婚約者は狼神!? 帝国の守護神の通訳として雇われた私、なぜか溺愛されてます!

「これからいくらでも幸せにしてやる。覚悟しておけ」
「はい」
 燈子の返答に颯雅は満足そうに頷き、懐に手を入れた。
 ビロードのケースを取り出してふたを開け、中の指輪をつまみあげる。

「左手を出せ」
 燈子が言われるままに手を出すと、薬指に指輪をはめる。

「きれい……!」
 燈子は思わず見とれた。
 透明な宝石にりんごの花のようにピンク色が混じり、日を浴びたそれはきらきらと光をこぼす。

「通常のダイヤにピンクダイヤが混ざった珍しい石だそうだ。気に入ったか」
「はい! こんな高価なもの……ありがとうございます」

 陶然と高揚する燈子に颯雅はふっと笑った。
 彼女の頬に手を伸ばし、彼のほうを向かせる。

 手の温かさに、どきりと燈子の心臓が鳴った。
 導かれるままに寄り添うと、彼は近づけた顔を傾ける。

 燈子がどきどきと目を閉じると、優しい感触が唇に触れた。
 青空の下、白い花々は祝福するようにそよそよと風に揺れていた。