死神カイ君と死にたがりの花子ちゃん

 ……何でこのタイミングで鳴るかなぁ?

 ありえない! と恥ずかしさに顔を逸らす。
 するとぷっと笑い出す声が聞こえた。

「ははっ。すげー腹の音」

 そこには口を開けて、笑っているカイがいた。
 これまでこんなに無邪気に笑った姿を見たことがなくて、初めて見るカイに、つい見入ってしまう。

「アンタの腹の音、前にも聞いたことはあるけど。今のは豪快だったな」

 そんなことを言われてしまっては、恥ずかしくて顔を合わせられなくなる。くくと笑いを零しながら、まだ倒れたままの私を手を取り、起こされた。
 ポケットの中に手を入れて、あったあったと呟く。ほらと伸びてきた手のひらの上には、いつぞやにくれた飴があった。

「これでよけりゃ、やるよ」

「……ありがとう」

 これ以上。またお腹が鳴ったらたまったもんじゃない。

 そう思い、受け取って包装を開ける。いただきますと口の中に入れると、やっぱり甘ったるい味がした。