あやかしを慈しむ娘は不器用なマッドサイエンティストの愛に守られる

「なんだこれは」
「西洋のあやかしですよ。知りませんか。操妖師なのに」
 冷徹な笑みで見下ろされ、喜助は顔を真っ赤にして立ち上がった。

「無礼な! こんなやつに娘をやれるか!」
「西洋がなによ、こんな変な鳥!」
「ヘンジャナイ!」
 羽をばたつかせるベニーを手で制し、時雨は冷たい視線を喜助たちに浴びせる。

「これ以上彼を怒らせないでくれ。どうなるかわからない」
 ただの脅しだ。が、白露たちは顔をひきつらせている。

「刀も使えない軟弱者が!」
 立ち上がった喜助はソファを蹴飛ばしてドアに向かって歩き出した。

「行くわよ、白露」
「待って!」
 両親を追いかけて部屋を出ようとした彼女は振り返り、優凪をにらみつけた。

「絶対に許さない!」
 言いざま、大きな音を立ててドアを閉める。
「とんだお嬢様だな」
 こぼす時雨を、優凪は混乱しつつ見た。

「証書ってなんですか? 結納って?」
「……悪い。勝手をした」
 時雨が手でソファを示すので、優凪は彼と向かいあって座った。

「弟が来た次の日、仕事帰りに実家に寄っていろいろ聞いた」
 首を傾げると、彼はそのまま続ける。