あやかしを慈しむ娘は不器用なマッドサイエンティストの愛に守られる


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 喜助は数人の警官を引き連れ、時雨の家に向かった。
 あの西洋のあやかしを利用すれば名を上げられそうだ。人を食うとは白露の嘘だろうが、人食い鳥として退治してもいいし、手懐けて高位貴族に高く売るのもいい。

「帯刀氏は証拠がなかったために、今朝、釈放されたのですよ。それでさっそくこんなことになるとは……」
 帯同した警官は悔し気にこぼす。

「凶悪犯の面の顔は厚いですな」
 同情するふりをして、内心では無能な警察に感謝した。
 時雨の家に到着すると、緊張する警官たちとともに意気揚々と中に入る。

「帯刀時雨! 出てこい!」
 警官のひとりが叫ぶが、中から返事はない。
「いない?」
「どこに行った?」
 ざわつく警官のひとりが、はっと仲間に顔を向けた。

「折辺家の周辺に潜伏しているのでは? 実際にあやかしが出たんだ」
「とにかく、折辺家へ」
 警官に促され、喜助は彼らと共に自宅へ向かった。