「真世が逮捕されました。このままじゃ会社にも悪評が飛んでつぶれてしまいます。どうかご助力ください」
「真世は被害者ですのに」
ソファの麻子は着物のたもとで口元を隠す。
燈子の中にいろんな感情が渦巻いた。
父の眼中に自分はなく、あきらめていたはずなのに胸がきりきりする。相変わらず悲劇の主人公気取りだし、麻子も麻子でお願いに来た人間の態度とは思えない。しかも実の娘より世間体を心配しているように見える。
「娘より保身か。あきれたものだ」
颯雅は嫌悪を隠さず吐き捨てる。
「か、会社がなくなれば娘も困るので……」
「目の前にも被害を受けた娘がいるのに、一言もないとはな」
正雄ははっとしたように顔をあげ、それから燈子に頭を下げる。
「燈子、お前が警察に真世は被害者だと証言してくれ」
燈子はめまいを感じ、こめかみに手を当てた。
「ふざけるな!」
颯雅の怒声に、正雄と麻子がびくっとする。
「燈子を虚仮にするにもほどがある。お前たちを助けることは一切ない!」
「そ、そこをなんとか」
「燈子、お前からもなんとかお言い。あのりんごの木を切るわよ。大切なんでしょ」
燈子の口元が怒りでゆがんだ。
この期に及んで脅してくるなんて。
「真世は被害者ですのに」
ソファの麻子は着物のたもとで口元を隠す。
燈子の中にいろんな感情が渦巻いた。
父の眼中に自分はなく、あきらめていたはずなのに胸がきりきりする。相変わらず悲劇の主人公気取りだし、麻子も麻子でお願いに来た人間の態度とは思えない。しかも実の娘より世間体を心配しているように見える。
「娘より保身か。あきれたものだ」
颯雅は嫌悪を隠さず吐き捨てる。
「か、会社がなくなれば娘も困るので……」
「目の前にも被害を受けた娘がいるのに、一言もないとはな」
正雄ははっとしたように顔をあげ、それから燈子に頭を下げる。
「燈子、お前が警察に真世は被害者だと証言してくれ」
燈子はめまいを感じ、こめかみに手を当てた。
「ふざけるな!」
颯雅の怒声に、正雄と麻子がびくっとする。
「燈子を虚仮にするにもほどがある。お前たちを助けることは一切ない!」
「そ、そこをなんとか」
「燈子、お前からもなんとかお言い。あのりんごの木を切るわよ。大切なんでしょ」
燈子の口元が怒りでゆがんだ。
この期に及んで脅してくるなんて。



