幸の小祠に関連する記録

観察者:
T.K.(橘中(きっちゅう)小学校5年生)

観察場所:
初瀬山陰口(こもりく)の峰にある石の祠の周辺。

観察期間:
2023年8月5日 〜 8月12日

観察記録(一部抜粋)
<研究しようと思った理由>近所のはつせ山に遊びに行った時、ほこらにとまったモンシロチョウがクモに捕まったのを見た。隠れてしばらく見ていたら、コガネムシが鳥に食べられた。ここはいろんな虫が集まるところだと思ったので、ほこらに来る虫を観察してみることにした。虫が捕まるところを写真にとるのは難しいけど、ちょう戦しようと思う。
<研究方法>一日の決まった時間にはつせ山へ行って、ほこらにどんな虫が集まるか観察する。熱中症の危険があるので、観察は午前中に行う。
<持ち物>水筒、タオル、デジタルカメラ、メモ用紙、筆記用具、こん虫図鑑

🟢 8月5日(月) 天候:晴れ 10:00~12:00 最高気温35℃
カナブン1匹 アゲハチョウ2匹 コオロギ1匹 オオシオカラトンボ1匹 スズメバチ1匹
祠の前の大きな岩に、カナブンやアゲハチョウが数匹来ていた。元気いっぱいで、蜜を吸ったり、飛び回ったりしている。
気づいたこと: ほこらの石のひびから出てきたコオロギが、動かずにじっとしていた。すぐにスズメバチが来て、あっという間に捕まえて飛んでいった。コオロギは逃げようともしなかった。起きたばかりで眠かったのかな。

🟡 8月8日(木) 天候:曇り 10:00~12:00 最高気温32℃
アブラゼミ1匹 モンシロチョウ2匹 イトトンボ1匹 カマキリ1匹 ショウリョウバッタ3匹
ほこらの周りにいる虫の動きが少なくて、止まっていることがある。でもほこらの真横の草にとまっているアブラゼミは、鳴き声が大きくて、元気がないわけじゃないみたいだ。
アブラゼミが、近くに来たカマキリに簡単に捕まった。いつもなら全力で逃げるのに、カマキリが来たとき、アブラゼミは動こうともしなかった。
感想: ほこらの周りには、虫たちを動けなくする何かがあるのではないかと思った。毒かもしれないと考えたが、周りの草花は枯れていない。僕も特に体調が悪くなったりしていない。

🟠 8月10日(土) 天候:快晴 10:00~12:00 最高気温37℃
モンシロチョウ1匹 クロアゲハ1匹 カブトムシ1匹 クロオオアリ30匹以上
大きなカブトムシ(オス)が、ほこらの前に置いていたこん虫用のみつに夢中で、しばらく動かなかった。12時近くになってカブトムシが動き出したけれど、みつのそばを離れようとしない。
そのカブトムシが、アリの大群に囲まれた。いつも他の虫は角で追い払うか、飛んで逃げるはずなのに、カブトムシは体を丸めて動こうとしない。アリがカブトムシの体を登り始めたとき、ようやく抵抗して動き出した。

🔴 8月12日(月) 天候:晴れ 10:00~11:10 最高気温38℃
オオムラサキ1匹 カメムシ1匹
観察中、足元に岩があって滑った。大したことなかったけれど、カメラのレンズキャップを落としたので、ほこらの石の間をのぞき込んだ。カメラのレンズキャップは回収できたが、突然木の枝が目の前数センチのところに落ちてきた。お母さんに「危ないと思ったら無理しないで帰ってきなさい」と言われていたので、今日の観察はこれでおわりにする。
ほこらの様子: すきまは真っ暗で何も見えない。でもよく聞くと、どこからか「スーッ、スーッ」という、何かが長く息を吸っているような音が聞こえた気がした。とても静かな音で、少し気持ち悪かった。



【追記】
T.K.は8月12日の下山中、斜面の石に躓いて利き腕を打撲・足を捻挫する怪我を負い、この観察研究を続けることができなくなった。
T.K.は2週間間外出出来ず、研究テーマは山中で捕獲した昆虫の屋内観察日記に変更された。祠の昆虫の観察ノートは彼の自宅で発見された。