首輪にはさんだ袖が途中で落ちたとしても、駐屯所にシロマツが行けば研究所にいる颯雅に連絡が行くだろう。きっと、来てくれる。
燈子は祈るように信じて足を動かす。
自分の足音に交じり、ざざっと枯れ葉の上を走る音が聞こえてはっとした。
「おかしいなあ、どこに行った?」
燈子は悲鳴を上げそうになってぐっとこらえる。
病狗が自分を探している。その足音は燈子の居場所がわかっていて、いたぶっていることを告げるかのようにゆっくりと聞こえた。
はっはっはっと、複数の犬の興奮した息遣いが森に響く。
「かくれんぼも楽しいなあ。臭いですぐわかるけどなあ。あいつが来るまでの暇つぶしに遊んでやるとしよう」
犬としての嗅覚ゆえなのか。瓶を割ったときに香水が服にもついたから、強く臭っているはずだ。
すぐに見つかってしまった。だけど。
燈子は必死に足を動かす。
目の前に、街へと続く道が現れた。
とっさにそこへ向かいかけ、思い直す。
このままでは病狗やあやかしを連れて街に行くことになる。真夜中とはいえ無人ではないし、あやかしが気まぐれに民家に侵入したら、大変なことになる。
燈子は森の奥へと再び足を向ける。
「どこへ行く気だ?」
病狗の声は、ゆっくりと燈子を追ってきた。
燈子は祈るように信じて足を動かす。
自分の足音に交じり、ざざっと枯れ葉の上を走る音が聞こえてはっとした。
「おかしいなあ、どこに行った?」
燈子は悲鳴を上げそうになってぐっとこらえる。
病狗が自分を探している。その足音は燈子の居場所がわかっていて、いたぶっていることを告げるかのようにゆっくりと聞こえた。
はっはっはっと、複数の犬の興奮した息遣いが森に響く。
「かくれんぼも楽しいなあ。臭いですぐわかるけどなあ。あいつが来るまでの暇つぶしに遊んでやるとしよう」
犬としての嗅覚ゆえなのか。瓶を割ったときに香水が服にもついたから、強く臭っているはずだ。
すぐに見つかってしまった。だけど。
燈子は必死に足を動かす。
目の前に、街へと続く道が現れた。
とっさにそこへ向かいかけ、思い直す。
このままでは病狗やあやかしを連れて街に行くことになる。真夜中とはいえ無人ではないし、あやかしが気まぐれに民家に侵入したら、大変なことになる。
燈子は森の奥へと再び足を向ける。
「どこへ行く気だ?」
病狗の声は、ゆっくりと燈子を追ってきた。



