あやかしを慈しむ娘は不器用なマッドサイエンティストの愛に守られる




 土曜日、時雨が半日で仕事を終えて帰ってきたから、午後は彼の部屋を一緒に掃除した。
「ソウジ、テツダウ!」
「汚れるといけないから、ベニーは外で遊んでて」
「ツマンナイ」
 彼は拗ねたように窓から出たが、賢いからちゃんと敷地内で遊んでくれる。

 優凪はまず各部屋のカーテンと窓を開けた。
「開けないでくれ。本が傷む」
「ダメです、お日様を入れて部屋の空気を入れ替えます!」

「そのメモは捨てないでくれ!」
「だったらちゃんと仕分けてください!」
 数々の攻防を経て、なんとか掃除を進める。

「本棚、買いましょう」
「本を増やさないために買わずにいたんだけど、こいつら勝手に増えるんだよ」
 時雨は敗残兵のように意気消沈して答えるが。

「増やしたのは帯刀様です」
「う……」
 まっとうなツッコミに、返す言葉もない。

 日曜日は一緒に本館の掃除をした。こちらのカーテンを閉めていたのは、日が入り過ぎて暑くなるのを防ぐ配慮だったという。
「これからは私が毎日お世話するね」
 話しかけると、あやかしたちは返事をするように鳴いた。