犬は警戒し、唸りながら距離をとり、またとびかかる。
「神の血を引くとかほざいているらしいな。だがそれが本当なら、食えば俺の妖力は格段に上がるだろう」
血走った眼をぎらつかせ、病狗は言う。
「食われるようなへまはしない!」
颯雅は次々に襲いくるあやかしの犬を斬るが、森の奥からは途切れることなく現れる。
「どれだけいるんだ」
額を流れる汗をぬぐい、颯雅はこぼす。
「お前は俺の仲間を殺した。絶対に許さない。俺が幸せになるのを邪魔しやがって」
「お前がけしかけるからだろうが」
斬り捨てながら颯雅は反論する。
「俺は生きるために食うことすら許されないというのか」
「お前たちが俺たちを害するから滅する。それだけだ」
颯雅の目に迷いはなくて、だから病狗は舌打ちする。
燈子のような愚かな『善人』は簡単に惑わされてくれるのだが、やはり軍人は覚悟が違う。
「お前は本来、こちら側であるはずだろう?」
病狗は怒りとともに言う。
「ありえない」
颯雅はばっさりと切り捨てる。
「なぜだ、生まれながらに狼で、人に虐げられないわけがない」
病狗は知っている。人は人を虐げる生き物だ。恵まれた環境で育ったこの男とて、異形。本来はこちら側のはずなのだ。
「神の血を引くとかほざいているらしいな。だがそれが本当なら、食えば俺の妖力は格段に上がるだろう」
血走った眼をぎらつかせ、病狗は言う。
「食われるようなへまはしない!」
颯雅は次々に襲いくるあやかしの犬を斬るが、森の奥からは途切れることなく現れる。
「どれだけいるんだ」
額を流れる汗をぬぐい、颯雅はこぼす。
「お前は俺の仲間を殺した。絶対に許さない。俺が幸せになるのを邪魔しやがって」
「お前がけしかけるからだろうが」
斬り捨てながら颯雅は反論する。
「俺は生きるために食うことすら許されないというのか」
「お前たちが俺たちを害するから滅する。それだけだ」
颯雅の目に迷いはなくて、だから病狗は舌打ちする。
燈子のような愚かな『善人』は簡単に惑わされてくれるのだが、やはり軍人は覚悟が違う。
「お前は本来、こちら側であるはずだろう?」
病狗は怒りとともに言う。
「ありえない」
颯雅はばっさりと切り捨てる。
「なぜだ、生まれながらに狼で、人に虐げられないわけがない」
病狗は知っている。人は人を虐げる生き物だ。恵まれた環境で育ったこの男とて、異形。本来はこちら側のはずなのだ。



