「遅刻、遅刻~!」
駅までの道を猛ダッシュ!
新学期早々遅刻するわけにはいかない!
全速力で走って、ギリギリセーフのところで電車に飛び乗った。
はぁ~なんとかギリで間に合いそう。
やっと落ち着いて、呼吸を整える。
それにしても、すごい人、人、人。
これが朝の通勤、通学ラッシュってやつなのね…。
今日から憧れの女子高生、電車通学なんて思ってたけど、現実はこんなものだよね。
身長145センチしかないチビのわたしは、この人混みにつぶされそうだ。
これから毎日このラッシュと闘わなくちゃいけないのかと思うと今からユーウツになる。
周りの人に押されながら電車に揺られて、やっと最寄り駅に着いた。
さぁ降りなきゃ!
と思ったけど、周りをスーツ姿の背の高いおじさんに囲まれてなかなか動けない。
みんな全然どいてくれない。
「ドアが閉まります」
車掌さんのアナウンスが聞こえる。
やばいっ!どうしよう!と思ったその時、突然横から誰かに手を掴まれた。
そして、
「すみません、降ります」
上から大きな声が聞こえて、周りの人がやっとどいて道を開けてくれた。
降りた瞬間、発車ベルが鳴ってドアが閉まった。
「危なかったなぁ」
不意に声が聞こえて顔を上げると、隣に男の子がいた。
この男の子が降りるの助けてくれたんだ。
背が高くて明るい茶髪のクールな顔立ちの男の子で、かなりのイケメンだ。
……って見とれてる場合じゃない!
「あ、あの、ありがとうございました!」
わたしは男の子に頭を下げてお礼を言うと、改札へ向かってダッシュした。
なんとか間に合って自分の教室へ入った。
席は出席番号順になっているようで、わたしの席は一番廊下側の一番後ろの席。
鞄を机の横にかけてホッと一息。
なんだか今日は朝から走ってばかりだな。
なんて思いながらボ~っとしていたら、クラスの女の子たちが急に騒ぎ始めた。
不思議に思って見てみると、わたしの目に映ったのは今朝電車で会った男の子!
うそ、同じ学校の子だったの!?
しかも、こっちに向かって歩いてきてない?
男の子は、わたしの前に来て立ち止まると「間に合って良かったね」と微笑んで、そして自分の席に着いた。
「ちょっと篠宮さん、日生くんと知り合い!?」
その直後、わたしの前の席に座っている女の子が声をかけてきた。
「いや、知り合いっていうほどでは……」
さっき初めて会ったばかりだし。
「日生くんって中学時代からカッコイイって人気あるんだよ~」
「そうなんだ」
まぁ、確かにカッコイイよね。
でも、なんだかチャラ男っぽいし、女の子の扱いに慣れてそうだし。
わたしと関わりなさそうなタイプだろうな。
チラッと日生くんの方を見たら、バッチリ目が合ってまた笑いかけられた。
* * *
爽やかな風が心地よい4月半ば。
どこからかウグイスの鳴き声が聞こえる。
「のどかだねぇ~」
のんびり呟いたのは、わたしの前の席に座っていたことがきっかけで仲良くなった佐神 流風ちゃん。
身長155センチのオシャレ大好きな女の子。
「今日はピクニック日和だね」
流風ちゃんの隣でそう言ってお弁当を広げたのは美原 伊吹ちゃん。
流風ちゃんと中学時代からの友達で、一緒の高校に合格して同じクラスになったらしい。
身長165センチでスタイルが良くて、ストレートロングの大人っぽくてキレイな女の子。
高校生になって1カ月が過ぎて、わたしはこの2人と特に仲良くなった。
最近はこうして3人で中庭でお弁当を食べてる。
「咲姫の卵焼きもーらいっ」
「あ~っ流風ちゃん勝手に取らないでよ~」
「ふたりとも、何小学生みたいなことしてるの」
3人で話していたら、突然、渡り廊下の方から女の子何人かの黄色い歓声が聞こえた。
「なにごとっ!?」
声がした方へ視線を向けると……
「日生くん~」
「玲央くん~」
女の子たちの歓声を受けていたのは、今や校内一のモテ男子と言っても過言ではない日生くんだった。
「日生くん、やっぱり高校でもモテてるねぇ~」
流風ちゃんと伊吹ちゃんは中学が日生くんと同じ学校で、彼の人気ぶりをよく知っている。
「確かにカッコイイとは思うけど……な~んかなぁ」
わたしが何気なくつぶやくと、
「日生がモテるのは、ただカッコイイからじゃないのだよ、篠宮くん」
流風ちゃんが人差し指をわたしの顔の前で振って言った。
その口調と仕草は一体誰の真似よ?
「日生は、一見クールだけど喋るとかなり天然なの。そのギャップに女の子たちはキュンとくるわけよ」
「あ、そう」
‘’キュンとくるわけよ”とか言われても、わたしにはイマイチよくわからない。
「う~わ、全然興味なさそうだね」
「うん」
はっきり言って、男の子の話にはあまり興味がない。
「彼氏ほしいなぁとか思わないの?」
「別に……」
「もったいないな~。咲姫、結構カワイイって言われてるのに」
「それって、“ちっちゃくてカワイイ”ってことじゃないの?」
「うん、そうかもね」
「うわ、あっさり」
そこは友達として否定しようよ。
「でも、女のコは小さい方がカワイイと思うよ? わたしは逆に大きいから小さい子羨ましいけどな」
さりげなくフォローしてくれた伊吹ちゃん。ナイス!
「でもね、背が小さいのと天パーは好きじゃないんだよね。小さい時、男子にからかわれてたから」
「そうなの?」
「うん。小学生の頃 “チビのくるくるパー”って言われて……」
忘れもしない、小学校低学年の頃のこと。
幼稚園の時から同じクラスだったいわゆる幼なじみの男の子に、いつも「チビのくるくるパー」って言われてた。
だから、あの頃からずっと背が小さいことも天然パーマもコンプレックスなんだ。
「それで咲姫クラスの男子ともほとんど話してないの?」
「そう」
男子とは必要最低限にしか関わらない。
だから、彼氏とか恋愛とかわたしには無縁な気がするんだ。
「もったいないな~せっかく共学なんだし青春しなきゃ!」
「って言われてもね~わたしには好きとか恋とかよくわかんないし……」
そもそも男子とは関わるの苦手だし。
「そう言ってても、恋はある日突然落ちるものなんだからね。わかんないよ~」
妙に大人びた口調でいう流風ちゃん。
もしかして、経験者?
「伊吹ちゃんもそう思う?」
「うん。好きになるのはふとした瞬間だと思うから」
またしても経験者らしきお言葉。
「……そっか」
やっぱりわたしにはよくわからないな。
なんて思っていたのに、わずか数週間後にその瞬間が訪れるとは思っていなかったんだ―。
* * *
高校生活にも慣れてきて、クラスのみんなにも馴染み始めてきた4月の終わり。
わたしは相変わらず日生くんを含め男子とはほとんど話していない。
そんな、ゴールデンウィーク直前のある日の放課後。
「届かない~」
日直のわたしは、担任の先生に頼まれて掲示物の貼り替えをしようとしてるんだけど。
チビゆえにイスの上に乗ってもまだ目的の場所に手が届かない。わたしと一緒に日直のはずの須賀くんは部活に行っちゃったし。
流風ちゃんも部活見学に行っちゃっていないし。
明日から休みだからか、帰宅部の子達もみんなさっさと帰っちゃって、教室にはわたし以外誰もいない。
「はぁ…」
思わずため息が出る。
背が低いと、こういう時ホントに不便だ。
そんなことを思っていたら、突然教室のドアが開いた。
中に入ってきたのは……。
「日生くん?」
「篠宮? 何してんの?」
「あ…日直だから先生にこれ貼るの頼まれたんだけど、届かなくて……」
やっぱり男子と話すのはちょっと緊張するな。
「貸して」
「えっ?」
日生くんはわたしの手から紙を取ると、いとも簡単に貼り替えた。
「……あ、ありがとう」
「篠宮ってホントにちっちゃいんだな」
いきなり禁句きたよ。
「悪かったね。好きでチビなんじゃないもん! そのせいでいつも“チビのくるくるパー”って言われて、ホントにイヤなんだから……」
……ってわたしなに言ってるんだろう。
こんなこと日生くんに言ってもなんにもならないのに。
思わずグチってしまったことが恥ずかしくなって、わたしはうつむいた。
「なんで? かわいいのに」
……え? “かわいい”??
全く予想していなかった言葉に驚いて顔を上げると、
「男からしたら、ちっちゃい方がかわいいと思うよ」
日生くんは人懐っこそうな笑顔を浮かべて言った。
……あれ?
今、胸の奥が締め付けられるような感じがした。
「それにほら、なんだっけ。“やまこしょうはひりひりからい”とか言うじゃん?」
……??
何を言っているのかわからなくて、頭の中に?マークが飛び交う。
……え~っと。数秒考えてから、ある言葉が浮かんだ。
「もしかして、“山椒は小粒でもぴりりと辛い”のこと?」
「あ、そうそう、それ」
「言葉全然違うよね?」
覚え間違えしてるのか、言い間違えたのか……。
もしかして、これがウワサの天然ボケ?
だとしたら、ホントにクールな外見に似合わないキャラだ。
おかしくて思わず笑いがこみあげる。
「なに笑ってんの?」
「だって、日生くんホントに天然なんだね」
「天然言うな!」
まだ笑いが止まらないわたしの頭を、日生くんが軽く手で小突いた。
……あれ?
また胸がドキドキしてる気がする。
「……ってこんな話してる場合じゃねぇんだ。オレ、バスケの試合抜けて来たから」
「あ、そうなの?」
そういえば、日生くんジャージ姿だ。
「着替え取りに来ただけからもう行くわ」
「あ、うん……」
日生くんは自分の机の上に置いてあった袋を取ると、教室を出て行った。
教室にはわたしひとり。
急に静かになって、時計の針の音が響く。
窓の外から、部活をしている人たちの声が聞こえる。
ビックリした。
あんなに日生くんと話したの初めてだ。
まだ心臓がドキドキしてるし、頬も熱い。
なんだろう、これ。
わたし、さっきからなんでこんなにドキドキしてるの?
珍しく男子と話したから?
男子に「かわいい」って言われたから?
高鳴る鼓動に戸惑ったまま、わたしはしばらく教室の中ひとりで立ち尽くしていた。
そして、なぜか突然頭の中にふっと、流風ちゃんの言葉が浮かんだ。
“恋はある日突然落ちるものなんだからね”
【side 玲央】
高校入学初日。
遅刻ギリの時間で目覚めて、眠い目をこすりながら電車に乗ったら……。
なんだよ、このラッシュ。
うんざりしながら何気なく周りを見ると、ふとある人物に目がいった。
スーツ姿のオヤジに囲まれて、苦しそうにこのラッシュに耐えている女の子。
かなり小さくて周りの人に埋もれている。
あれはしんどいだろうな。
中学生くらいか?と思ったら、俺と同じ高校の制服を着ている。
ってことは、あの小ささで高校生なのか。
なんて思っていたら、最寄駅に着いた。
あの子も多分同じ駅だよな?思って降りようとしたら、案の定女の子は人に囲まれて降りられない。
「ドアが閉まります」
アナウンスが流れる。
「すみません、降ります」
見かねた俺は、その女の子の手を引っ張って大きな声を出した。
やっと周りの人がどいて、なんとか電車から降りられた。
「危なかったなぁ」
俺がつぶやくと、女の子は一瞬俺を見上げた。
……うわ、ほんとに小さいな。
すぐ隣だと、さらに小さく感じる。
「あ、あの、ありがとうございました!」
女の子は頭を下げてお礼を言うと、改札に向かって猛ダッシュしていった。
(がんばれ)
一生懸命走ってる姿がなんだかかわいらしく見えた。
……って俺も遅刻ギリギリなんだ。
慌てて学校に向かい、自分のクラスを確認して教室に入る。
その瞬間、教室にいた女子が騒ぎ始めた。
朝からなんなんだよ。
俺はアイドルじゃないんだけど。
うんざりしながら自分の席へ向かう途中、見覚えのある女の子の顔が見えた。
さっきの子だ。
同じ学校なのは制服でわかってたけど、同じクラスだったんだ。
「間に合って良かったね」
笑顔で声をかけて席に着いた。
「ちょっと篠宮さん、日生くんと知り合い!?」
「いや、知り合いっていうほどでは……」
2人の会話が聞こえる。
名前、篠宮さんっていうのか。
「日生くんって、中学時代からカッコイイって人気あるんだよ~」
「……そうなんだ……」
さっきから会話丸聞こえなんですけど。
もう一度、篠宮さんの方を見ると、彼女もこっちを見て目が合った。
さりげなく笑いかけてみると、少し戸惑ったように目をそらした。
なんか、今まで周りにいた女子とは違うタイプかも。
* * *
昼休みを告げるチャイムが鳴るとすぐ、俺は教室を出る。
そうしないと、机を女子に囲まれて弁当攻撃が始まるからだ。
向かった先は購買部。
親が仕事で忙しくて弁当を作る時間がないから、いつも適当に買って済ませてる。
それを知った俺のファンらしき女子が我先にと手作り弁当を持ってくるようになったんだけど、正直困る。
誰かひとりのだけもらうわけにもいかないし。
そんなことを思いながら廊下を歩いていたら、中庭にいるある女子に気づいた。
同じクラスの篠宮だ。
俺と同じ中学だった佐神と美原と一緒に楽しそうに弁当を食べてる。
篠宮とは、入学式の日以来ほとんど話してない。
というより、篠宮は俺だけじゃなくクラスの男子とほとんど話さない。
人見知りなのかと思っていたけど、どうやらあの様子を見ると、そういうわけでもなさそうだ。
クラスの男子の間では、「小さくてふわふわした雰囲気が可愛い」と言われてるけど、当の本人はなぜか男子とは必要以上に話さないし、関わろうとしない。
だから、篠宮ともっと話してみたいと思っているヤツが多い。
実は、俺もそのひとりだったりする。
入学式の日、偶然電車で会った時から、なんとなく気になってるんだ。
「キャ~!」
突然聞こえた甲高い声に、ハッと我に返った。
気がつくと、購買部への通り道になっている渡り廊下で、女子が数人目の前にいた。
「日生く~ん」
「玲央く~ん」
まるでアイドルを見ているような目をして、俺の名前を呼ぶ。
「ごめん、急いでるから」
そう言って、俺はそのまま歩き出した。
こうして昼休みに騒がれるのも、中学時代から。
カッコイイと言われて嬉しくないと言えばウソになるけど、あまり騒がれるのは、はっきり言って面倒だ。
俺に近寄ってくる女子は、だいたい自分で自分のことを可愛いと思ってるようなやつばっかりだし。
騒々しいし、ミーハーで、イケメンだと思ったらすぐ仲良くしたがる。
中学時代、来るもの拒まずで何人か付き合った子もいたけど、結局誰とも長続きはしなかった。
本気で誰かを好きになったこともなかった。
でも、その時は突然訪れたんだ―。
4月の終わりの放課後。
バスケ部に勧誘されて、練習試合に出ることになった。
練習試合とは言え、真剣勝負でやってたら汗ビッショリだ。
1試合終わったところで、教室に置いてある体操着に着替えようと、自分のクラスの教室へ戻ってドアを開けると……。
「日生くん?」
誰もいないだろうと思っていたのに、教室には篠宮がいた。
「……篠宮? 何してんの?」
「日直だから先生に頼まれてこれを貼ろうとしてるんだけど、届かなくて……」
そう言った篠宮の手には、掲示物の紙。
そして、掲示物を貼る場所は、確かにイスに乗っても篠宮の身長では届かない高さだった。
教室には篠宮以外誰もいない。
もしかして、届かなくてずっと困ってたのか?
「貸して」
「えっ?」
俺は篠宮が持っていた紙を取ると、そのまま貼り替えた。
「……あ、ありがとう」
助かった、と言うようにホッとした表情でお礼を言われた。
それにしても、イスに乗っても届かないってことは……。
「篠宮って、ホントにちっちゃいんだな」
思わず口にした言葉に、篠宮が一瞬眉をひそめた。
やばい、禁句だったかな。
「悪かったね。好きでチビなんじゃないもん! そのせいでいつも“チビのくるくるパー”って言われて、ホントにこのチビと天パーはイヤなんだから……」
少し拗ねたように頬を膨らませて言う篠宮。
そして、ハッとしたように顔を下に俯けた。
普段ほとんど男子と喋らないから、緊張してるのかな。
でも、男子とほとんど話さないのは過去にからかわれてイヤな思いをしたからだったのか。
だとしたら……。
「……なんで? かわいいのに」
俺が言った一言が予想外だったのか、篠宮は驚いたように顔を上げた。
「男からしたら、ちっちゃい方がかわいいと思うよ」
きっと、からかうのは“可愛い”っていう気持ちの裏返しだ。
実際、うちのクラスの男子は“小さくてふわふわしてて可愛い”って言ってるし。
「それにほら、なんだっけ。やまこしょうはひりひりからいとか言うじゃん?」
小さくてもバカにできないとかそんな様な意味の言葉。
励ますつもりで言ったのに、篠宮はきょとんとした表情で首を傾げている。
「もしかして、山椒は小粒でもぴりりと辛いのこと?」
数秒の沈黙の後、篠宮が思いついたように言った。
「あ、そうそうそれ」
「全然言葉違うよね」
う~ん……まぁ、たしかに。
俺、なんとなく響きで覚えてあまり考えないで言うし。
それで天然とか言われんのかな。
そんなことを思っていたら、突然篠宮が笑いだした。
「なに笑ってんの?」
「だって……日生くん、ホントに天然なんだね」
うわ、やっぱり言われたか。
「天然言うな!」
笑ってる篠宮の頭を、軽く手で小突く。
一瞬手が篠宮の髪に触れて、柔らかな感触がした。
そして、初めて間近で見た篠宮の笑顔。
……やばい。可愛すぎる。
「……ってこんな話してる場合じゃねぇんだ。俺、バスケの試合抜けて来たから」
すっかり忘れてた。
「あ、そうなの?」
「着替え取りに来ただけからもう行くわ」
「あ、うん……」
ホントはもう少し話していたいけど、バスケ部の先輩たちをあまり待たせるのも悪いしな。
俺は名残惜しい気持ちを抑えて、机の上に置いてあった袋を取ると教室を出た。
あんなに篠宮と話したの、初めてだ。
やっぱり、いつも俺に近寄ってくる女子とは全然違う。
話してると、なんていうか…ほんわかした気分になる。
それに、初めて間近で見た笑顔、可愛すぎた。
今まで、こんな気持ちになったことなんてなかった。
もっと、篠宮と話したい。
もっと、あの笑顔が見たい。

