「お前は人ではない。一時的に人の姿だったとしても! 人に与して守るなど、それこそがありえない!」
「人間であるかどうかなど関係ない。愛する女を守るためなら、なにを投げうっても惜しくない」
颯雅の断言に、病狗はまた舌打ちをした。
やはりこいつはぬるま湯につかって育ったお坊ちゃんだ。自分のように苦境を耐えて生き抜いていたわけではないから愛などと言っていられるのだ。
「みなの恨みだ、やれ!」
さらにけしかけられ、颯雅は次々と襲ってくる犬を斬っていく。
一部の犬は燈子が乗った車を狙うから、そちらも対処しなくてはならない。
やがて刃がこぼれ、疲労で颯雅の動きがにぶくなってきた。
気づいた病狗はにたりと笑う。
「そろそろとどめをさしてやろうか」
その言葉を潮に、犬たちが一歩を下がる。
病狗は熊のような巨体を揺らし、颯雅に向かう。
玉のような汗をかいた颯雅は肩で息をして、切れ味の悪くなったサーベルを病狗に向けた。
緊張とともににらみ合うこと数瞬。
病狗が突進した。
颯雅がよけざまにサーベルを薙ぎ払う。
が、はじかれて刃こぼれが増えた。
「くそ!」
颯雅が態勢を整える間もなく病狗が再度の突進を見せる。
と同時にあやかしの犬が颯雅に襲いかかった。
颯雅はとっさによけることしかできない。
それでもなんとか続く犬を斬り、間を縫って病狗に迫る。
上段から袈裟懸けに斬りつけた刃を、病狗はがっとくわえる。
「人間であるかどうかなど関係ない。愛する女を守るためなら、なにを投げうっても惜しくない」
颯雅の断言に、病狗はまた舌打ちをした。
やはりこいつはぬるま湯につかって育ったお坊ちゃんだ。自分のように苦境を耐えて生き抜いていたわけではないから愛などと言っていられるのだ。
「みなの恨みだ、やれ!」
さらにけしかけられ、颯雅は次々と襲ってくる犬を斬っていく。
一部の犬は燈子が乗った車を狙うから、そちらも対処しなくてはならない。
やがて刃がこぼれ、疲労で颯雅の動きがにぶくなってきた。
気づいた病狗はにたりと笑う。
「そろそろとどめをさしてやろうか」
その言葉を潮に、犬たちが一歩を下がる。
病狗は熊のような巨体を揺らし、颯雅に向かう。
玉のような汗をかいた颯雅は肩で息をして、切れ味の悪くなったサーベルを病狗に向けた。
緊張とともににらみ合うこと数瞬。
病狗が突進した。
颯雅がよけざまにサーベルを薙ぎ払う。
が、はじかれて刃こぼれが増えた。
「くそ!」
颯雅が態勢を整える間もなく病狗が再度の突進を見せる。
と同時にあやかしの犬が颯雅に襲いかかった。
颯雅はとっさによけることしかできない。
それでもなんとか続く犬を斬り、間を縫って病狗に迫る。
上段から袈裟懸けに斬りつけた刃を、病狗はがっとくわえる。



