死神カイ君と死にたがりの花子ちゃん

 朝。もう誰もいない家を出て、玄関の鍵をかける。今日は昨日と違って突き抜けるような快晴で、太陽の眩しさに目を細めた。

 今日も学校かぁ……。

 そう思えば憂鬱でしかない。
 でも休める理由はなく、今日も仕方なく学校に向かって歩き出した。

 ――昨日頭がくらくらして、気を失っていた時間もある。雨に濡れて寒くて、きっとそれらは風邪の症状だったと思うけど……。

 翌日である今日。体調を崩すこともなく、元気に朝を迎えてしまった。

 こんな時、頑丈な自分が恨めしい……。

 熱さえ出れば。咳が酷くて、止まらなければ。
 学校を休める理由になるのに、元気が故に学校に行かなくてはならない。

 もっと濡れておけばよかったなと思いながら、歩く。
 天気が良いことで気温も高く、少し汗ばんだ額をハンカチで拭いた。

 ――そんな私の頭上を、黒い影が付いてくる。その正体を何か知っているので、足を止めて見上げた。

「学校まで付いてくるの?」

「言っただろ? ずっと見張るって」

 昨日は何処に行っていたのか? あの時まで姿を見せなかったが、今日は朝からカイの姿があった。
 やる気に満ちた――ではなく、淡々と業務をこなしているだけの見た目に、苦笑いを零すしかなかった。

 真面目と言えば聞こえはいいけど、そこまでしてポイントが欲しいものなのかなぁ?

 リストに乗る標的の人間の魂を狩って、得られるポイント。
 カイの話しぶりから相当大事っぽいが、価値が分からない私からすれば、ここまで執着する理由がいまいち分からない。

 ポイントを貯めて……とか言っていたけど。
 貯めて何になるんだろう?

 きっと訊いても、そこまでは教えてくれないだろう。
 カイはカイで大変だなぁと思いながら、再び学校に向かった。