婚約者は狼神!? 帝国の守護神の通訳として雇われた私、なぜか溺愛されてます!

 颯雅様はあきらめなかった。
 あきらめずに道を開いて、帝国の守護神になった。

 私はその婚約者なんだから。
 だから、あきらめちゃダメ。

 ふらつきながら一歩を踏み出したとき。
 きらりと光るものが見えた。
 光はどんどん近づいてくる。

 まさか。
 燈子は愕然と光を見つめた。
 病狗も足を止め、目を細めて光の正体を見極めようとする。

「車か!」
 病狗が合点が言ったように声を上げる。

 車は燈子の前で横滑りして止まった。
 中から男性がサーベルを持って飛び出してくる。

「無事か!?」
 男性が叫ぶ。

 車のライトが逆光になってうまく姿が見えない。
 だけど、この声は、きっと。
 きっと。

 燈子の瞳が、我知らず潤んだ。

「待たせたな」
 颯雅の声が響き、白銀の髪がきらりと光った。