「理想的な一冊」
981:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:05:22 ID:XXXXXXXX
本好きの人ならわかると思うんだけど、ある程度読み尽くすと「次の一冊」が見つからない時期があるんだ。 俺はかなりの乱読派で、最近はもう何を選んでも既視感があって、新しい刺激に飢えてた。
そんな時、ふと思いついて、流行りの対話型AIに自分の好みを全部ぶつけてみた。「俺が今まで読んできた本はこれ。このデータから、俺の魂を揺さぶるような一冊を提示してくれ」
AIはいくつか候補を出してきた。その候補は知ってるものばかりだったんだけど、1冊だけまったく知らない本があったんだ。
その本のタイトルは、 『仮面の系譜』とかだったと思う。
孤独な天才科学者が、自分自身の予備として「魂のない肉体」をいくつも作り出す話で、SFとか民族信仰をまぜた話。あらすじを一読しただけで、震えるほど魅了された。「これだ」と思った。
982:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:08:45 ID:XXXXXXXX
でも、Amazonで検索しても、その本は出てこない。
なんと! AIが俺の好みを混ぜ合わせて勝手に捏造した「嘘の本」だったんだよ。「なんだよ、名作を見つけたと思ったのに」がっかりして、その顛末をSNSの読書垢で呟いた。
ところが、意外な反応があった。「それ、全く同じ本をAIに勧められました」 「あらすじも全く同じ。こんなことってあるんですね!」
同じ境遇の人間が、次々と何人も現れたんだ。 誰も現物を持っていない。なのに、全員がその本の話で熱く盛り上がっている。すごい面白い状況になったんだ。
983:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:10:48 ID:XXXXXXXX
「これ、実はどこかに存在する本なんじゃないか?」「存在をあまり知られていないネット小説では?」「いや、邦訳がない海外の本なんだよ」
俺たちは熱狂した。それで、「実体のない物語」について語り合うために、オフ会を開くことにしたんだ。 場所は神保町の外れにある、古びた、でも雰囲気の良い純喫茶。
ただ、あまりにもマイナーな場所を選んだのがよくなかったのかもしれない。いや、よかったのか?
当日、俺はひどい方向音痴がたたって、迷子になった。裏路地を何度も行き来して、ようやく店の看板を見つけた時には、約束の時間を5分過ぎていた。
「悪い、遅れた……!」 息を切らして、喫茶店の重い木製のドアを押し開けた。カランカラン、と乾いた鐘の音が店内に響く。
でも、俺は一歩も店に入らなかった。汗ばんでいた体が一気に冷えて、そのままドアを引き戻して、死に物狂いで逃げ出した。
984:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:15:30 ID:XXXXXXXX
だって……店の中、窓際の大きなテーブルを囲んで十数人が座ってたんだけど……そいつら全員、まったく同じ顔をしてたんだよ。同じ髪型・同じ眉・同じ目・同じ鼻・同じ唇……仮面を並べたようにそっくりだった。
ただ、身長と着ている服だけがバラバラだった。大人みたいにでかいのもいれば、子供みたいに小さいのもいる。老人みたいな格好をしているのもいれば、学生服のやつもいる。
そいつら全員が、入り口の俺の方を一斉に見て、「ニコッ」 と、1ミリの狂いもなく同時に笑ったんだ。
そのまま駅までノンストップで走って、電車に飛び乗った。スマホの読書垢は、逃げる途中でアカウントごと消した。そのとき、スマホに映った自分の顔が、一瞬だけバケモノたちと同じ顔に見えて、悲鳴をあげてしまった。
あのバケモノたちは何だったんだろうな。今のところ、俺の身の回りに異常はない。
**生成AIの幸福なハルシネーションにご注意ください。それは、偶然の産物に過ぎません**
981:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:05:22 ID:XXXXXXXX
本好きの人ならわかると思うんだけど、ある程度読み尽くすと「次の一冊」が見つからない時期があるんだ。 俺はかなりの乱読派で、最近はもう何を選んでも既視感があって、新しい刺激に飢えてた。
そんな時、ふと思いついて、流行りの対話型AIに自分の好みを全部ぶつけてみた。「俺が今まで読んできた本はこれ。このデータから、俺の魂を揺さぶるような一冊を提示してくれ」
AIはいくつか候補を出してきた。その候補は知ってるものばかりだったんだけど、1冊だけまったく知らない本があったんだ。
その本のタイトルは、 『仮面の系譜』とかだったと思う。
孤独な天才科学者が、自分自身の予備として「魂のない肉体」をいくつも作り出す話で、SFとか民族信仰をまぜた話。あらすじを一読しただけで、震えるほど魅了された。「これだ」と思った。
982:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:08:45 ID:XXXXXXXX
でも、Amazonで検索しても、その本は出てこない。
なんと! AIが俺の好みを混ぜ合わせて勝手に捏造した「嘘の本」だったんだよ。「なんだよ、名作を見つけたと思ったのに」がっかりして、その顛末をSNSの読書垢で呟いた。
ところが、意外な反応があった。「それ、全く同じ本をAIに勧められました」 「あらすじも全く同じ。こんなことってあるんですね!」
同じ境遇の人間が、次々と何人も現れたんだ。 誰も現物を持っていない。なのに、全員がその本の話で熱く盛り上がっている。すごい面白い状況になったんだ。
983:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:10:48 ID:XXXXXXXX
「これ、実はどこかに存在する本なんじゃないか?」「存在をあまり知られていないネット小説では?」「いや、邦訳がない海外の本なんだよ」
俺たちは熱狂した。それで、「実体のない物語」について語り合うために、オフ会を開くことにしたんだ。 場所は神保町の外れにある、古びた、でも雰囲気の良い純喫茶。
ただ、あまりにもマイナーな場所を選んだのがよくなかったのかもしれない。いや、よかったのか?
当日、俺はひどい方向音痴がたたって、迷子になった。裏路地を何度も行き来して、ようやく店の看板を見つけた時には、約束の時間を5分過ぎていた。
「悪い、遅れた……!」 息を切らして、喫茶店の重い木製のドアを押し開けた。カランカラン、と乾いた鐘の音が店内に響く。
でも、俺は一歩も店に入らなかった。汗ばんでいた体が一気に冷えて、そのままドアを引き戻して、死に物狂いで逃げ出した。
984:本当にあった怖い名無し:2025/08/10(日) 18:15:30 ID:XXXXXXXX
だって……店の中、窓際の大きなテーブルを囲んで十数人が座ってたんだけど……そいつら全員、まったく同じ顔をしてたんだよ。同じ髪型・同じ眉・同じ目・同じ鼻・同じ唇……仮面を並べたようにそっくりだった。
ただ、身長と着ている服だけがバラバラだった。大人みたいにでかいのもいれば、子供みたいに小さいのもいる。老人みたいな格好をしているのもいれば、学生服のやつもいる。
そいつら全員が、入り口の俺の方を一斉に見て、「ニコッ」 と、1ミリの狂いもなく同時に笑ったんだ。
そのまま駅までノンストップで走って、電車に飛び乗った。スマホの読書垢は、逃げる途中でアカウントごと消した。そのとき、スマホに映った自分の顔が、一瞬だけバケモノたちと同じ顔に見えて、悲鳴をあげてしまった。
あのバケモノたちは何だったんだろうな。今のところ、俺の身の回りに異常はない。
**生成AIの幸福なハルシネーションにご注意ください。それは、偶然の産物に過ぎません**


