朽和水城。
そのキャラクターの名前に辿り着いたことを紗奈に報告しようとすると、LINEが来ていた。彼女は彼女で、蛍の使っていたスマホ、その実物を手に入れたらしい。
手帳を開いて日にちを数えてみると、紗奈が蛍の叔母さんの家に行くと言ってから一週間が経っていた。

だが、どうやら肝心のロックが開かないらしい。
記憶が間違っていなければ、蛍が失踪する直前に使っていたのは当時、私が使っていた機種と同じ――iPhone7。指紋認証がまだ現役で搭載されていた機種だ。それなら私がロック解除できるはず。
そっちに蛍のスマホを送ってもいいかと尋ねる紗奈に、いいよとスタンプで返す。するとできるだけ早く送る、というメッセージが返ってきた。
私が蛍のスマホのロックを解除できる理由。――それはひどく簡単なことだ。
あまり大きな声で言えた話ではないが、私と紗奈はそれぞれのスマホにお互いの指紋を登録していた。あの頃はまだバーコード決済なんてほとんど使われていなかったし、私も蛍もクレジットカードは所持していたものの、スマホには登録していなかった。だから万が一のために、ということでお互いに登録していたのだ。ふと紗奈の指紋はなんで登録していなかったんだっけ、と考えて、そういえば彼女がAndroidユーザーだったことを思い出す。彼女はXperiaを好んで使っている。今もそうだ。紗奈は「iPhoneに不慣れだからふたりのスマホに登録するのはやめておく。万が一があっても、あたしじゃ何も役に立たないし」と言っていたっけ。いや、そうでなくても、常識的に考えれば他人の指紋なんてスマホに登録しない方が良いはずだ。実際、紗奈は指紋認証のできるスマホを使い始めても、私や蛍に登録させなかった。それが当たり前だ。
あの時は考えも青くて若かったな。いや、馬鹿だったのかな。
そう思いながら、紗奈に対し、「届くの待ってるね」と一言添えた。
そのキャラクターの名前に辿り着いたことを紗奈に報告しようとすると、LINEが来ていた。彼女は彼女で、蛍の使っていたスマホ、その実物を手に入れたらしい。
手帳を開いて日にちを数えてみると、紗奈が蛍の叔母さんの家に行くと言ってから一週間が経っていた。

だが、どうやら肝心のロックが開かないらしい。
記憶が間違っていなければ、蛍が失踪する直前に使っていたのは当時、私が使っていた機種と同じ――iPhone7。指紋認証がまだ現役で搭載されていた機種だ。それなら私がロック解除できるはず。
そっちに蛍のスマホを送ってもいいかと尋ねる紗奈に、いいよとスタンプで返す。するとできるだけ早く送る、というメッセージが返ってきた。
私が蛍のスマホのロックを解除できる理由。――それはひどく簡単なことだ。
あまり大きな声で言えた話ではないが、私と紗奈はそれぞれのスマホにお互いの指紋を登録していた。あの頃はまだバーコード決済なんてほとんど使われていなかったし、私も蛍もクレジットカードは所持していたものの、スマホには登録していなかった。だから万が一のために、ということでお互いに登録していたのだ。ふと紗奈の指紋はなんで登録していなかったんだっけ、と考えて、そういえば彼女がAndroidユーザーだったことを思い出す。彼女はXperiaを好んで使っている。今もそうだ。紗奈は「iPhoneに不慣れだからふたりのスマホに登録するのはやめておく。万が一があっても、あたしじゃ何も役に立たないし」と言っていたっけ。いや、そうでなくても、常識的に考えれば他人の指紋なんてスマホに登録しない方が良いはずだ。実際、紗奈は指紋認証のできるスマホを使い始めても、私や蛍に登録させなかった。それが当たり前だ。
あの時は考えも青くて若かったな。いや、馬鹿だったのかな。
そう思いながら、紗奈に対し、「届くの待ってるね」と一言添えた。

