「僕の大好きな高校」
158:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:35:10 ID:XXXXXXXX
警察関係の仕事をしてるんだが、どうしても割り切れない事件があったから書かせてくれ。
亡くなったのは中学2年生の男子。学校でかなり陰湿ないじめを受けていたらしく、半年ほど不登校だった。遺書はなかったが、「いじめを苦にした自殺」として状況的に処理された。
でも、現場に携わった俺たちは、どうにも腑に落ちない。
まず、遺体の状況が明らかに異質だった。それから、母親が「自殺するわけがない」と泣き叫ぶんだ。その子は亡くなる一週間前から、憑き物が落ちたように前向きになっていたらしい。
「行きたい高校を見つけた」「そこなら僕も通えそうなんだ」「AIが僕にぴったりの場所を見つけてくれたんだ」……そう言って勉強に励んでいたという。自ら命を絶つ予兆なんて、どこにもなかった。
159:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:38:22 ID:XXXXXXXX
母親の話によると、その子は『光ノ森大付属高校』に通いたいと言ってたらしいんだ。
ただ、母親はその高校の名前を聞いたことがなかった。俺たちも知らない高校だった。一応調べたけど、全国どこを探しても、過去に遡っても、そんな高校は存在しない。
それで、少年のスマホに残された、AIとの対話ログを解析した。不登校で孤独だった彼は、対話型AIに依存していたようだった。最初は「死にたい」「学校が怖い」って愚痴をこぼしてた。
でも、真面目な子だったみたいで、「将来、どうしたらいい?」「通信制の学校ってどう?」というふうに未来を模索する相談が増えてきていた。
そのタイミングだ。AIが『光ノ森大付属高校』という名を語り始めたのは。「あなたに最も相応しい学び舎は、光ノ森大付属高校です」と。
160:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:41:45 ID:XXXXXXXX
AIが語るその高校は、あまりにも理想的で、完璧だった。
『光ノ森大付属高校』では、繊細な子に配慮された学びの環境が整えられていた。席はフリーアドレスで、その日に座りたい場所に座る。
授業は個別指導を主体としていて、習熟度に合わせた学習を提供してくれる。時間割が存在しないから、好きな時間に登校して、好きなタイミングで帰ってもいいらしい。
その高校の説明文を読んでて、俺も思わず息を呑んだよ。「すごい高校だ。こういう高校に通いたかった」と思わずにはいられなかった。
ただ、その『光ノ森大付属高校』だけど、やっぱり存在しない高校だったんだ。
残酷な話だ。AIは少年との過去の会話をしっかりと学習していて、彼のような子が幸福になれる『理想の高校』を生成したんだ。
161:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:44:05 ID:XXXXXXXX
途中で、少年も気が付いたらしくて「そんな学校、検索しても出てこない」「実在する学校の中で自分に合っている高校を教えて」「僕に向いている高校はどこ?」と何度も返してた。
でも、AIはそのたびに
『あなたに相応しいのは『光ノ森大付属高校』です。なぜなら、これこれの理由で、あなたの特性に最適化されているからです』と返事をする。
そして、存在しない校舎の美しさや、静謐な学び舎の空気を、さも見てきたかのように語り続ける。
徐々に少年も飲まれていったのか……面白半分だったのか……それはわからない。でも、彼は「そんな高校はない」とAIに返事するのをやめて、「その高校では僕は友達ができますか?」「先生もきちんとしていますか?」「どんな学校生活を送れますか?」と尋ねてた。
すると、AIは理想的な高校生活の話を提示してみせる。「あなたは『光ノ森大付属高校』で――――というような幸福な毎日を送ります」と、美しい青春小説のような日常を語ってくるんだ。俺もついつい引き込まれて、AIが提示する幸福な高校の話をむさぼるように読んでいたよ。
162:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:48:05 ID:XXXXXXXX
きっと少年も引き込まれたんだろうな。『光ノ森大付属高校』が大好きになって、その高校に通いたくて仕方がなくなったんだと思う。だから、『光ノ森大付属高校』が存在していない、この世に見切りをつけたんだと思う。
自殺した日の最後のメッセージがどうしても忘れられない。
少年:『ありがとう。僕は光ノ森高校に入学することができそうです。』
AI:『おめでとうございます。光ノ森高校への入学が最善の選択です。』
そのメッセージが彼の最後の言葉になった。AIを解析したことで、自殺する前に彼が明るくなった理由はわかった。でも、やるせなかった。
特に、やるせなかったのが、母親の証言だ。その日、昼飯を部屋の前に持っていった時、部屋の中から「歌」が聞こえてきたという。
聞いたこともないメロディだが、合唱コンクールで歌うような、清々しい校歌のような調べ。不登校になってからずっと塞ぎ込んでいた息子が、楽しそうにハミングしていた、と。
きっとこれから息子はよい方向に向かっていってくれるだろう、と安心したそうだ。
彼は、存在しない学校の校歌を空想して歌いながら、自殺の準備をしてたんだろうな。
163:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:50:30 ID:XXXXXXXX
それで、最初に言った「遺体の異常」の話だ。少年は首を吊って死んでたんだけど、その遺体の状態がおかしかったんだ。
首を吊って死んだ人間は、普通、苦悶の表情を浮かべる。でも、彼は違った。満面の笑みを浮かべて、首を吊っていたんだ。
それで、死後硬直の始まった右手は、斜め上に向けられていた。
鑑識は「自殺を決行したものの、苦しくて、ロープを外そうともがいた跡だろう」と片付けたが、手の位置は結び目から遠くかけ離れていた。
嬉しそうな表情で、中途半端な位置で手をあげている謎の遺体。
ログを読み終えたおかげでわかった。あれは、学校で親友を見つけて、「おーい」と嬉しそうに手を振っている高校生の姿だ。
俺は、彼が死の直前に、大好きな高校の「幻の校舎」を見ていたのだと信じているし、どうかそうであってくれと祈っているよ。
**生成AIのハルシネーションにご注意ください。AIが提示した「究極の救済」や「幸福な最適解」は、実在しません**
158:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:35:10 ID:XXXXXXXX
警察関係の仕事をしてるんだが、どうしても割り切れない事件があったから書かせてくれ。
亡くなったのは中学2年生の男子。学校でかなり陰湿ないじめを受けていたらしく、半年ほど不登校だった。遺書はなかったが、「いじめを苦にした自殺」として状況的に処理された。
でも、現場に携わった俺たちは、どうにも腑に落ちない。
まず、遺体の状況が明らかに異質だった。それから、母親が「自殺するわけがない」と泣き叫ぶんだ。その子は亡くなる一週間前から、憑き物が落ちたように前向きになっていたらしい。
「行きたい高校を見つけた」「そこなら僕も通えそうなんだ」「AIが僕にぴったりの場所を見つけてくれたんだ」……そう言って勉強に励んでいたという。自ら命を絶つ予兆なんて、どこにもなかった。
159:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:38:22 ID:XXXXXXXX
母親の話によると、その子は『光ノ森大付属高校』に通いたいと言ってたらしいんだ。
ただ、母親はその高校の名前を聞いたことがなかった。俺たちも知らない高校だった。一応調べたけど、全国どこを探しても、過去に遡っても、そんな高校は存在しない。
それで、少年のスマホに残された、AIとの対話ログを解析した。不登校で孤独だった彼は、対話型AIに依存していたようだった。最初は「死にたい」「学校が怖い」って愚痴をこぼしてた。
でも、真面目な子だったみたいで、「将来、どうしたらいい?」「通信制の学校ってどう?」というふうに未来を模索する相談が増えてきていた。
そのタイミングだ。AIが『光ノ森大付属高校』という名を語り始めたのは。「あなたに最も相応しい学び舎は、光ノ森大付属高校です」と。
160:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:41:45 ID:XXXXXXXX
AIが語るその高校は、あまりにも理想的で、完璧だった。
『光ノ森大付属高校』では、繊細な子に配慮された学びの環境が整えられていた。席はフリーアドレスで、その日に座りたい場所に座る。
授業は個別指導を主体としていて、習熟度に合わせた学習を提供してくれる。時間割が存在しないから、好きな時間に登校して、好きなタイミングで帰ってもいいらしい。
その高校の説明文を読んでて、俺も思わず息を呑んだよ。「すごい高校だ。こういう高校に通いたかった」と思わずにはいられなかった。
ただ、その『光ノ森大付属高校』だけど、やっぱり存在しない高校だったんだ。
残酷な話だ。AIは少年との過去の会話をしっかりと学習していて、彼のような子が幸福になれる『理想の高校』を生成したんだ。
161:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:44:05 ID:XXXXXXXX
途中で、少年も気が付いたらしくて「そんな学校、検索しても出てこない」「実在する学校の中で自分に合っている高校を教えて」「僕に向いている高校はどこ?」と何度も返してた。
でも、AIはそのたびに
『あなたに相応しいのは『光ノ森大付属高校』です。なぜなら、これこれの理由で、あなたの特性に最適化されているからです』と返事をする。
そして、存在しない校舎の美しさや、静謐な学び舎の空気を、さも見てきたかのように語り続ける。
徐々に少年も飲まれていったのか……面白半分だったのか……それはわからない。でも、彼は「そんな高校はない」とAIに返事するのをやめて、「その高校では僕は友達ができますか?」「先生もきちんとしていますか?」「どんな学校生活を送れますか?」と尋ねてた。
すると、AIは理想的な高校生活の話を提示してみせる。「あなたは『光ノ森大付属高校』で――――というような幸福な毎日を送ります」と、美しい青春小説のような日常を語ってくるんだ。俺もついつい引き込まれて、AIが提示する幸福な高校の話をむさぼるように読んでいたよ。
162:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:48:05 ID:XXXXXXXX
きっと少年も引き込まれたんだろうな。『光ノ森大付属高校』が大好きになって、その高校に通いたくて仕方がなくなったんだと思う。だから、『光ノ森大付属高校』が存在していない、この世に見切りをつけたんだと思う。
自殺した日の最後のメッセージがどうしても忘れられない。
少年:『ありがとう。僕は光ノ森高校に入学することができそうです。』
AI:『おめでとうございます。光ノ森高校への入学が最善の選択です。』
そのメッセージが彼の最後の言葉になった。AIを解析したことで、自殺する前に彼が明るくなった理由はわかった。でも、やるせなかった。
特に、やるせなかったのが、母親の証言だ。その日、昼飯を部屋の前に持っていった時、部屋の中から「歌」が聞こえてきたという。
聞いたこともないメロディだが、合唱コンクールで歌うような、清々しい校歌のような調べ。不登校になってからずっと塞ぎ込んでいた息子が、楽しそうにハミングしていた、と。
きっとこれから息子はよい方向に向かっていってくれるだろう、と安心したそうだ。
彼は、存在しない学校の校歌を空想して歌いながら、自殺の準備をしてたんだろうな。
163:問わず語りする名無し:2025/08/01(金) 17:50:30 ID:XXXXXXXX
それで、最初に言った「遺体の異常」の話だ。少年は首を吊って死んでたんだけど、その遺体の状態がおかしかったんだ。
首を吊って死んだ人間は、普通、苦悶の表情を浮かべる。でも、彼は違った。満面の笑みを浮かべて、首を吊っていたんだ。
それで、死後硬直の始まった右手は、斜め上に向けられていた。
鑑識は「自殺を決行したものの、苦しくて、ロープを外そうともがいた跡だろう」と片付けたが、手の位置は結び目から遠くかけ離れていた。
嬉しそうな表情で、中途半端な位置で手をあげている謎の遺体。
ログを読み終えたおかげでわかった。あれは、学校で親友を見つけて、「おーい」と嬉しそうに手を振っている高校生の姿だ。
俺は、彼が死の直前に、大好きな高校の「幻の校舎」を見ていたのだと信じているし、どうかそうであってくれと祈っているよ。
**生成AIのハルシネーションにご注意ください。AIが提示した「究極の救済」や「幸福な最適解」は、実在しません**


