あれから誰にも連絡を取っていないんですか。あの「また来てください」と言ってた人が、どこにもいないなんて。

sss 2025/03/23 22:30 自分の状態に疑問を持って受診、というのはどういう意味なんでしょうね。