静岡県立安久中学校にて行われた実験の記録

【学級担任日誌】
記載者  :森下明文
所属   :静岡県立安久中学校
     :学校運営委員
担当学級 :2年2組
授業年月日:10月6日(木曜日)
出席生徒数:28名
欠席生徒数:なし
早退生徒数:なし
――――――――――
特記要項:午前に通常授業を行い、午後に他クラスの補修を担当した。しかし補修の後処理が想像以上に長引いてしまったため、帰りのHRは中野先生にお願いした。

感想等:午後に担当した補修において、思いがけぬトラブルが起こってしまった。今日の補修においては、認知機能や記憶力等の向上をもたらす薬剤、いわゆるスマートドラッグの投与を実験的に行ったのだが、想定以上に副作用が強く現出してしまい、実験を途中で中止せざるを得なくなってしまった。しかし当該薬剤は非常に短い時間で最高血中濃度に到達し、それでいて体内消失半減期が非常に長い性質を持つため、途中で中断しても副作用の消失が見られず、当該生徒はみるみる廃人のようになっていってしまった。おそらく、脳内の神経伝達回路を体内限界を超えて過剰に活発化させてしまい、不可逆的に脳内機能が失われてしまったものと思われる。
その後別室にて、山本先生指示のもと考えられうるあらゆる対応を行ったものの、副作用によってもたらされた脳内障害の影響は大きく、その後当該生徒が意識を戻すことはなかった。当該事象に関し、運営委員にはすでに報告済み。製薬メーカーにも有害事象の発生案件として報告を行った。その際メーカーから、自社の方で詳しく調査、追実験を行いたいため、当該人物の肉体を提供してほしいという依頼があった。こちらとしては断る理由もないので、その提案に乗ることとし、そのまま肉体の搬送を行った。それに伴い、当該生徒の存在は校内行方不明者として取り扱い、所在については”死後実験体”と記載を行った。