死神カイ君と死にたがりの花子ちゃん

「――――はっ!」

 大きな声を出しながら目が覚め、飛び起きる。
 両腕が無事であることを確かめてから、きょろきょろと辺りを見渡した。

 ここ……何処だろう?

 周囲の景色は暗い。そしてところどころ、目線の高さに光る物が見える。

「中……じゃなくて。外……?」

「――やっと起きたか」

 声がした方に振り向くとカイがいた。あぐらをして、太ももの上に頬肘を付いている。むすっとした顔と、自分の顔の高さが同じにあって、また膝枕をしてもらっていたことを理解した。

「あれ? 私、どうしたっけ? それにフェルは……?」

 カイの姿があっても、フェルの姿はない。

「アンタ、また気を失ったんだよ。だから今日のところは帰るねーって、フェルディヴェイルは帰っていった」

「あ、そうだったんだ……」

 そう聞いて、あの時自分が限界寸前だったことを思い出す。フェルがあまりに色仕掛け――もとい、誘惑に耐え切れなくなっていた。
 まるで海で溺れるみたいにあっぷあっぷして――それからの記憶がないことから、そこで意識が飛んだんだと思った。

 そうして気を失ってしまったから、また人目の付かない所に運ばれた。それがここで。見るからに高い場所だった。

「……なんか……迷惑掛けてばかりで、ごめんね?」

「全くだな」

 はぁーとため息を吐く姿は、いつも通り――と言えばいつも通りだった。
 けれど今のカイは面倒くさそうな中に、イラついているようにも見える。それが何だかいたたまれなくなり、そんな気持ちを紛らわせる為に、あのと話し掛けた。

「リストじゃないポイントは少ないって言ってたけど……。やっぱり全然違うの?」

「違うな。10と1くらい変わってくる」

「なるほど……」

 なら、カイがリストである私にこだわる理由が分かる。
 そっかと納得は出来たが、それ以上何かを訊けなかった。

「と、言っても、1も積み重なれば大きな数字になる。恐らくフェルディヴェイルは、相当ポイントを稼いでいるだろうな」

 躊躇なく襲って来たことを思えば、きっとそうだろうなと思う。それでもカイが私をキープするのは、1回で得られる10があまりに大きいからなのだろう。