部屋の前に立ち、扉をノックする。事前に家に行くと伝えていたので、すぐにどうぞーと返ってきた。
扉を開けると寝転んでいただろう莎菜が、ベッドの上に起き上がる。慌てて髪の毛をささっと手で整えるのを見て、ふっと微笑んだ。
「寝てた?」
「寝てたって言うか、寝転んでた」
「何かしてたの?」
「んー、特に。ごろごろしながら、スマホ見ていただけだよ」
そっかと言って、ベッドの前に座る。縁にあった莎菜の右手を取った。
「体調の方はどう?」
「朝に比べると、だいぶ良くなったよ。咳も治まってきたし」
「それならよかった。明日は? 学校に行けそう?」
「うん。このまま何もなければ行けると思う」
「じゃあそのつもりでいるね。でも、また明日の朝にLINEだけ送って欲しいな」
「分かった」
いつもありがとうねと微笑む彼女に、いーえと答える。
学校を休んでいたと言うことで、パジャマ姿の彼女は、普段見るのが制服か私服なので新鮮さがある。
リボンの柄の白いパジャマをゆるっと着て、少し胸元が開いている格好はあまりに無防備。
俺を信じてのゆるさなのか、はたまた気にしていないのか――。若干の試されている感があった。
それを紛らわす為にも、莎菜の手をぎゅっと握る。小さく白い手は、温かくて柔らかい。
手の甲をすりと親指で撫でると、愛しさに莎菜が照れたように笑う。その顔が堪らなく可愛い。
「莎菜」
名前を呼んで、少し右手を引く。すると意図を汲み取った莎菜が、ベッドから下りた。俺の隣にそっと座り直す。
右手に触れていた手を頬に添えると、自然と唇が重なった。
長く。長く。
微かにリップ音が鳴って、またキスをする。
時が止まったかのような触れ合いに、静かに顔を離す。顔を真っ赤にさせて、莎菜が下を向いた。
「――パパ~。おかえり~」
下からバタンと扉が閉まる音がして、次に維織の声が聞こえる。どうやらお父さんが帰ってきたみたいだ。
ふたりだけの甘かった雰囲気に、日常が混ざり込む。これ以上は――と、莎菜を抱き締めた。
「また。明日」
「うん」
小さく答えて、顔を胸の中に埋めてくる。細い体からドキドキ鳴っている鼓動が伝わってきて、好きと言う気持ちが募る瞬間でもあった。
「お邪魔しました」
リビングにいたお母さん達に挨拶をして、莎菜に見送られながら池田家を出た。
扉を開けると寝転んでいただろう莎菜が、ベッドの上に起き上がる。慌てて髪の毛をささっと手で整えるのを見て、ふっと微笑んだ。
「寝てた?」
「寝てたって言うか、寝転んでた」
「何かしてたの?」
「んー、特に。ごろごろしながら、スマホ見ていただけだよ」
そっかと言って、ベッドの前に座る。縁にあった莎菜の右手を取った。
「体調の方はどう?」
「朝に比べると、だいぶ良くなったよ。咳も治まってきたし」
「それならよかった。明日は? 学校に行けそう?」
「うん。このまま何もなければ行けると思う」
「じゃあそのつもりでいるね。でも、また明日の朝にLINEだけ送って欲しいな」
「分かった」
いつもありがとうねと微笑む彼女に、いーえと答える。
学校を休んでいたと言うことで、パジャマ姿の彼女は、普段見るのが制服か私服なので新鮮さがある。
リボンの柄の白いパジャマをゆるっと着て、少し胸元が開いている格好はあまりに無防備。
俺を信じてのゆるさなのか、はたまた気にしていないのか――。若干の試されている感があった。
それを紛らわす為にも、莎菜の手をぎゅっと握る。小さく白い手は、温かくて柔らかい。
手の甲をすりと親指で撫でると、愛しさに莎菜が照れたように笑う。その顔が堪らなく可愛い。
「莎菜」
名前を呼んで、少し右手を引く。すると意図を汲み取った莎菜が、ベッドから下りた。俺の隣にそっと座り直す。
右手に触れていた手を頬に添えると、自然と唇が重なった。
長く。長く。
微かにリップ音が鳴って、またキスをする。
時が止まったかのような触れ合いに、静かに顔を離す。顔を真っ赤にさせて、莎菜が下を向いた。
「――パパ~。おかえり~」
下からバタンと扉が閉まる音がして、次に維織の声が聞こえる。どうやらお父さんが帰ってきたみたいだ。
ふたりだけの甘かった雰囲気に、日常が混ざり込む。これ以上は――と、莎菜を抱き締めた。
「また。明日」
「うん」
小さく答えて、顔を胸の中に埋めてくる。細い体からドキドキ鳴っている鼓動が伝わってきて、好きと言う気持ちが募る瞬間でもあった。
「お邪魔しました」
リビングにいたお母さん達に挨拶をして、莎菜に見送られながら池田家を出た。

