トバに言われてゲッカはカバンの中から一枚の写真を出すと、カツイに向けて置いた。
「?」
二人は同時に写真をのぞきこむ。そこに写っているのは、黒髪のゲッカと同い年位の少女だった。
「呉林花乃。ぼくの大切な人です」
そう言って、ゲッカは微笑む。
少女の写真を見て、カツイは息をのんだ。似てる――この子。そんなカツイの変化を読み取ったかのように、ゲッカはカツイの顔を下からのぞきこむようにして見上げた。
「何か不都合ですか?」
「いや……どうだろう」
そう言ってカツイはトバを見る。自分の意志で家出するのであっても、親から見ればカツイ達のする事は誘拐にあたるだろう。二年前、トバが家出をした時もそうだった。トバは三年前に心に負った深い傷で、感情のない人間同然だった。そのトバをカツイ達の言う「あの人」が、カツイと共に家から連れ出した。
誘拐された訳ではなく、カツイ達についていったのは、トバの意志であった為、警察はトバを見つける事ができなかった。
しかし子ども達だけで転校手続きを取るのは不可能である。それでも、カツイやトバの転校ができたのには大きな秘密がある。そしてやがてトバは、転校先からの連絡で、親に居場所がバレ、二年前ちょっとした事件が起こったのである。
「それだったら、僕があの人に連絡しとくよ」
カツイの真鍮を察して、トバはそう声をかける。二人の会話に度々出現する「あの人」の存在にゲッカは多少疑問を抱いていた。
「?」
二人は同時に写真をのぞきこむ。そこに写っているのは、黒髪のゲッカと同い年位の少女だった。
「呉林花乃。ぼくの大切な人です」
そう言って、ゲッカは微笑む。
少女の写真を見て、カツイは息をのんだ。似てる――この子。そんなカツイの変化を読み取ったかのように、ゲッカはカツイの顔を下からのぞきこむようにして見上げた。
「何か不都合ですか?」
「いや……どうだろう」
そう言ってカツイはトバを見る。自分の意志で家出するのであっても、親から見ればカツイ達のする事は誘拐にあたるだろう。二年前、トバが家出をした時もそうだった。トバは三年前に心に負った深い傷で、感情のない人間同然だった。そのトバをカツイ達の言う「あの人」が、カツイと共に家から連れ出した。
誘拐された訳ではなく、カツイ達についていったのは、トバの意志であった為、警察はトバを見つける事ができなかった。
しかし子ども達だけで転校手続きを取るのは不可能である。それでも、カツイやトバの転校ができたのには大きな秘密がある。そしてやがてトバは、転校先からの連絡で、親に居場所がバレ、二年前ちょっとした事件が起こったのである。
「それだったら、僕があの人に連絡しとくよ」
カツイの真鍮を察して、トバはそう声をかける。二人の会話に度々出現する「あの人」の存在にゲッカは多少疑問を抱いていた。



