ヤンキー君は委員長を落としたい

キーンコーンカーンコーン♪
「あ、チャイム鳴りましたよ。教室、早く戻っては?」
「チッ……わかったよ」
俺はバッグを持って立ち上がった。
「あ、待ってください」
委員長が俺を引き留めた。
なんだ?
まさか……さっきの効果が出たのか?
俺に惚れたとかか!?
「な、なんだよ委員長」
少しだけ鼓動が速くなるのを感じながら聞く。
すると委員長はポケットから何かを取り出した。
「これ、あげます。メロンパンくれたお礼に」
そう言って、俺の手を引き、手のひらの上にそれをぽんと乗せる。
……なんだこれ。
ちょっと重い?
「い、委員長。この紙の束なんだよ」
俺は手のひらに乗った小さな紙の束を指差した。
「見てわかりませんか?メモ帳ですよ」
「そんぐらいわかるわ!
なんでメモ帳なんだよ」
まじで意味がわからねぇ。
メモ帳なんていらねぇんだけど。
「中、見てみたらどうですか?」
委員長はにっこり笑った。
……なんか嫌な予感しかしねぇ。
俺はゆっくりとメモ帳を開く。
そこには――びっしりと、
勉強の要点が細かく書かれていた。
「おい、なんだよ委員長。これは」
疑問半分、イラつき半分で問いかける。
「貴方、前回のテストで2点とか取っていたでしょう?
だから少しでも覚えられるようにまとめておきました」
こ、このクソ委員長……。
さっき俺がこいつにドキッとしたのが、
全部幻だった気がしてきた。
「どうもー。おかげで勉強する気が失せましたー」
「じゃあ努力してくださいね。
それでは私も教室に戻るので」
あっさりそう言って、委員長は背を向けて歩き出す。
……まじでムカつくな、あの委員長。
俺は小さく舌打ちしながら、
背中に向かってこっそり中指を立ててやった。