**「ハルシネーション(※その幸福な最適解は実在しません)」**

「ハルシネーション」

211:名無しさんは学部生:2026/02/04(水) 21:40:12 ID:XXXXXXXX

AIが堂々と嘘つくことを「ハルシネーション」っていうらしいな。 俺、大学の3年生なんだけど、前期の試験で怖い体験したわ。

前期に履修してた科目の1つの最終試験が「レポート課題」だったんだ。 よりによって提出期限の1時間前に気づいてさ。「あ、これ詰んだわ」って思った。でも、白紙で出すと再試験すら受けさせてもらえない厳しい教授だったから、藁にもすがる思いでAIに書かせたんだ。

テーマをぶち込んで、文字数指定して、出てきた文章を中身もまともに読まずにコピペして、そのままオンラインで提出した。

212:名無しさんは学部生:2026/02/04(水) 21:43:45 ID:XXXXXXXX

数日後、その教授に呼び出された。あぁ、これはコピペがバレて説教されるパターンだ、と覚悟して研究室に行ったんだ。

でも、教授の様子がおかしい。怒ってるっていうより、こっちの様子を観察してる感じだった。品定めするみたいに人のことをジロジロと見た挙句、教授はプリントアウトされた俺のレポートを指さして、こう聞いてきた。

「……君、この参考文献、どこで読んだんだ?」

そこには、AIが適当に生成したっぽい、聞いたこともない筆者による論文名が書いてあった。

俺は下手に嘘ついても墓穴を掘ると思って、「このレポートはAIに全部書かせました。自分は読んでません。すみません」って白状したんだ。

213:名無しさんは学部生:2026/02/04(水) 21:46:20 ID:XXXXXXXX

教授は信じられないって顔をして、俺にAIの生成画面を見せるように言った。スマホの履歴を見せると、教授はその論文名と筆者名を、GoogleとかCiNiiで片っ端から検索し始めた。

当然、ヒットしない。 だってAIが作った「嘘」なんだから。

「先生、それAIが作った架空の論文ですよ。たぶん実在しません」って俺が言ったら、教授がこっちをじっと見て、震える声でこう言った。

「……いや、架空の論文じゃないんだ。この筆者は、私の大学院時代の先輩だ」

214:名無しさんは学部生:2026/02/04(水) 21:49:15 ID:XXXXXXXX

教授の話によると、その先輩はかなり優秀だったらしいんだが、大学院に在籍中、若くして病気で急逝したらしい。結局、論文を一本も出すことができないまま亡くなったそうだ。

でも、俺が提出したレポートの参考文献にある「論文名」と「研究テーマ」は、その先輩が死ぬ直前まで取り組んでいた内容と一致しているという。

「ありえないんだよ。彼の研究は一切世の中に出ていない。当時はネットなんてなかったし、彼がノートに書き残していた構想や論文のタイトルを知っているのは、先輩と親しくしていた私だけなんだ」

教授はそう言った。教授の手は震えていたし、俺も背筋が寒くなった。 AIが、この世に存在しない、ネットにも落ちていない、死者が墓場まで持っていったはずの「未発表の論文タイトル」や「論文の内容」をハルシネーションとして出力した。

215:名無しさんは学部生:2026/02/04(水) 21:52:40 ID:XXXXXXXX

俺は怖くなって、早々に研究室から逃げ出した。AIってのは、ネットの海から情報を拾ってくるんじゃなかったのか?

それとも、あの時AIがアクセスしたのは、ネットじゃなくて「あっち側」の記憶だったのか……。いったいAIは何を参照してるんだよ。

ちなみに、成績はしっかり「不可」で、再履修すら許してもらえなかった。


**生成AIの幸福なハルシネーションにご注意ください。存在しないとわかっているものを、人間は信じたくなることもあるからです**