君の放つアルテミスの矢が、僕の胸を貫いた


「なぁ、今夜って流星群が見られるらしいぜ! イブに流れ星とか凄くねぇ?!」
 陰った気分のまま部室へ入ると、米倉達が騒いでいた。先に来ていたのか、妙に教室では静かだと思ったら既にクリスマス会モードなのか。星に興味があるのが意外だったけど、ニュースで繰り返し報道されたら当然の反応だろう。僕は黙ってベンチの端に座ると、
「そうなのか。いいな、皆で天体観測ってのも」
 太谷が食いついた。教室に運ぶコーチングボードとマーカーを抱えながら続ける。
「たまにはいいよな、星とか月眺めるのも気分が変わって。今朝のニュースだも、ど九時くらいからがピークらしい。決起会は、校舎の閉まる六時までには終わらせないといけないから⋯⋯、流石にそれまで間が空くし、夜遅いと一年生とか門限ある奴もいると思うから、自由参加の二次会にしよう。どうだ、皆?」
「異議なーし!」
 良かった⋯⋯。六時までには解放される。
 一斉に手が上がる中、僕は隠れて胸をなで下ろす。
 いつも通り用事があると誤魔化して途中で消えよう。望月はきっと夕暮れあたりには矢川に来ているはずだから、先に落ち合って事情を話せばいい。
 さっき無視したのも、少し表情が暗かったのも気のせいだよな⋯⋯?
 ふと、教室で引き留めた望月が脳裏に浮かぶ。
 まるで僕が見えていないみたいだった。いくら教室では周りに悟られないように警戒していたのだとしても、ひどく他人行儀だった。クラスメイトから哄笑を受けている僕に小さく頷いたり、河川敷で言葉無くても伝わり合ったりしたのが嘘みたいに――無視、に近かった。
 柘植さんとのことを察知してくれたんだろうか。分からない。