「勘違いしてほしくないから、はっきり言うんだけど。俺は葵がXジェンダーだから付き合ったわけでも、Xジェンダーだから別れたいわけでもない。ただ、俺が無意識にやってしまうことで、葵に無理させ続けるのは耐えられない」
「だから、無理してるわけじゃ……」
「葵は絶対そう言うし、それが本心からだっていうこともわかってる。でも、一目瞭然なんだよ。『今、モヤッとしたな』って」
「……え?」
「嫌な顔してるとか、態度が悪いとか、そういうことじゃないからな。さっき、葵も言ってただろ。『ぎこちなく感じる』って。俺も同じだよ。ほんの一瞬、かすかにだけど、表情や体がこわばる。それぐらい、一年近く付き合ってたら気付くよ」
「…………」
ちょっとした変化に気付いてくれる男性は女性からの支持が高いと聞くけど、それはこういうときにも通用する意見なのだろうか。
生来の性格なのか、はたまたお姉さんたちによる教育の賜物なのか、涼介は小さな変化も見逃さない。些細な不調も勘付いてしまうから、もう我慢するのは諦めて自己申告するようになったほどだ。
とてもいい人に出会えた。そう胸を張って言えるくらい、涼介は恋人としても人間としても文句の付け所のない人だった。
だから私も彼に見合う人間であろうと、より一層志高くいられたんだ。
「葵、付き合う前に言ってただろ。『性別がわからない分、人間性をがんばりたい』って。その言葉通り、俺は葵の内面にも惹かれた。歓迎遠足で班を盛り上げてくれて、面倒なことも積極的にやってくれて、打ち上げの企画だって手伝ってくれた」
「それは、涼介が引っ張ってくれたから……」
「葵だけだったんだよ、気にかけてくれたのは。他のヤツはみんな俺任せで、ただ参加するだけだった。打ち上げなんか、他班との合同になって人数が増えたのに、だぜ?」
「そう、だっけ……」
「面倒事任されても、嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれる。小さなことにもよく気付いて、『班長ありがとう』『準備お疲れ様』って笑顔で声かけてくれる。なんでも前向きに楽しんでくれる。こんなん、好きにならないほうが無理だって」
運ばれてきたときに一口飲んで以降、減っていないオレンジジュース。
グラスの表面についた水滴が鮮やかなはずの橙色を淀んで見せる。中ではたっぷりと入った氷がカランと音を立てて動いた。いくつかの水滴が一つの筋を成して、底に敷かれた紙製のコースターをじんわりと濡らしていく。
「でも、だからこそ……」
涼介のアイスコーヒーも同じような状態だ。
「俺は女性が恋愛対象だから、外見が女性である以上、それを無視することはどうしてもできない。自分より小柄な体つきとか非力なところに庇護欲をそそられるし、柔らかい声とか温かい笑顔に癒やされる。そういうのを全部ないものとして葵を見るのは……無理だ……」
「そ……か……」
ぎゅっと足の指を丸めたら、ぐっしょりと濡れた黒いスニーカーの中で水がじんわり染み出た感覚がした。
「重いもの持ったり、車道側歩いたり、不審者のこと心配したり。そこまで気を遣わなくてもいいって言われたけど、葵の言う通りそれが俺の愛情表現っていうか……。手繋ぐとか……それ以上だって、女性っていう要素がないと俺はできない。もちろん付き合うにあたって人間性は重要で外せないけど……、俺の場合は女性としての魅力も不可欠だって、改めて思ったんだよ……」
「…………っ」
涼介の主張は至極当然で、だからこそ言葉に詰まった。私は彼の気持ちを正しく理解できている自信がない。
重いものを持つ、車道側を歩く、不審者を心配する。そのどれもが思いやりから来るものであることはわかる。そして、そこに「女性だから」という理由が入る理屈も。
身体的特徴の一般的なちがいとして、そして事実、私は涼介よりも小柄で非力だし声だって高い。負担なく持てる物の重さに差が生まれるのは当然で、その差が不審者の標的になるのもある意味筋が通っている。
だけどその“差”を、いわゆる各性別の“らしさ”を重要視する感覚がおそらく私にはない。俗に言う好みは当然あれど、性別がそれに影響を及ぼすことは、少なくとも私に限ってはないことだから。
「納得できなくていいから。勝手なこと言ってるのはわかってる」
「納得……っていうか、ちゃんと理解できてる自信がなくて……」
「葵、言ってただろ。『性別は付き合う条件に入らない』って」
「……うん」
「じゃあさ、手繋いでくれたり俺のこと抱き締めてくれたりしたのって、どういう気持ちから?」
「愛おしいとは思うから。恋人には触れたいし、拗ねてる涼介がかわいいから抱き締めたくなる。そばにいると落ち着くし、涼介の匂いも心地いい。でも、男性だからなのかって言われるとよくわからない」
「……俺に男の魅力を感じたことはないってこと?」
息を吞んだ私を見て、「まあ、そうだよな……」と涼介がこぼした。
「指が長くてきれいとかは思うけど……。造形美にちかい、ような……」
コーヒーに口をつけた涼介は呆れているように見える。
「ごめん……」
性別を意識しないでと伝えたときにも、それを撤回したときにも見せなかった初めて見る表情。まるで「期待した俺が馬鹿だった」とでも言いたげなそれに、謝罪の言葉が口を衝いて出た。
「謝る必要はないから」
「……え?」
「謝ったら、それは葵の中で悪い記憶として蓄積されてしまう。たとえ、本当はその必要がないとしても」
「必要が、ない?」
「俺は葵に俺との付き合いを、今のこの会話も含めて、負い目を感じてほしくない。それは俺自身にも言えることで、少なくとも俺は葵と付き合ったことを後悔してないし、楽しかった記憶しかない。それはわかってほしい」
「私だってそう思いたい……けど……」
涼介の口ぶりがじわじわとこの関係の行く末を定めていく。グラスの中の氷が収まりが悪そうにまた小さな音を立てた。
「葵を性別抜きで見れないこととか、別れる以外の方法を見つけられないこととか、全部『俺が悪い』で片付けていいならそうするけど。そうしたら、葵も同じように思うだろ」
行動とは裏腹に私の表情は素直だったらしい。ため息を交えながらやるせない笑みを浮かべた涼介は、やがて伏し目がちにこう続けた。
「……嫌なんだよ、それは」
苦しみとも悲しみとも取れるかすれた声に私は言葉が出なかった。
「……まあ、別れを切り出した側が言うなって話だけどな。でも俺は性自認に誇りを持って、堂々としてる葵が今も好きだ。そこから生まれる『性別抜きで』っていう気持ちも自然だと思ってる。なら、俺が性別ありきで恋愛することを卑下するのもちがうだろ。お互いに大切にしたいものがちゃんとあって、それが合わなかっただけ。悪者なんか、少なくとも俺たちの付き合いにはいない……俺はそう思いたい。それぐらい、大事だったから……」
「…………っ」
馬鹿は私だ。
『期待した俺が馬鹿だった』なんて涼介が思うはずがない。
好きな気持ちはお互いに変わらないのに、このまま付き合い続けたところでいい未来が見えない。そんなままならない状況でも、どうにか私が罪の意識を持たなくていいように考えを巡らせていたんだ。
歓迎遠足で場の空気が沈んだとき、それを自然と持ち上げられる人だと思った。
人見知りな人も口下手な人も集団が苦手な人も、どれも短所じゃなくて個性と捉えて、人と対等に向き合える人だと思った。
尊敬しているところも魅力的なところも、まだまだ語り尽くせないほどあったのに。
ちょっと心が揺らいだだけで、すぐに疑ってしてしまう私なんて——なんて考えこそ、涼介が想ってくれる相手として相応しくない。
「私も勘違いしてほしくないから、はっきり言うんだけど。涼介と付き合ってる間、ちゃんとずっと幸せだったから。だから余計に性別にモヤモヤしてるのを隠して笑ってるほうが、涼介を騙してる気がして……。言わなかったらもう少し続けられたのかもしれないけど、そんなのは誠実じゃないし」
「わかってる。それでこそ葵だろ」
「涼介も同じでしょ」
「え?」
「性別抜きで付き合えないのに、付き合えてるフリしたくなかった。だから、今こうして話してるんだと思ってる」
束の間じっと見つめ合ってから、私たちは同時に吹き出した。
多分、いや絶対に、私はしばらく引きずるのろう。「合わないものは仕方ない」と割り切るには幸せな思い出が多すぎる。
私たちはきっと人間性の相性はとてもいい。だけど、残念ながら恋愛のほうはそうじゃなかった。「それなら付き合わなければよかった」とはならないぐらい、知ってよかったと思える気持ちがやっぱり多すぎる。
だからこそ思う。
私と付き合うことで涼介に無理してほしくない。我慢させたくない。
涼介と同じことを私も涼介に思っている。
「じゃあ——……」
でも、一つだけ。
「今までありがとう。涼介」
「こちらこそありがとう。葵」
一緒に幸せになりたかった——その気持ちだけは無理をしてでも、我慢してでも口にはしない。
涼介の黒い傘と私のビニール傘。それぞれが傘袋に入れた自身の傘を椅子の肘掛けに掛けていた。相手側に伸びた傘がテーブルの足元で交差するように触れ合っている。
「……出るか」
「……うん」
同時に立ち上がり、傘を手に取った。外側にあった涼介のものが先に動いたから、傘同士が変にぶつかることもない。
飲みきったオレンジジュースのグラスでは角の取れた氷が、それでも形を保ったまま残っていて、それはアイスコーヒーのグラスでも同じだった。
「だから、無理してるわけじゃ……」
「葵は絶対そう言うし、それが本心からだっていうこともわかってる。でも、一目瞭然なんだよ。『今、モヤッとしたな』って」
「……え?」
「嫌な顔してるとか、態度が悪いとか、そういうことじゃないからな。さっき、葵も言ってただろ。『ぎこちなく感じる』って。俺も同じだよ。ほんの一瞬、かすかにだけど、表情や体がこわばる。それぐらい、一年近く付き合ってたら気付くよ」
「…………」
ちょっとした変化に気付いてくれる男性は女性からの支持が高いと聞くけど、それはこういうときにも通用する意見なのだろうか。
生来の性格なのか、はたまたお姉さんたちによる教育の賜物なのか、涼介は小さな変化も見逃さない。些細な不調も勘付いてしまうから、もう我慢するのは諦めて自己申告するようになったほどだ。
とてもいい人に出会えた。そう胸を張って言えるくらい、涼介は恋人としても人間としても文句の付け所のない人だった。
だから私も彼に見合う人間であろうと、より一層志高くいられたんだ。
「葵、付き合う前に言ってただろ。『性別がわからない分、人間性をがんばりたい』って。その言葉通り、俺は葵の内面にも惹かれた。歓迎遠足で班を盛り上げてくれて、面倒なことも積極的にやってくれて、打ち上げの企画だって手伝ってくれた」
「それは、涼介が引っ張ってくれたから……」
「葵だけだったんだよ、気にかけてくれたのは。他のヤツはみんな俺任せで、ただ参加するだけだった。打ち上げなんか、他班との合同になって人数が増えたのに、だぜ?」
「そう、だっけ……」
「面倒事任されても、嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれる。小さなことにもよく気付いて、『班長ありがとう』『準備お疲れ様』って笑顔で声かけてくれる。なんでも前向きに楽しんでくれる。こんなん、好きにならないほうが無理だって」
運ばれてきたときに一口飲んで以降、減っていないオレンジジュース。
グラスの表面についた水滴が鮮やかなはずの橙色を淀んで見せる。中ではたっぷりと入った氷がカランと音を立てて動いた。いくつかの水滴が一つの筋を成して、底に敷かれた紙製のコースターをじんわりと濡らしていく。
「でも、だからこそ……」
涼介のアイスコーヒーも同じような状態だ。
「俺は女性が恋愛対象だから、外見が女性である以上、それを無視することはどうしてもできない。自分より小柄な体つきとか非力なところに庇護欲をそそられるし、柔らかい声とか温かい笑顔に癒やされる。そういうのを全部ないものとして葵を見るのは……無理だ……」
「そ……か……」
ぎゅっと足の指を丸めたら、ぐっしょりと濡れた黒いスニーカーの中で水がじんわり染み出た感覚がした。
「重いもの持ったり、車道側歩いたり、不審者のこと心配したり。そこまで気を遣わなくてもいいって言われたけど、葵の言う通りそれが俺の愛情表現っていうか……。手繋ぐとか……それ以上だって、女性っていう要素がないと俺はできない。もちろん付き合うにあたって人間性は重要で外せないけど……、俺の場合は女性としての魅力も不可欠だって、改めて思ったんだよ……」
「…………っ」
涼介の主張は至極当然で、だからこそ言葉に詰まった。私は彼の気持ちを正しく理解できている自信がない。
重いものを持つ、車道側を歩く、不審者を心配する。そのどれもが思いやりから来るものであることはわかる。そして、そこに「女性だから」という理由が入る理屈も。
身体的特徴の一般的なちがいとして、そして事実、私は涼介よりも小柄で非力だし声だって高い。負担なく持てる物の重さに差が生まれるのは当然で、その差が不審者の標的になるのもある意味筋が通っている。
だけどその“差”を、いわゆる各性別の“らしさ”を重要視する感覚がおそらく私にはない。俗に言う好みは当然あれど、性別がそれに影響を及ぼすことは、少なくとも私に限ってはないことだから。
「納得できなくていいから。勝手なこと言ってるのはわかってる」
「納得……っていうか、ちゃんと理解できてる自信がなくて……」
「葵、言ってただろ。『性別は付き合う条件に入らない』って」
「……うん」
「じゃあさ、手繋いでくれたり俺のこと抱き締めてくれたりしたのって、どういう気持ちから?」
「愛おしいとは思うから。恋人には触れたいし、拗ねてる涼介がかわいいから抱き締めたくなる。そばにいると落ち着くし、涼介の匂いも心地いい。でも、男性だからなのかって言われるとよくわからない」
「……俺に男の魅力を感じたことはないってこと?」
息を吞んだ私を見て、「まあ、そうだよな……」と涼介がこぼした。
「指が長くてきれいとかは思うけど……。造形美にちかい、ような……」
コーヒーに口をつけた涼介は呆れているように見える。
「ごめん……」
性別を意識しないでと伝えたときにも、それを撤回したときにも見せなかった初めて見る表情。まるで「期待した俺が馬鹿だった」とでも言いたげなそれに、謝罪の言葉が口を衝いて出た。
「謝る必要はないから」
「……え?」
「謝ったら、それは葵の中で悪い記憶として蓄積されてしまう。たとえ、本当はその必要がないとしても」
「必要が、ない?」
「俺は葵に俺との付き合いを、今のこの会話も含めて、負い目を感じてほしくない。それは俺自身にも言えることで、少なくとも俺は葵と付き合ったことを後悔してないし、楽しかった記憶しかない。それはわかってほしい」
「私だってそう思いたい……けど……」
涼介の口ぶりがじわじわとこの関係の行く末を定めていく。グラスの中の氷が収まりが悪そうにまた小さな音を立てた。
「葵を性別抜きで見れないこととか、別れる以外の方法を見つけられないこととか、全部『俺が悪い』で片付けていいならそうするけど。そうしたら、葵も同じように思うだろ」
行動とは裏腹に私の表情は素直だったらしい。ため息を交えながらやるせない笑みを浮かべた涼介は、やがて伏し目がちにこう続けた。
「……嫌なんだよ、それは」
苦しみとも悲しみとも取れるかすれた声に私は言葉が出なかった。
「……まあ、別れを切り出した側が言うなって話だけどな。でも俺は性自認に誇りを持って、堂々としてる葵が今も好きだ。そこから生まれる『性別抜きで』っていう気持ちも自然だと思ってる。なら、俺が性別ありきで恋愛することを卑下するのもちがうだろ。お互いに大切にしたいものがちゃんとあって、それが合わなかっただけ。悪者なんか、少なくとも俺たちの付き合いにはいない……俺はそう思いたい。それぐらい、大事だったから……」
「…………っ」
馬鹿は私だ。
『期待した俺が馬鹿だった』なんて涼介が思うはずがない。
好きな気持ちはお互いに変わらないのに、このまま付き合い続けたところでいい未来が見えない。そんなままならない状況でも、どうにか私が罪の意識を持たなくていいように考えを巡らせていたんだ。
歓迎遠足で場の空気が沈んだとき、それを自然と持ち上げられる人だと思った。
人見知りな人も口下手な人も集団が苦手な人も、どれも短所じゃなくて個性と捉えて、人と対等に向き合える人だと思った。
尊敬しているところも魅力的なところも、まだまだ語り尽くせないほどあったのに。
ちょっと心が揺らいだだけで、すぐに疑ってしてしまう私なんて——なんて考えこそ、涼介が想ってくれる相手として相応しくない。
「私も勘違いしてほしくないから、はっきり言うんだけど。涼介と付き合ってる間、ちゃんとずっと幸せだったから。だから余計に性別にモヤモヤしてるのを隠して笑ってるほうが、涼介を騙してる気がして……。言わなかったらもう少し続けられたのかもしれないけど、そんなのは誠実じゃないし」
「わかってる。それでこそ葵だろ」
「涼介も同じでしょ」
「え?」
「性別抜きで付き合えないのに、付き合えてるフリしたくなかった。だから、今こうして話してるんだと思ってる」
束の間じっと見つめ合ってから、私たちは同時に吹き出した。
多分、いや絶対に、私はしばらく引きずるのろう。「合わないものは仕方ない」と割り切るには幸せな思い出が多すぎる。
私たちはきっと人間性の相性はとてもいい。だけど、残念ながら恋愛のほうはそうじゃなかった。「それなら付き合わなければよかった」とはならないぐらい、知ってよかったと思える気持ちがやっぱり多すぎる。
だからこそ思う。
私と付き合うことで涼介に無理してほしくない。我慢させたくない。
涼介と同じことを私も涼介に思っている。
「じゃあ——……」
でも、一つだけ。
「今までありがとう。涼介」
「こちらこそありがとう。葵」
一緒に幸せになりたかった——その気持ちだけは無理をしてでも、我慢してでも口にはしない。
涼介の黒い傘と私のビニール傘。それぞれが傘袋に入れた自身の傘を椅子の肘掛けに掛けていた。相手側に伸びた傘がテーブルの足元で交差するように触れ合っている。
「……出るか」
「……うん」
同時に立ち上がり、傘を手に取った。外側にあった涼介のものが先に動いたから、傘同士が変にぶつかることもない。
飲みきったオレンジジュースのグラスでは角の取れた氷が、それでも形を保ったまま残っていて、それはアイスコーヒーのグラスでも同じだった。
