ゴシップ記事の当日には軍から新聞各社に誤報であると苦情を入れたが黙殺された。
颯雅の人の姿は衝撃とともにご婦人方の心をつかみ、彼の写真が載った新聞は飛ぶように売れた。
一週間たった今でも熱は冷めやらない。
一方、同じ紙面を賑わすのは犬のあやかしの増加。軍が対処しているが、今まで以上に増えている。
綾月家でも取っているあきつしま新聞だけがゴシップに疑問を呈し、報道に対する軍の抗議を大きく扱っている。
巻き添えを食らわせたくないという颯雅の配慮で、燈子は最初のゴシップ記事以降、駐屯所への出勤を控えている。駐屯所の前にはたくさんの記者が詰めていて、颯雅と一緒に出勤すれば囲まれるのが目に見えている。
だから大仰な家具のそろったリビングで新聞を読んでいるのだが、まったく心は落ち着かない。
守ろうとしてくれているのはわかる。
配慮はありがたいしこんな風に新聞に書かれるのは怖いが、だけどこうして匿われていては自分の存在価値がないのではないだろうか。
颯雅が人の姿をとれる今は通訳が必要ないし、犬の世話はもともと燈子がいなくても成り立っていたのだし、ますます自分の存在意義がわからなくなる。
そんな燈子の足元にはシロマツが寝そべっている。
家にこもっていてはやることがない、とこぼした燈子のために颯雅が連れてきたのだ。世話をしていれば暇もつぶれるだろう、と。
確かに最初ははしゃいだ。
「シロマツ、来てくれてありがとう!」
と言ったら颯雅が、
「俺に礼はないのか」
とすねたのも面白かった。
颯雅の人の姿は衝撃とともにご婦人方の心をつかみ、彼の写真が載った新聞は飛ぶように売れた。
一週間たった今でも熱は冷めやらない。
一方、同じ紙面を賑わすのは犬のあやかしの増加。軍が対処しているが、今まで以上に増えている。
綾月家でも取っているあきつしま新聞だけがゴシップに疑問を呈し、報道に対する軍の抗議を大きく扱っている。
巻き添えを食らわせたくないという颯雅の配慮で、燈子は最初のゴシップ記事以降、駐屯所への出勤を控えている。駐屯所の前にはたくさんの記者が詰めていて、颯雅と一緒に出勤すれば囲まれるのが目に見えている。
だから大仰な家具のそろったリビングで新聞を読んでいるのだが、まったく心は落ち着かない。
守ろうとしてくれているのはわかる。
配慮はありがたいしこんな風に新聞に書かれるのは怖いが、だけどこうして匿われていては自分の存在価値がないのではないだろうか。
颯雅が人の姿をとれる今は通訳が必要ないし、犬の世話はもともと燈子がいなくても成り立っていたのだし、ますます自分の存在意義がわからなくなる。
そんな燈子の足元にはシロマツが寝そべっている。
家にこもっていてはやることがない、とこぼした燈子のために颯雅が連れてきたのだ。世話をしていれば暇もつぶれるだろう、と。
確かに最初ははしゃいだ。
「シロマツ、来てくれてありがとう!」
と言ったら颯雅が、
「俺に礼はないのか」
とすねたのも面白かった。



