きゃいん、と悲鳴を上げた犬は、怒りのうなりを上げて再度とびかかる。それを折れた剣でいなし、そのまま反対側からとびかかる犬を斬る。
あやかしの犬は減り、もう後援はいないようだがまだまだ多い。颯雅ひとりの手には余る。
その上。
「よくもやってくれたな」
血を流した病狗が、のそりと現れた。その目には憤激の炎が燃えている。
「楽に死ねると思うなよ。四肢を裂き、はらわたを裂き、生きながらに食ろうてやる。のたうちながら死ね! しょせん我らにはかなわない!」
病狗が咆哮を上げたとき。
「わん! わんわん!」
どこからともなく吠え声が聞こえ、あやかしの犬たちがそちらを見た。
病狗もいぶかしげに視線を送る。
ざざざ、と落ち葉を駆けるたくさんの足音。重なる荒い息遣い。
現れたのは犬の集団。
先頭にいるのはシロマツだ。
犬たちは病狗とあやかしの犬たちを取り囲んだ。
「あおーん!」
シロマツの遠吠えが響き、犬たちが一斉にあやかしの犬にとびかかる。
「なんということだ、犬が犬を襲うとは!」
病狗は悲鳴のような声を上げた。
「やめろ、お前たち! 待ってろ、今すぐ仲間にしてやるからな!」
病狗は軍用犬にかみつこうとする。が、軍用犬は俊敏にそれをよける。常に前方に敵を見据える位置に回り、背後を取らせない。
「やめろ、犬同士で争うな、やめろ! こんな悲劇があってはならない!」
病狗は泣きそうな顔で軍用犬を襲うが、訓練された彼らは病狗の攻撃を逃れ、さらにあやかしの犬を屠る。ひらりひらりと飛ぶように動く軍用犬に病狗は翻弄されるばかりだ。
あやかしの犬は減り、もう後援はいないようだがまだまだ多い。颯雅ひとりの手には余る。
その上。
「よくもやってくれたな」
血を流した病狗が、のそりと現れた。その目には憤激の炎が燃えている。
「楽に死ねると思うなよ。四肢を裂き、はらわたを裂き、生きながらに食ろうてやる。のたうちながら死ね! しょせん我らにはかなわない!」
病狗が咆哮を上げたとき。
「わん! わんわん!」
どこからともなく吠え声が聞こえ、あやかしの犬たちがそちらを見た。
病狗もいぶかしげに視線を送る。
ざざざ、と落ち葉を駆けるたくさんの足音。重なる荒い息遣い。
現れたのは犬の集団。
先頭にいるのはシロマツだ。
犬たちは病狗とあやかしの犬たちを取り囲んだ。
「あおーん!」
シロマツの遠吠えが響き、犬たちが一斉にあやかしの犬にとびかかる。
「なんということだ、犬が犬を襲うとは!」
病狗は悲鳴のような声を上げた。
「やめろ、お前たち! 待ってろ、今すぐ仲間にしてやるからな!」
病狗は軍用犬にかみつこうとする。が、軍用犬は俊敏にそれをよける。常に前方に敵を見据える位置に回り、背後を取らせない。
「やめろ、犬同士で争うな、やめろ! こんな悲劇があってはならない!」
病狗は泣きそうな顔で軍用犬を襲うが、訓練された彼らは病狗の攻撃を逃れ、さらにあやかしの犬を屠る。ひらりひらりと飛ぶように動く軍用犬に病狗は翻弄されるばかりだ。



