全身を切っていく強い風圧が包み込まれ、受け止められた感触がした。
「――はぁー…………」
次の瞬間。深い深いため息が聞こえる。
恐る恐る目を開けると、苦悩の色が混じりながらも、安心したカイの顔があった。
これまで腰を脇で抱かえられて運ばれていたが、今は横抱きされて、ゆっくりと高度が落ちていっている。
丁寧な扱いに嬉しい、とか。お姫様抱っこされて恥ずかしい、とか。そんなことは考えられなくて。ただフェルディヴェイルの元から離れられたんだ……と、今の状況を理解することでいっぱいだった。
やがて地上に戻ってきて、地面に足が下ろされる。少し遅れてフェルディヴェイルも降りてきた。
「まだやるなら、相手になるぞ? こいつは絶対にやらないけどな」
カイが闘争心剥き出しに言えば、フェルディヴェイルはあっけらかんと笑い出した。
「ううん。もういいや」
「――は?」
突然の興味を失った発言に、カイが唖然とする。フェルディヴェイルはふふと笑うと、私の前までやって来た。
「君の名前、スズキ……何だっけ?」
「花……です」
「花ちゃんかぁ。可愛い名前だね。僕はフェルディヴェイル。フェルって呼んでくれると嬉しいな」
「は、はい……」
さっきまで魂を狙っていたとは思えない程の手のひら返しに、私も動揺と疑念が拭えない。
戸惑いながらも自己紹介をすると、カイがずいと私の前に立った。
「おい。どう言うことだ?」
「んー? 単に花ちゃんのことが気に入ったから、もう狙わないってことだよ」
「は? 気に入った? こいつを?」
言われように、どう言うことよ? とむっとした顔を向ける。がスルーされ、話が続けられる。
「うん。花ちゃんも最初は、僕に見惚れてくれたんだけどねー」
そう聞いて、うわぁ……とカイから引いた視線を感じる。でも気付いていないフリをして、決して目を合わせないようにした。
いや、だって……。仕方なくない?
超ド級イケメンに、じっと優しく見つめられたりしたら……。
そりゃあ目も離せなくなるでしょうよ?
「――はぁー…………」
次の瞬間。深い深いため息が聞こえる。
恐る恐る目を開けると、苦悩の色が混じりながらも、安心したカイの顔があった。
これまで腰を脇で抱かえられて運ばれていたが、今は横抱きされて、ゆっくりと高度が落ちていっている。
丁寧な扱いに嬉しい、とか。お姫様抱っこされて恥ずかしい、とか。そんなことは考えられなくて。ただフェルディヴェイルの元から離れられたんだ……と、今の状況を理解することでいっぱいだった。
やがて地上に戻ってきて、地面に足が下ろされる。少し遅れてフェルディヴェイルも降りてきた。
「まだやるなら、相手になるぞ? こいつは絶対にやらないけどな」
カイが闘争心剥き出しに言えば、フェルディヴェイルはあっけらかんと笑い出した。
「ううん。もういいや」
「――は?」
突然の興味を失った発言に、カイが唖然とする。フェルディヴェイルはふふと笑うと、私の前までやって来た。
「君の名前、スズキ……何だっけ?」
「花……です」
「花ちゃんかぁ。可愛い名前だね。僕はフェルディヴェイル。フェルって呼んでくれると嬉しいな」
「は、はい……」
さっきまで魂を狙っていたとは思えない程の手のひら返しに、私も動揺と疑念が拭えない。
戸惑いながらも自己紹介をすると、カイがずいと私の前に立った。
「おい。どう言うことだ?」
「んー? 単に花ちゃんのことが気に入ったから、もう狙わないってことだよ」
「は? 気に入った? こいつを?」
言われように、どう言うことよ? とむっとした顔を向ける。がスルーされ、話が続けられる。
「うん。花ちゃんも最初は、僕に見惚れてくれたんだけどねー」
そう聞いて、うわぁ……とカイから引いた視線を感じる。でも気付いていないフリをして、決して目を合わせないようにした。
いや、だって……。仕方なくない?
超ド級イケメンに、じっと優しく見つめられたりしたら……。
そりゃあ目も離せなくなるでしょうよ?

