死神カイ君と死にたがりの花子ちゃん

 いつも篭るトイレがある校舎。昼休みになると中に人はいないが、外も人の気配はなかった。
 裏庭に座るのに良さげな所を見付け、そこに関君と並んで座る。

 いつもトイレに行っていたけど。
 人がいないなら、晴れた日は外でもいいかも。

 第2の憩いの場所を見付けられたこと。また高校生活初めて、誰かとお昼ご飯を食べることに、気分が上がる。

 それなのにいまいちこの場に集中出来ないのは――私達ふたりの様子を伺う死神達の存在だった。

 手を上げれば届くと言う近さの頭上に、カイとフェルがいた。特にフェルは興味津々と言った感じで、蓋を開けたお弁当を見て、へぇーと呟いた。

「これが人間の食べ物かぁ。色鮮やかだね」

「死神界とは全然違うよな」

 なとど会話をしていて、それが聞こえるもんだから、気になってしょうがない。

「鈴樹さんのお弁当、美味しそうだね」

「そう? 結構冷凍食品を詰め込んだだけだけど」

「もしかして自分で作ってるの?」

「ねぇー花ちゃん。この黄色い食べ物は何? 甘いの?」

「う、うん。簡単にだけど、自分で作ってるよ」

「黄色いのより、こっちの肉の方が美味そうだろ。これは何なんだ?」

「へー凄いね! 今度俺に……なんてごにょごにょ……」

「花ちゃーん」

 ――もう!

 3人がそれぞれに喋るので。と言っても関君はただ私と話をしているだけなので、何にも悪くない。
 でもカイとフェルは知っていて話し掛けてくるので、キッと目を釣り上げて見上げた。

「今は黙ってて!」

 関君に不信感を抱かれないように、口パクで伝える。カイは仕方ねーなと言う顔をして離れていったが、フェルはにこりと微笑んだ。
 そして何故か私の隣に座って、こそっと耳打ちをする。

「後で教えてね」

 とろけるような声音に、顔を俯かせる。恥ずかしさに熱を帯びて赤くなっているであろう顔を隠しながら、関君に話し掛けた。

「……もう1回確認なんだけど。私の隣、何か見える?」

「え? いや、何も見えないよ……?」

「それならいいの」

 気持ちを切り替えて、顔を上げる。私の隣から離れようとしないフェルに調子を狂わせられながら、いたたぎますとお昼を食べることにした。