死神カイ君と死にたがりの花子ちゃん

 動けず硬直する私の耳元でずっと囁き続けられ、言葉にならない口が、ただ魚のようにぱくぱくと開く。

 全身沸騰。頭は沸騰を超えて爆発しそう。
 顔は真っ赤っかで茹でダコみたい。

 ――本当に……。
 意識……飛んじゃうかも……。


 キャパオーバーになるがままの私を間に、ふたりの対立は続く。

「いい加減にしろよ、フェルディヴェイル。そいつは俺のものだ」

「さっき言ったでしょ? 花ちゃんは僕のものにしたいの」

「――だったら力付くで取り返す」

 また争いが起きる。そんな兆しが見えたが――


「――もうダメ」

 と、私が呟いたらしい。
 ふたりがん? と視線を向けると、フェルの腕の中でくったりとした、本当に意識を飛ばした私がいた。

「え? 花ちゃん?」

「おい! しっかりしろ!」

 ふたりの呼び掛けは当然。
 聞こえていなかった――。