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真世は一目散に家に逃げ帰った。
あやかしたちはシロマツを追い、自分は無事に逃げのびられた。
警備兵に怒られたが、真世は無視して家の中に入る。入ってしまえばもう彼らは追ってこられない。
「ああよかった」
颯雅を連れてこいと言われたが、もう嫌だ。今度こそ食われるかもしれない。怖くて怖くて、二度と病狗になんて会いたくない。
颯雅が自分の頼みを聞いてくれるとも思えない。いつもすげなく断られてばかり。
かといって病狗の脅迫を無視したら、それもまた食われる原因になるかもしれない。
「明日になったら言えばいいわ。すぐに言わなかったのは、怖かったからって言えばいいものね。そのころにはきっとあいつは殺されているわ。もしあやかしがここにきても警備がいるから私は安全」
怪しい術のたぐいが使えるわけではないことは、今日の病狗の様子でわかった。だから突然寝室に現れて殺されたりはしない。そもそもそれができるなら燈子を連れてこいなんて言わないはずなのだ。
真世は寝間着に着替え、布団に横になる。
緊張から解放されたおかげか、すぐにぐっすりと眠りについた。
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シロマツはあやかしをふりきり、駐屯所までを走り切った。が、首輪につけた燈子の袖はとうに落ちている。
門の隙間からするりと入ると、詰め所にいた当直の兵士が見とがめる。
「お前、シロマツか?」
シロマツは尻尾をふって、わん、わん! と元気よく吠える。
「綾月大尉のところから脱走してきたのか? 相変わらずの脱走癖だな」
苦笑する警備兵に、わん、わん、と吠えるシロマツ。



