夢で出てきた変なババアを調べてみた結果

 あれから、父は下道を使うことがなくなった。
 渋滞していても、高速道路を使うようになった。
 よほど怖かったんだろうね。 
 まあ、父からしたら、車酔いで寝ていた小学生の娘が、突然「その先に神社がある」なんて言い出したんだから。
 父が、その道を使わなくなったから、私は二度とその神社を見ることはなかった。
 印象に残る夢ではあったけれども、子供の頃はそんなに気にしていなかった。
 テレビゲームのやり過ぎとか、ファンタジー小説の読み過ぎで、そんな変な夢を見たんだと自分でも思っていた。
 
 学校の友達が夢占いをしてくれたら、白い着物の人物は神様の化身で、幸せが訪れる予兆だと言ってくれた。
 それなら、全然気にする必要ないと、私は信じだ。
 すごく禍々しい感じだった気はするけれども、それだって時間が経てば、気のせいな気がしてきた。
 だって、そんなものでしょ? 夢って。
 鬼に追いかけられる夢だって、テストで零点を取る悪夢だって、時間が経てば薄れていく。
 この不思議な夢も、そんな悪夢の一つだと思っていた。

 それが、子供の頃のこと。
 私が大人になった頃には、インターネットが発達して、気軽に誰でも使えるようになった。
 昭和から平成、令和になって、本当に世の中が発達したと思う。
 で、未だ気になっていた夢を調べた。
 やっぱり、あの時友達が本で調べてくれた通り、『白装束の着物は、吉兆の現れ』みたいな文言が出て来た。
 すごくホッとした。
 やっぱり、気にする必要がなかったんだ。
 神社が突然出てきたのは、偶然だと思った。
 
 私は、ますます夢のこと気にしなくなった。
 でも、それが変わったのは、オカルト版を見た時だった。
 『白いボサボサの髪の動物霊の話』
 この話は、オカルト版のメジャーどころの『コトリバコ』とか『クネクネさん』とかと違って過疎っていた話。
 たぶん、読んだことがある人は少ないんじゃないかな?
 精神的に病んだ主人の後ろを、踊り狂う白い着物を着たボサボサの髪の老婆。
 それが、調べてもらったら動物霊だという話だった。
 爪が伸び切って、人間とはとうてい思えない禍々しい顔で、踊るのだそうだ。
 憑りつかれた主人の行く末は、入院だった。 
 そして、その動物霊を祓うことで主人は何とか回復したということで、話は終わっている。

 私は、その話を読んで、もう一度あの夢のことを想い出した。
 だって、書かれていた描写が、私の見たものと似ていたから。