閉じ込められた優凪は、邪気を帯びたあやかしたちに目を細めた。
一晩で邪気を帯びるなんて。以前にあやかしたちが邪気を帯びたと喜助が言ったことと関連があるのだろうか。
あやかし舎はしばらく掃除がされていないようで埃っぽい。
今の自分にできることは……。
「お掃除しましょう!」
わきにあった水がめから桶に水を入れ、雑巾をひたしてからぎゅっと絞る。
「きれいにお掃除いたしましょう
きれいにお掃除いたしましょう
福の神はきれいなところが大好きで
疫病神は汚いところが大好きで
だからきれいにいたしましょう」
繰り返して歌いながら壁を拭いた。
ぎゃあぎゃあと騒いでいたあやかしたちが、なぜか静かになっていく。
檻を拭くと、がたがたと音がした。
「壊れそう。暴れる子たちではないけど……伯父様に言っておかなくては」
掃除を終え、額に浮かぶ汗を拭ったときだった。
あやかし舎の扉が勢いよく開き、飛び込む人がいた。逆光でそれが誰なのかがわからない。
「蕗藤さん!」
すでに聞きなれた声に、優凪の胸がどきんと鳴った。
「帯刀様?」
「早く出て」
なぜと問う間もなく腕をつかまれて連れ出される。



