【学級担任日誌】
記載者 :森下明文
所属 :静岡県立安久中学校
:学校運営委員
担当学級 :2年2組
授業年月日:10月12日(水曜日)
出席生徒数:29名
欠席生徒数:なし
早退生徒数:なし
――――――――――
特記要項:黒木流星が補修からクラスに復帰。放課後に校門の前で帰りの挨拶を行っていたところ、保健委員の大久保を見つけ、声をかけた。その際、彼女は非常に気になることを言っていた。
感想等:しばらくの間補修にかかっていた黒木が、今日めでたく私のクラスに復帰することが叶った。同じく補修になった他の二人に比べて、彼だけ復帰が遅くなってしまったのには理由があり、1年次から彼に特異的に投与されている薬剤の影響なのだという。具体的には、私がこのクラスを担当した時から黒木は攻撃的な性格で、なにかと喧嘩っ早い印象があったのだが、それは彼が継続的に”攻撃性を増す”性格とする薬剤を実験投与されていたためで、前期にてたびたびけが人を出していたのもこの薬の影響だったのだという。今回の補修では、薬剤によってもたらされる好戦的な性格が、思考力や認知能力の向上と共存しうるかが観察された。それが私のクラスに戻って来られたという事は、実験において十分な結果を出したという事なのだろう。彼を預かるクラスの担任として、何とも誇らしい限りだ。
今日の校門前の帰りの挨拶は私の担当であったので、帰宅する生徒たちに声をかけていたところ、大久保の姿を発見した。私は彼女に向け、笑顔で「気を付けて帰りなさい」と言葉を伝えた。すると彼女は、「……それも作られたものなんですか?」と言葉を返してきた。それは一体どういう意味かと聞いてみたところ、彼女は「この学校の明るい生徒も、頭の良い生徒も、運動ができる生徒も、みんな作られたもののような気がします……。それに、今の先生も……」と、弱弱しい口調で言葉を発し、そのまま私の前から姿を消していった。
彼女のあのような考えは、間違いなく金田らを中心にして広まっているのだろう。これはなにか対応が必要な事態かもしれないため、明日にでも校長先生に相談してみることとしよう。
記載者 :森下明文
所属 :静岡県立安久中学校
:学校運営委員
担当学級 :2年2組
授業年月日:10月12日(水曜日)
出席生徒数:29名
欠席生徒数:なし
早退生徒数:なし
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特記要項:黒木流星が補修からクラスに復帰。放課後に校門の前で帰りの挨拶を行っていたところ、保健委員の大久保を見つけ、声をかけた。その際、彼女は非常に気になることを言っていた。
感想等:しばらくの間補修にかかっていた黒木が、今日めでたく私のクラスに復帰することが叶った。同じく補修になった他の二人に比べて、彼だけ復帰が遅くなってしまったのには理由があり、1年次から彼に特異的に投与されている薬剤の影響なのだという。具体的には、私がこのクラスを担当した時から黒木は攻撃的な性格で、なにかと喧嘩っ早い印象があったのだが、それは彼が継続的に”攻撃性を増す”性格とする薬剤を実験投与されていたためで、前期にてたびたびけが人を出していたのもこの薬の影響だったのだという。今回の補修では、薬剤によってもたらされる好戦的な性格が、思考力や認知能力の向上と共存しうるかが観察された。それが私のクラスに戻って来られたという事は、実験において十分な結果を出したという事なのだろう。彼を預かるクラスの担任として、何とも誇らしい限りだ。
今日の校門前の帰りの挨拶は私の担当であったので、帰宅する生徒たちに声をかけていたところ、大久保の姿を発見した。私は彼女に向け、笑顔で「気を付けて帰りなさい」と言葉を伝えた。すると彼女は、「……それも作られたものなんですか?」と言葉を返してきた。それは一体どういう意味かと聞いてみたところ、彼女は「この学校の明るい生徒も、頭の良い生徒も、運動ができる生徒も、みんな作られたもののような気がします……。それに、今の先生も……」と、弱弱しい口調で言葉を発し、そのまま私の前から姿を消していった。
彼女のあのような考えは、間違いなく金田らを中心にして広まっているのだろう。これはなにか対応が必要な事態かもしれないため、明日にでも校長先生に相談してみることとしよう。

