死神カイ君と死にたがりの花子ちゃん

「レクトルさんを見て思い出したんだけど。花ちゃんの猶予っていつまでなの?」

「えーっと」

 1週間だって言われた日から、今日まで何日経ったかを計算する。すると隣からあっ! と大きな声が出された。
 声の主はカイ。カイの方を見ると、物凄く難しい顔をしていた。

「今日で3日目だ……」

「あ、そうそう。だから残り4日だね」

 早いものでもう3日経つのか~。
 本音を言えば3日も焦らされた訳だけど。

 それでも残り4日間の内に死ねるんだから、もうノートなんか買わなくていいかなと思う。
 私にとっては明るい未来にうきうきし始めるが、隣に立つカイのテンションは真逆だった。

 いつもクールではあるけど、それとは違う雰囲気。どうしたんだろう? と顔を覗き込むと、何故かじーっとジト目で見られた?

「……アンタ。俺がいない間に自死しないだろうな?」

「しないよ。ちゃんと約束は守るもん」

 きっぱりと即答したのに。信用のない目で、はぁとため息が吐かれる。

「アンタのその返事の良さ。信用出来ないもんなぁー」

「失礼ね!」

 フェルの時だって、ちゃんと約束を守ったのに!

 実績があると言うのに疑われて、ぷんぷんと怒ってますアピールをする。しかしふと、あれ? と疑問に引っ掛かった。

「俺がいない間?」

 私が死なないようずっと見張っているカイが?
 いなくなる?

 どう言うこと? と考えていると、思い詰めたような息を吐きながら、カイが顔を上げた。

「鎌が壊れたから、一度冥界に戻ったことがあっただろ? その時に鎌を預けて来たんだ」

「あ! 確かにそんなことがあったね」

 そうして私はタワーのてっぺんに取り残されて――そう言えば、その話を詳しく訊いていなかったことを思い出した。

「とりあえず3日、預かるって言われたんだ。その間何か進捗があったら知らせるが、何もなかったら3日後に取りに来いって」

「その3日後が今日ってこと……」

「あぁ。んで、連絡は何もなかった」

 カイは全てを語らなかったけど、それは暗に直らなかったと言っているようなものだった。
 それを汲み取った私は何も言えなくなって、ふたりの間だけしんと静まる。

 鎌が直らなかったってことは……。私の魂が狩れないってことで。

 私は……死ねないの……?