前世あやかし狐だった私は、恋人だった晴明様を思い出せない

 その週の土曜日、私達三人はミス研に集まっていた。

「門田さん、大学に来てないみたいなのよね。一体どこへ行ったのかしら……」

「寮にも帰ってないみたいだし、本当にどこへ行ったのかしら」

「そう言えば、結愛。前から気になってたんだけど、空き地で見つけた雑誌は、結局なんだったの?」

 私は椅子から立ちあがり、バッグから雑誌を取り出すと折り目のついているページを開きながら二人へ雑誌を見せた。

「この雑誌、ページ数が書いてあるページの端が折られていたの。それが、25ページ、31ページ、57ページなんだけど、そのページに何か書いてあったりするのかな~と、思って見てたんだ。だけど、そうじゃないってことに気がついて……」

「どういうこと?」

 野上君は雑誌を見て興味を持ったのか、真剣な表情で私の話を聞いてきた。

「まず25ページじゃなくて、2ページの記事の5段落目を、よく見てみると書いてある文章の文字の左下に針か何かで押した後があるのとないのがあるの。たぶん、芯の出ていない状態のシャープペンか何かで、強く押したんだと思うんだけど」

「あっ、ほんと」

 玲奈が雑誌を手に取り、顔を近づけて確認している。

「玲奈、少し分かりづらいんだけど、この印がついてる文字を抜き出して読んでみてくれる?」

「は・に・は・ん・ん?」

 玲奈が文字だけ読んで、首を傾げている。野上君は私の言っていることが分からなかったのか、無表情で雑誌を眺めていた。

「玲奈、そうじゃないの。並べ替えて読んでみて」

「は・ん・・・に・ん・は・・・犯人は!」

 玲奈と野上君は分かったのか、雑誌を食い入るように見つめていた。

「次の3ページの1段落目は、み・か・わ・み・る・け・た・と……」

「え?」

「分からないけれど、『上川健と』に、ならないかな」

「!!」

「次の5ページ目は、残念ながら破れているから分からないの」

 私は二人に、ハサミで切り取られている5ページ目を見せた。

「まさか上川先輩? あんな人当たりが良くて、温厚そうな人が?!」

「罪をなすりつける為に、わざと残したって事も考えられなくはないけど、可能性としては低いと思う。それに、上川先輩が犯人なら共犯者は身近な人物の可能性もあると思うの──だから、これからはサークル活動で気をつけて見てみようと思う」

「俺も信じられないな。共犯者に脅されてるとしか思えない」

 野上君がそう言った瞬間、ドアが勢いよく開いた。