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ジャーキーを食べ終えたシロマツはまた、わん! と吠える。
「これ以上はダメだよ」
「わん! わん!」
そうじゃない、と言われているように思えて当直の兵士は首をかしげる。
「大鶴さんがいらしたら通訳できるのかな」
「わん!」
そうだ、と言われている気がして、彼はシロマツの頭を撫でる。
「大鶴さんが好きか?」
「わん!」
「そうだよなあ。かわいくて気立てがよくて。気が強そうだけど」
「わん! わん!」
シロマツは吠えながら歩き出し、ついてこい、と言わんばかりに振り返る。
「仕事中だから遊べないよ」
兵士が言うと、シロマツは走り出した。
「あ、こら!」
とがめるものの、彼は追いかけない。
「まあいっか。見なかったことにしよう」
犬の脱走より当直現場の守護だ。この前、持ち場を離れた警備兵はバツとして死ぬほど特訓させられたという。
男は詰め所の椅子にどっしりと座り直した。



